【コラム】インドネシアにおける住宅デザインの流行サイクル

住宅のデザインは地域の特性や時代の変化による人々の価値観の変化によって変遷しています。人生の多くの時間を過ごす家であるからこそ、家の内装や機能はもちろん、外観にもこだわりたいと思うことでしょう。日本では、近年は自然素材を用いたナチュラルなデザインや、坪庭などを利用して生活に自然を取り込むバイオフィリックなデザインの人気が高まっています。インドネシアでは日本と比較しても住宅デザインの流行の変遷周期が短いようです。本コラムでは、インドネシアにおける住宅デザインの流行サイクルの規則性、そして建設段階における実態についてお伝え致します。

インドネシアにおける住宅デザインの流行サイクルと各デザインの特徴

(出典:弊社資料より引用)

(出典:弊社資料より引用)

インドネシアの戸建て住宅開発において、デザインの流行は以下の6種類のものがおおむね2~3年周期で循環しています。以下の表に各デザインの主だった特徴を記しています。

【インドネシアで周期的に流行する住宅デザインとその特徴】

デザイン名 特徴
MINIMALISM (ミニマリズム) ・シンプルなレイアウト

・大きくて幅広い窓

・スペース効率優先の最小限の間仕切り

・装飾の少ない家具の使用

・白やグレーなどのシンプルな壁の色と外観

TROPICAL MODERN

(モダントロピカル)

・傾斜した屋根(通常は30°以上)

・自然光を取り込むための広い窓

・空気循環のためのたくさんの通気口

・東向きまたは西向きの表面積が小さい

・家の周囲にたくさんの植物が植えてある

・断熱材を多く使用

・外観や壁などに明るい色を使う

INDUSTRIAL(インダストリアル) ・鉄や錫などの金属を使用する。

・レンガやセメントの壁

・間仕切りの少ないオープンスペース

・薄暗い照明

・家全体にアースカラーを使用

・コンクリートむき出しの床

SCANDINAVIAN(北欧風) ・資源の少ない北欧に合ったスリムな家具

・日中照明を使用しないような大きな窓

・白、ベージュなどのナチュラルな色の使用

・屋内に植物を置く

・自然保護の考え方を取り入れる

・子どもに優しく、室内移動が容易

ECO-FRIENDLY(エコフレンドリー) ・竹などの環境に優しい建材を使用

・適切な廃棄物管理と排水処理

・太陽光などの代替エネルギーを使用

・緑の広場を設置

・省エネに配慮した家電の使用

FUTURISTIC(未来型) ・楕円形や曲線などユニークな形状の使用

・埋め込み型TVなどのモダンなデザイン

・明るい照明で近未来を演出

・黄色や銀色などの明るい色を使用

・人間工学に基づいた家具の使用

・ガラスや大理石など光沢のある素材を使用

上記の他に、日本風あるいはJAPAN-STYLEはいくつかのデザインの流行に組み込まれることがあります。日本的な機能性重視の場合にはMINIMALISM JAPANというデザインもあります。日本風として売り出す際には効率性の良い収納を謳ってプロモーションを行う現地デベロッパーもあります。また、箱型をした外観も日本風であるという印象を与えます。

上の図で示した周期はあくまでも目安です。必ずしも上記の順番を必ずたどるわけではありません。MINIMALISMからINDUSTRIALに切り替わるなど、一定の規則性が崩れる事もありますが、それぞれのトレンドはおおよそ2~3年周期です。地域によっても流行が継続する期間は異なります。

参考:https://www.cimbniaga.co.id/id/inspirasi/gayahidup/rumah-minimalis-sederhana-ciri-ciri-dan-tipe-huniannya#:~:text=Rumah%20minimalis%20sederhana%20memiliki%20ciri,khas%20dari%20denah%20rumah%20minimalis.
https://www.rumah.com/panduan-properti/10-jurus-merancang-rumah-tropis-12380
https://www.rumah123.com/panduan-properti/tips-properti-89449-rumah-industrial-id.html
https://www.rumah.com/panduan-properti/rumah-scandinavian-72284
https://www.rumah123.com/panduan-properti/tips-properti-78871-rumah-ramah-lingkungan-id.html
https://www.rumah.com/panduan-properti/futuristik-56758

日系デベロッパーの典型的な失敗と現地デベロッパーの成功の秘訣


日系デベロッパーは多くの場合、大規模かつ開発各プロセスにおいて、時間を要する事が多いです。そのため、2~3年で次の流行に移行するインドネシアにおいては、プロジェクト期間内にいつの間にか一周期を超えてしまい、完成する頃には家のデザインの流行が過ぎ去ってしまい、それがプロジェクトの失敗の原因になることもあります。

開発は短期間で、最長でも3年程度売り切る計画を立て、完了させることが成功の秘訣です。開発土地が大きい場合は、クラスター(区画)単位に開発区域を分けますが、1つのクラスターの販売期間はトレンドの周期内におさめる必要があります。また、SNSでの販売活動を実施しても流行らない場合にパワーセールスを行うことがありますが、それには費用がかかります。

販促にどの程度の費用をかけるかは悩ましいところではありますが、SNSを駆使する集客効果が期待できる時代であるため、プロジェクトはトレンド周期内で終わらせること、そして市場で好まれるようなデザインと価格で住宅を提供することが重要です。ジャカルタ周辺の都市圏JABODETABEKの新規戸建ての需要は年間3~4万件もあり、1~4億円くらいで5000㎡から1ヘクタール程度、軒数で60~130軒程度の規模の住宅地を開発する事ができます。

そのため、新規参入する場合は大手企業ではなくても市場参入のチャンスがあります。最近では、財閥系ではない小規模デベロッパーも多く台頭しているため、それらの小規模デベロッパーと組んでノウハウを習得しながら、投資を行うことがインドネシアの不動産業界進出への近道です。


本コラムでは、インドネシアにおける住宅デザインの流行サイクルとその特徴をご紹介いたしました。2~3年という短い周期で住宅デザインの流行は移り変わってしまうため、インドネシアでの開発にはスピードが重要です。

また、SNSが販促活動の重要なツールであるため、現地のデベロッパーのノウハウなども吸収しながら集客していく必要があります。弊社インドネシア総合研究所は、有力な地元の業者をはじめ、大手デベロッパーと親密な提携関係があります。「Blue Lake on Red Ocean」(=競合の激しい地域からこの様に出てくる高利回りの住宅用地案件)を投資家の皆様にご案内することができます。

そしてその土地の関係者(地主、デベロッパー、建設業者等)との強い協力関係を築き、まさに1億円程度の元手からインドネシアに「街」を作る事ができるのです。
インドネシアの住宅等への投資にご興味がある投資家の皆様はぜひ弊社までお問合せくださいませ。

株式会社インドネシア総合研究所
お問い合わせフォーム
Tel: 03-6804-6702

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