インドネシアにおける健康診断制度と無料検診プログラムの最新動向

インドネシアでは経済発展に伴い、人々の健康意識が年々高まっています。

政府も予防医療の強化を進めており、健康診断の普及や無料検診プログラムの拡充に取り組んでいます。

本コラムでは、インドネシアにおける健康診断の費用、検査内容、さらに政府主導の無料健康診断プログラム(CKG)の動向についてご紹介します。

目次

インドネシア政府基準の健康診断

インドネシアにおける健康診断の費用は、財務大臣規則第109/2014号に基づき定められています。

料金

実際の費用は病院によって異なりますが、平均的な金額は以下の通りです。

  • 基本パッケージ:Rp757,000(約7,060円)
  • 男性向けパッケージ:Rp1,166,400(約10,880円)
  • 女性向けパッケージ:Rp1,926,000(約17,970円)

保険適用について

健康診断は原則として保険適用外です。

インドネシアの公的医療保険制度である BPJS Kesehatan も対象外となります。

検査内容

一般的な健康診断には、主に以下の項目が含まれます。

  • 身体検査:血圧、心拍数、体温、臓器の状態
  • 尿検査:尿路感染症、腎疾患、糖尿病など
  • 血液検査:血球、脂質、血糖、肝機能、腎機能、電解質
  • 心臓検査:心電図、心エコー、負荷試験
  • 放射線検査:腹部X線、腹部超音波

追加可能な検査と料金

必要に応じて、以下のような検査を追加することも可能です。

  • 胸部レントゲン
  • 各種超音波(エコー)
  • 乳腺超音波
  • トレッドミルテスト(心機能)
  • 聴力検査
  • スパイロメトリー(肺機能)
  • 眼圧測定

健康診断を受けられる場所

健康診断は病院のほか、地域の保健所(プスケスマス)でも受診できます。

費用は比較的安価で、5万~15万ルピア(約460~1,400円)が目安です。

参考WEBサイト:halodoc公式サイト「政府の標準健康診断費用の範囲とそのメリット」

インドネシア政府による無料健康診断プログラム(CKG

画像:https://www.badankebijakan.kemkes.go.id/en/cek-kesehatan-gratis-kesehatan-yang-lebih-baik-untuk-semua/

通常の健康診断は自発的な受診が前提であり、受診率の低さが課題となっていました。

この状況を改善するため、保健省は無料健康診断プログラム(CKG)を開始しました。

本プログラムは 2025年2月10日に開始され、国民は誕生日から30日以内であれば無料で健康診断を受けることができます。

2025年末までに、全国 38州514の県・市、10,588の医療施設が参加し、約7,029万人が受診しました。

男女別では、女性が 54.39%、男性が 45.61% と女性の受診率がやや高くなっています。

州別では、以下の州が多い結果となりました。

  • 中部ジャワ州:約1,440万人
  • 東ジャワ州:約1,300万人
  • 西ジャワ州:約1,000万人

年齢層別では新生児の受診が最も多く、2025年に生まれた約440万人のうち、約52%にあたる230万人が検査を受けました。

一方で、プログラム開始から1年が経過した現在でも無料健康診断プログラムの認知度は約45%にとどまっており、周知拡大が政府の課題となっています。

参考WEBサイト:Indonesia baik.id 公式サイト「インドネシア全土で7,000万人以上が無料健康診断を受ける」

無料健康診断プログラムによってわかったインドネシア人の健康上の問題

2025年10月時点のデータによると、成人受診者は以下に該当することが明らかになりました。

  • 96%が運動不足
  • 41.9%が虫歯
  • 32.9%が中心性肥満
  • 24.4%が過体重・肥満

新生児では、胆管異常(18.6%)、低出生体重(6.1%)、重篤な先天性心疾患(5.5%)などのリスクが確認されています。

また幼児・未就学児では、歯の健康問題、発育不良、衰弱が目立っています。

これらの結果を受け、プラボウォ大統領は特に虫歯の多さを問題視し、国内の歯科医不足を指摘しました。

現在、医師全体で約14万人が不足しているとされ、医療人材育成の強化が急務となっています。

参考WEBサイト:KOMPAS公式サイト「保健省:成人参加者の96%が運動不足」
KOMPAS公式サイト「プラボウォ氏、CKGの所見を明らかに」

2026年より無料HPV検査を実施

インドネシア保健省は、無料健康診断プログラムの一環として、女性向けに子宮頸がん予防のためのHPV検査を導入する方針です。

子宮頸がんは国内で深刻な課題となっており、年間約36,000件の症例が報告されています。

さらに約70%が進行段階で発見されるため、死亡リスクの高さが問題となっています。

このため政府は、早期発見のための検査アクセス拡大を進めています。

参考WEBサイト:LINGUA LEARN公式サイト「インドネシアの多国籍企業で求められる5つの外国語」
KOMPAS公式サイト「保健省は2026年から無料のHPV検査サービスを提供する予定」

今回のコラムでは、インドネシアにおける健康診断制度と、政府が推進する無料健康診断プログラムの最新動向についてご紹介しました。

受診データからは、運動不足や口腔衛生、肥満対策など多くの健康課題が浮き彫りとなっており、医療人材の不足や予防医療体制の強化が今後の重要テーマになると考えられます。

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