【コラム】インドネシアのノマドワーク事情とバリ島の秘める可能性

コロナ禍以降、日本でもリモートワークや場所にとらわれない働き方などを導入する企業も増えてきており、オフィス以外で働くことが一般的になりつつあります。自宅のみならず、コワーキングスペースでの勤務など働く場所は多様化しています。インドネシアにおいても働く場所に関する考え方は変化しており、観光収入も期待できる海外からのノマドワーカーを受け入れるデジタルノマドビザを発給することを決めました。今回のコラムでは、インドネシアにおけるノマドワーク事情に関してご紹介いたします。

ノマドワークとは


ノマドワークの「ノマド」とは「遊牧民、放浪者」を意味する「nomad」という単語からきています。オフィスのような一か所に定められた拠点を持たず、好きな場所で仕事をすることをノマドワークといいます。

オフィスを拠点としながら離れて勤務するテレワークとは異なり、自分で働く場所・拠点を選択でき、PCとネットワーク環境があればどこでも勤務することができ、しかも好きな時間に働くことができるという点が大きな特徴です。

デジタルノマドワークの目的地として人気がある都市

(出典:Clubmed「Top Countries for Digital Nomads」より弊社作成)

旅行会社のClubmedによる2021年の調査で、デジタルノマドワークに適した都市ランキングが発表されました。生活費、治安、平均インターネット速度、冒険的なアクティビティの数、リラックスできるアクティビティの数、娯楽、地域内の作業場所の数などを指数化し、都市のランキングが作成されました。

インドネシアからはジンバラン、ウブド、チャングーがランクインしました。この3地区はいずれもバリ島にあり、有名リゾート地のバリ島において観光しながらのノマドワークすることに適していることが分かります。

参考:https://travel.kompas.com/read/2021/05/20/163100827/15-tempat-terbaik-di-dunia-untuk-digital-nomad-ada-indonesia?page=all
https://thetourisminternational.com/2021/05/21/these-are-the-top-places-in-the-world-for-digital-nomads-in-2021/

ノマドワークの拠点としてのバリ島


インドネシア政府は、コロナ禍で観光客が減少したバリ島において国の経済回復を目的としたさまざまな施策を実施しています。その1つが、2021年に海事・投資調整庁の下にある7つの省庁の公務員25%に対してバリ島で働くことを求める「Work From Bali」プログラムを実施しました。

公務員をバリ島のホテルから勤務させることによってホテルや飲食店などの利益を回復させることを目的としていました。また、インドネシア入国管理局のデータによると、2022年1月から8月までの間にデジタルノマドワーカーとして来ている可能性のある※B211社会/文化的な目的の訪問ビザを使った観光客の数は3017人であり、その中で外国からの訪問者数はロシア、アメリカ、イギリスからが上位3位となりました。

観光・創造経済省によると、デジタルノマドワーカーが最も多い地区はバリ島のチャングー地区とのことです。今後デジタルノマドワーカー市場は現トップ3のロシア、アメリカ、イギリスのほか、ドイツ、ウクライナ、カザフスタンなどからの観光客の集客も力をいれていくということです。

※B211ビザは商用訪問などが可能となるビザの種類です。

参考:https://www.cnnindonesia.com/ekonomi/20210523070809-92-645797/pemerintah-berencana-mengirim-25-persen-asn-work-from-bali
https://www.msn.com/id-id/berita/other/hasil-kajian-kemenparekraf-canggu-destinasi-favorit-bagi-wisman-digital-nomad-di-bali/ar-AA11OA2x
https://travel.kompas.com/read/2022/09/13/060500027/ada-3.017-wisatawan-digital-nomad-selama-2022-terbanyak-di-canggu?page=all
https://kemlu.go.id/tokyo/lc/pages/visa/4297/etc-menu

バリ島がノマドワークの拠点として魅力的な理由

①自然が身近
年間を通して気候が安定し、空気が綺麗で白い砂浜や棚田など観光資源としての自然が豊富なリゾート地であるため、観光しながら働くことが出来ます。

②バリ島の人々の親しみやすさ
バリ島の人々はきめ細やかなホスピタリティがあることで有名であり、部外者の人々にもフレンドリーに接すると言われています。また、多様性や違いを受け入れる柔軟性もあることから、外国から来る人々が馴染みやすい環境が整っているといえます。

③インフラ開発が進められている
バリ島では陸・海・空の交通機関のアクセスを改善するための積極的な開発が行われています。島の北部や西部を中心に有料道路、港、空港の整備が進められています。また、バリ島で情報技術やインターネットの最大限の活用を目指す「バリ スマート アイランド(Bali Smart Island)」プログラムも計画されており、将来的にはバリ島でインターネット環境のない地域をなくすことが計画されています。

④安い宿泊施設が多い
バリ島では一部の3つ星、4つ星ホテルが200万~300万ルピア(日本円でおおよそ18000円~28000円)でマンスリーのレンタルプロモーションを提供しています。ホテルについているジムの利用や、清掃サービス、プールなどを安い値段で享受することができます。

参考:https://www.baliprov.go.id/web/wagub-cok-ace-optimis-bali-jadi-tempat-ideal-untuk-digital-nomad-bekerja/
https://www.suara.com/lifestyle/2021/05/31/122613/5-alasan-mengapa-work-from-bali-bisa-jadi-pilihan-untuk-bekerja-daring?page=2
https://bali.bisnis.com/read/20200131/538/1195859/strategi-bali-menjadi-smart-island-

デジタルノマドビザについて

インドネシア政府は6カ月以上の滞在を希望するノマドワーカーは最大5年のセカンドホームビザを利用できるようになる事を発表しました。また、活動内容の必要に応じて一時滞在許可(KITAS)や定住許可(KITAP)も取得することが可能です。6カ月以内の滞在を希望するノマドワーカーの場合はB211の社会/文化的な訪問ビザを使用してノマドワークを行うことができます。

これらのビザを発給し、ノマドワーカーを増やすことによって地元のホテル、運輸業、飲食業などの回復を目指すことが狙いです。

参考:https://travel.kompas.com/read/2022/10/04/130500527/digital-nomad-yang-tinggal-hingga-5-tahun-bisa-pakai-visa-second-home?page=all
https://www.cnbcindonesia.com/lifestyle/20220927121531-33-375278/visa-untuk-digital-nomad-apa-manfaatnya-bagi-indonesia

インドネシアでは現在、観光地の経済回復に向けて働きながら観光するノマドワーカー向けのビザの整備や、その中でも特にバリ島を拠点とした展開が計画されています。今後バリ島は従来のレジャー型の観光のみならず、働きながら観光するビジネスの側面も兼ね備えた場所となることが期待されます。弊社インドネシア総合研究所は本年バリ島に新たな拠点を設置しました。

そして日本の皆様のバリ島への事業進出を強力にご支援致します。今後ますます海外からのノマドワーカー受け入れなど多様化が進むと思われるバリ島でのビジネスをご検討の事業者の皆様、ぜひ弊社のアドバイザリーサービスのご活用をご検討ください。
皆様からのお問合せをお待ちしております。

株式会社インドネシア総合研究所
お問い合わせフォーム
Tel: 03-6804-6702

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