【コラム】インドネシアの伝統的な家屋
インドネシアには様々な部族が存在し、部族ごとに伝統的な文化があります。家もまた部族の文化のひとつで、インドネシアには様々な伝統家屋が存在しています。今回のコラムでは、インドネシアの伝統的な家屋についてご紹介します。
インドネシアの伝統家屋
以下は、インドネシアの伝統家屋とその特徴です。
Rumah gadang ルマガダン(西スマトラ州)
ルマガダンは、西スマトラ州のミナンカバウ族の伝統家屋です。
Gonjongと呼ばれる屋根の両端が尖っている形状が特徴です。ミナンカバウ族の勝利の象徴である水牛の角に見立てて作られているとも言われています。壁の模様は、植物の根をモチーフに描かれています。
昔のルマガダンの屋根はヤシの繊維で作られていましたが、現在では瓦が使用されています。また、観光客向けに維持しているルマガダンもあれば、人々の住居として使用されているルマガダンもあります。
Bolon ボロンハウス(北スマトラ州)
ボロンハウスは、北スマトラ州のバタク族の伝統家屋です。高床式で建てられており、玄関には階段が設置されています。屋根には水牛の角があり、家全体を水牛の形にみたてて作られています。
壁はSimalunganという装飾が施されており、黒・赤・白の配色で塗られているのが特徴です。
Radakng ラダクンハウス(西カリマンタン)
ラダクンハウスは、西カリマンタン州でみられる伝統家屋です。別名“ロングハウス”とも呼ばれ、長さが180m、幅30m、高さ30mと建物の形状が細長いのが特徴です。西カリマンタン州の観光名所として知られています。
Betang ベタンハウス(中部カリマンタン)
ベタンハウスは、中部カリマンタン州のダヤク族が住む伝統家屋です。前述のラダクンハウスと同じような形状をしていますが、ラダクンハウスより長さが短いのが特徴です。
また、高床式で玄関に階段が設置されており、階段の数は必ず奇数になっています。
ダヤク族は川の上流に住んでいるため、洪水を避けるために、また野生動物から身を守るために高床式に住んでいると言われています。ベタンハウスには5~6世帯、総勢数十人が暮らしています。
Selaso Jatuh Kembarセラソジャトゥクンバル(リアウ州)
セラソジャトゥクンバルは、リアウ州の伝統家屋です。“クンバル”は、インドネシア語で双子という意味で、二つの家を持つ建物に由来してつけられました。住居としては使用せず、伝統的な行事にのみ使用されています。
Krong Bade クロンバデ(アチェ州)
クロンバデは、アチェ州の伝統家屋です。こちらも高床式の建物で、他の伝統家屋と同じように階段が設置されています。また、壁はヤシの木で作られており、屋根はヤシの葉で作られています。
壁の彫刻で経済的な地域を表しており、彫刻が多ければ多いほど、家主が経済的に豊かであることを示しています。
しかし、クロンバデは維持をするのに膨大な資金が必要なため、今ではあまりこの家屋は使用されていません。
その他にも、中部ジャワを中心にジャワ島全土に広がる(Joglo)ジョグロハウスや、西ジャワを中心に広がる(Sunda)スンダなど、インドネシアの各地で伝統的な家屋を見ることができます。
また、伝統家屋は高床式で外敵や災害から身を守る工夫がされていることがわかります。
参考WEBサイト
https://www.gramedia.com/literasi/rumah-adat-paling-populer/
https://www.ruparupa.com/blog/rumah-adat-provinsi/
https://goodstats.id/article/rumah-adat-indonesia-paling-populer-beserta-keunikannya-2bvvg
今回のコラムでは、伝統的な家屋についてご紹介しました。
多民族国家であるインドネシアは、家ひとつをとっても様々な文化があります。このような文化が今でも守られているのも、違いを寛容に受け入れるインドネシアという国柄なのかもしれません。
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