【コラム】世界中で高まるバリ島を中心としたリトリートへの関心

近年、インドネシア、特にバリ島はヨガや瞑想を中心としたリトリートの世界的な拠点となっています。リトリート(Retreat)とは、数日間日常生活や世間の喧騒を離れ、仕事や人間関係で疲れた心や体を癒し、心身ともにリセットする過ごし方のことです。日本では『転地療法/療養』とも呼ばれています。メンタルヘルスの重要性が声高に訴えられる中、ウェルネス・ツーリズムの台頭により、今まさにリトリートへの関心が高まっているのです。

2022年グローバルウェルネス経済の構図(https://globalwellnessinstitute.org/press-room/press-releases/globalwellnesseconomymonitor2023/

Global Wellness Instituteによると、グローバル・ウェルネス経済は、2022年に5.6兆ドルに達し、2027年までには8.5兆ドル(凡そ2020年の2倍)に達することが予想されているビッグマーケットです。中でも、ウェルネス・ツーリズム産業は、自宅を離れてもなお健康的なライフスタイルとウェルネスルーティーンを継続することを実現可能にする、現代の需要に沿った、発展が著しい分野なのです。ウェルネス・ツーリズム産業はパンデミック後の2020年から2022年の間に36.2%の成長を遂げ、その規模は2022年には6,510億ドルに達し、更に2027年までに16.6%の成長率が予測されています。

参考:https://globalwellnessinstitute.org/press-room/press-releases/globalwellnesseconomymonitor2023/

ウェルネス・ツーリズムが勢いを増すなか、息をのむような自然の美しさ、豊かな文化遺産、スピリチュアルな雰囲気を持つインドネシアは、心の平穏、バランス、若返りを求める世界中の人々を魅了しています。中でも、しばしば「神々の住む島(Pulau Dewata)」と呼ばれ、修行と癒しの長い伝統を持つバリ島は、人気のリトリート地となっているのです。バリ島の古代寺院、緑豊かな風景、活気に満ちた文化は、リトリートに訪れる外国人の自己発見と自己成長を促す環境を作り出しています。島の盛んなウェルネスシーンに魅せられ、2023年、バリ島は527万人以上の外国人観光客を迎えました(前年比144.61%)。観光客の増加は、心の健康と幸福に対する世界的な需要の高まりと相まって、ヨガや瞑想を中心としたバリ島でのリトリートの人気急上昇にも貢献しています。

参考:https://balimanagement.villas/blogs/bali-tourism-statistic/#:~:text=In%20the%20year%202023%2C%20Bali,compared%20to%20the%202022%20period.

https://www.theyogabarn.com/about.html

バリ島で最も有名なリトリートセンターのひとつが、ウブドの中心部にあるヨガ・バーン(The Yoga Barn)です。7つのスタジオを展開するヨガ・バーンでは、ヨガ、瞑想、ダンス、ヒーリング、サットサンガやセミナー、健康とウェルネスのセッションなど、初心者から経験者まで幅広く、週に100以上のクラスが開催されています。センターの緑豊かな庭園、伝統的なバリ建築、オーガニックカフェなどの充実した環境は、リトリートの実践を深め、「内なる平和」や心の静けさを追求しに訪れる人々に、穏やかで心地よい雰囲気を提供しています。

もうひとつの人気リトリート先は、ウブドに隣接するペネベル(Penebel)の農村にあるバリ・サイレント・リトリート(Bali Silent Retreat)です。こちらのリトリートセンターも、ヨガ、瞑想、オーガニック・ベジタリアン料理、エコフレンドリーな環境を揃え、日常生活の喧噪から離れ、自分自身や自然とのつながりを取り戻すための空間を提供しています。

バリ島以外のインドネシアの島々も、リトリート先として人気を集め始めています。バリ島のすぐ東に位置するロンボク島には、アシュタリ・ヨガ&メディテーション・リトリート(Ashtari Yoga and Meditation Retreat)があります。海を見下ろす丘の上に位置する同リトリートセンターのプログラムには、毎日のヨガと瞑想のクラスのほか、アーユルヴェーダなどホリスティックなプラクティスに関するワークショップが含まれています。

インドネシアにおけるリトリートの人気の高まりは、地域社会にも良い影響を与えています。多くのリトリートセンターは地元の地域や村と密接に協力し、地元の住民に雇用機会を提供したり、地域開発プロジェクトを支援しています。また、地元の農家と提携し、ベジタリアン用の食事に使う有機野菜を購入し、持続可能な農業と地域の経済成長を支援しているリトリートセンターや、利益の一部を地元の教育や環境保護活動に寄付しているリトリートセンターもあるようです。

ウェルネスと自己発見への需要が世界中で高まる中、インドネシアは非日常的な体験を求めるウェルネス旅行者のニーズに応えるのに絶好の地位にあります。豊かな文化や自然の宝庫であるインドネシアは、世界各国から訪れる人々に、日常生活で蓄積したストレスや緊張をほぐし、心身ともに充電し、自分自身や周りの世界と再び繋がるための無限の機会を提供しています。様々なニーズや好みに応じたプログラムやサービスを提供するリトリートセンターの多様化も進んでいます。

ウェルネス・ツーリズム産業は2027年までに7,590億ドルに達すると予測されており、インドネシアの優れたリトリート環境は、訪れる人々に癒しと成長の空間を提供し続けるだけでなく、同時に地域社会に良い影響を与えることが期待されています。その上で、リトリートセンターにとってもビジターにとっても、地元地域への尊敬の念と文化的感受性を持ってこれらの実践に取り組むことが求められています。地域社会と関わり、持続可能な観光の実践を支援し、伝統を尊重することで、ビジターとリトリートセンターの双方に良い影響をもたらすことができるのです。

弊社インドネシア総合研究所では、インドネシアビジネスを始められる日本の企業様に、持続可能性と異文化理解を大切にしたコンサルティングサービスを提供しております。

また、弊社代表のアルビーが理事をつとめるインドネシアリンケージクラブ主催で、バリでのマインドフルネスプログラムが開催予定です。本プログラムでは、ヨガの哲学をうまくビジネスに取り入れ、成功するための秘密を紐解いていきます。ご興味がある方はぜひお申込みください。

本コラムでご紹介したように、今後需要がますます高まるウェルネス産業において、弊社とともにインドネシア市場に進出してみませんか。ご関心をお持ちの方は是非お気軽に弊社インドネシア総合研究所へお問い合わせくださいませ。

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