【コラム】インドネシアにおける運転免許〜免許の種類、取得条件等〜

2023年11月20日

インドネシアでは、特に都市部などで地下鉄やバスなどの公共交通機関が徐々に発達してはいますが、まだまだバイクでの移動が主流です。車やバイクでの移動が多いインドネシアの人々にとって、運転免許の取得は欠かせません。
今回のコラムでは、インドネシアにおける運転免許事情についてご紹介します。

インドネシアにおける運転免許証の種類

インドネシアの運転免許証の種類は、個人用途で使用する場合と運送などの公共の用途で使用する場合の２種類があります。

１．SIM Perseorangan(個人用自動車運転免許証)

SIM Perseoranganは、個人用途で使用する場合に携帯が必要な運転免許証で、以下の７種類に分かれています。

・SIM Perseorangan A：車両総重量3500kgを超えない乗用車の運転
・SIM Perseorangan B1：車両総重量3500kgを超える乗用車の運転
・SIM Perseorangan B2：牽引物が1000kgをこえる牽引用車両の運転
・SIM Perseorangan C：時速40km以上の速度がだせるバイクの運転
・SIM Perseorangan C1：排気量250〜500ccのバイクの運転
・SIM Perseorangan C2：排気量500cc以上のバイクの運転
・SIM Perseorangan D：身体障害者の運転

SIM Perseoranganの種類ごとの取得可能な年齢は以下の通りです。
＜免許取得可能な年齢＞
・SIM A、SIM C、SIM D：17歳以上
・SIM B1：20歳以上
・SIM B2：21歳以上

取得条件は以下の通りです。
＜条件＞
・KTP（住民登録証）を持っている
・交付申請をする
・健康証明書の提出
・筆記試験と実技試験の合格

上記に加えて、SIM B1及び、SIM B2を取得したい場合は以下の条件をクリアしている必要があります。
・SIM Perseorangan B1：SIM Perseorangan Aを12ヶ月以上保有していること
・SIM Perseorangan B2：SIM Perseorangan B1を12ヶ月以上保有していること

２．SIM Umum(公共用自動車免許証)

SIM Umumは、運送業など仕事で使用する場合に携帯が必要な運転免許証で以下の3種類に分かれています。

・SIM Umum A：車両総重量3500kgを超えない公共車の運転
・SIM Umum B1：車両総重量3500kgを超える公共車の運転
・SIM Umum B2：牽引物が1000kgをこえる牽引用車両の運転

SIM Umumの種類ごとの取得可能な年齢は以下の通りです。

＜免許取得可能な年齢＞
・SIM A：20歳以上
・SIM B1：22歳以上
・SIM B2：23歳以上
個人用の免許取得よりも、年齢制限が高いことがわかります。

＜条件＞
・KTP（住民登録証）を持っている
・交付申請をする
・健康証明書の提出
・筆記試験と実技試験の合格

上記に加えて、SIM A、B1、B2を取得したい場合は以下の条件をクリアしている必要があります。
・SIM Umum A：SIM Perseorangan Aを12ヶ月以上保有していること
・SIM Umum B1：SIM Perseorangan B1又はSIM Umum Aを12ヶ月以上保有していること
・SIM Umum B2：SIM Perseorangan B2又はSIM Umum B1を12ヶ月以上保有していること

インドネシアにおける免許証交付手数料

免許証ごとの交付手数料は以下の通りです。

・SIM A、B1、B2：Rp 120,000（約1,140円）
・SIM C、C1、C2：Rp 100,000（約950円）
・SIM D、D1：Rp 50,000（約480円）
・国際運転免許証：Rp 250,000（約2,380）

参考WEBサイト：https://www.cermati.com/artikel/cara-membuat-sim-dan-biaya-pengurusannya

インドネシアにおける国際免許の取り方

インドネシアでは日本で取得した国際免許証は無効なため、インドネシアで改めて国際免許を取得する必要があります。
インドネシアで個人が国際免許を取得する場合、外国人はSIM Perseorangan A又はSIM Perseorangan Cのみ取得可能です。
国際免許取得の流れとしては、免許センターに行き学科試験と実技試験を受けて合格し、必要書類を提出すれば取得することができます。
免許取得のために外国籍の人が必要な書類は、以下の通りです。

1.　パスポート
2.　一時滞在許可書 (KITAS又KIPAS)
3.　STMD（在住車が警察に届け出る証明書）
4.　居住証明書
5.　健康証明証

一時滞在許可書や居住証明書が必要になるので、観光などで数日滞在するために取得することはできません。

参考WEBサイト：https://www.denpasar.id.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
https://otomotif.kompas.com/read/2023/03/07/091200615/turis-asing-bisa-bikin-sim-internasional-di-indonesia-begini-caranya

インドネシアの交通事故件数

2020年のインドネシアで発生した交通事故件数は、10万28件で、死者数は2万3529人となります。日本の交通事故件数は、約30万件ですが、死者数は2,839人です。

インドネシアと日本を比較すると、インドネシアでは、交通事故件数に対して死者数が多いことがわかります。
インドネシアは交通量が多く渋滞も多いことや、整備されていない道路が沢山あることが、交通事故件数に対して死者数が多い要因のひとつとして考えられます。

参考WEBサイト：https://databoks.katadata.co.id/datapublish/2023/05/24/ini-statistik-kejadian-hingga-jumlah-korban-kecelakaan-lalu-lintas-di-indonesia
https://www.npa.go.jp/hakusyo/r03/honbun/html/x4411000.html#:~:text=%EF%BC%881%EF%BC%89%E4%BB%A4%E5%92%8C2%E5%B9%B4,%E3%81%AE%E6%9C%80%E5%B0%91%E3%82%92%E6%9B%B4%E6%96%B0%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82

今回のコラムでは、インドネシアにおける運転免許についてご紹介しました。
インドネシアでは日本で取得した国際免許が使用できないので、現地へ数日滞在する際の移動についてはタクシーや、バスなどを利用する必要があります。
また、交通量が多く狭い道が多いので、日本人がインドネシアで運転免許を取得し、運転する際は最新の注意を払う必要があります。

日本とインドネシアに拠点を持つ弊社では、インドネシアビジネスにおいて専門的なアドバイスが可能です。
現地へ視察をする場合も、現地のスタッフと連携しサポートいたしますのでお気軽にご相談ください。

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