【コラム】インドネシアのアルコール飲料事情と代表的なビール

インドネシアのというとイスラム教徒が大半を占めているため、アルコールは禁止というイメージが強いと思います。イスラム教徒の人々はアルコールを口にしませんが、一方でバリ島などではヒンドゥー教を信仰している人々、キリスト教徒、先住民族固有の宗教を信仰する人々など、イスラム教徒以外の人々はアルコールを飲む習慣のある人々もいるため、インドネシア国内でも酒類の製造が行われています。今回のコラムでは、インドネシアにおける飲酒事情を簡単にご紹介し、アルコール関連の規制やインドネシアの代表的なビールをご紹介いたします。

インドネシアにおける飲酒事情

(出典:インドネシア中央統計局データより弊社作成)

2021年の統計データに基づくと、15歳以上のインドネシア人の1人あたりの年間飲酒量は都市部では0.18リットル、農村部では0.6リットルです。インドネシア全土にイスラム教徒の人々が居住していますが、インドネシアの非イスラム教徒で大きな人口を占めるキリスト教徒は比較的農村部に居住していることが関係していると考えられます。インドネシアではキリスト教徒の大半はインドネシア東部に居住しており、そしてそれらキリスト教徒が多数派を占める地域はパプア、アンボン、北スラウェシです。また、バリ島もヒンドゥー教徒が多数を占めております。こうした非イスラム教徒の人々は宗教上の飲酒の制約がないため、飲酒の習慣を持つ人々もいます。

参考:https://www.bps.go.id/indicator/30/1475/1/konsumsi-alkohol-oleh-penduduk-umur-15-tahun-dalam-satu-tahun-terakhir.html
https://www.kompas.com/stori/read/2022/07/12/120000679/kenapa-agama-kristen-di-indonesia-bagian-timur-berkembang-pesat-?page=all

インドネシアにおける飲酒に関する法規制

インドネシアでは、イスラム教徒が多いことも関係し、アルコール飲料に関して中央政府レベルから地方自治体レベルまで、多くの規制で厳しく取り締まられています。中央レベルの規制においてはアルコール飲料の分類は次の3グループがあります。

【アルコール飲料の分類】

グループA 5%までの濃度のエチルアルコールを含む飲料
グループB エチルアルコール含有量が5%以上20%未満の飲料
グループC エチルアルコール含有量が20%以上55%以下の飲料

アルコール飲料は礼拝所、教育機関、病院に近い場所においては販売できず、21歳以上の人にのみ販売が可能です。その場で飲む形態でのアルコール飲料の販売は観光関連の法規制に基づくホテル、レストラン、バーなど、ジャカルタ州の市長および知事によっての指定された場所で行うことができます。また小売店でのアルコール飲料の販売は免税店やジャカルタ州の市長および知事によって指定された場所で行うことができます。小売店などの場合は、アルコール飲料を特別な場所を設けて置くか、他の商品と一緒に置かずに別々に置く必要があります。このような中央レベルの法規制の他にも州レベルの規制が細かく規定されており、インドネシアのアルコール飲料については、販売やその他の法規制をくまなくチェックする必要があります。

参考:https://nasional.kompas.com/read/2022/06/25/03250041/hukum-minum-alkohol-di-indonesia

インドネシアのビール

【Bintang(ビンタン)】

出典:https://www.birbintang.co.id/en/home

Bintangビールはインドネシアで最も知名度の高いビールの1つで、醸造所はオランダのビール会社ハイネケンが所有しています。Bintangとは「星」という意味でボトルのデザインにも採用されています。軽くてさわやかな味で、暑い気候に最適です。アルコール度数は4.7%です。通常のBintangビールの他にもレモン味のBintang Radlerや、ノンアルコールビールのBintang Zeroなども販売されています。

参考:https://www.birbintang.co.id/en/home

【Bali Hai(バリハイ)】

出典:https://balihaibeer.com/the-company/

Bali Haiビールは1975年に設立され、この名前は「南太平洋」というミュージカルの劇中の歌からとられています。代表的なBali Hai Premiumはアルコール度数が5%で、クリーンでさわやかなうえ、独特なフルーティーでフローラルな味わいを楽しむことができます。その他のラインナップには、生ビールやチョコレートやナッツのような味わいを楽しむことができるPanther Black Beerなどがあります。

参考:https://balihaibeer.com/the-company/

【Stark(スターク)】

出典:https://starkcraftbeer.com/collections/wheat-beer/

Starkビールはインドネシアのバリ島に醸造所を持ち、独特なクラフトビールを製造しています。通常のStarkビールはアルコール度数が5%で、爽快感のあるのど越しと、フルーティーで柑橘系の味が特徴的です。Starkビールは独特なフレーバーなどのラインナップが特徴的で、マンゴーやライチ味のものや低糖質のビールなども販売しています。

参考:https://starkcraftbeer.com/collections/wheat-beer/


本コラムでは、インドネシアにおける飲酒事情や規制、代表的なビールをご紹介いたしました。イスラム教徒が多く、飲酒をしない人が多いイメージがあるインドネシアですが、非イスラム教徒の人々のなかには飲酒の習慣を持つ人々もいます。また、インドネシアには世界の人々を魅了するビールなどを醸造している企業もあり、酒類製造に関する高い技術をもっています。

一方、インドネシアでアルコールの販売や提供を行う場合は国レベル・地方自治体レベルの厳しい規制を遵守する必要があります。弊社インドネシア総合研究所はインドネシア全土に専門家や企業のキーマンなどのネットワークを築き上げていることから、皆様がインドネシアで事業を始めるにあたって、法規制やその他様々な留意点についても事前に調査対応させていただくことが可能です。

また、インドネシアの魅力的なアルコール飲料を日本で輸入・販売されたい方のお手伝いもさせていただくことができます。酒類に関わらずインドネシアでの事業展開をお考えの方で、それら事業についての現地での法規制やその他制約ついての調査、同時にそれら成約事項について以下に対処すべきかをアドバイスさせて頂きます。

これら現地事情調査やアドバイザリーサービスにご興味をお持ちの事業者の皆様からのお問合せをお待ちしております。

株式会社インドネシア総合研究所
お問い合わせフォーム
Tel: 03-6804-6702

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