【コラム】インドネシアにおけるTikTokの可能性

調査会社Statistaの調査によると、2024年7月時点で、インドネシアは世界で最もTikTokユーザーが多い国であることがわかっています。

インドネシアのTikTokユーザー数の多さは、世界のTikTokのトレンドにも大きく影響します。

今回のコラムでは、インドネシアのTikTokトレンドについてご紹介します。

目次

インドネシアのTikTokユーザー数

調査会社Statistaの調査によると、インドネシアのTikTokのユーザー数は2024年7月時点で1億5,760万人に達し、TikTokのユーザー数が世界で一番多い国となります。

2位のアメリカ(1億2,050万人)や3位のブラジル(1億1,050万人)と比較してもインドネシアが大きく上回っていると言えます。

また、インドネシアで利用されている他のSNSのInstagramやX、YouTubeなどと比較してもTikTokの利用率が一番高く、月間に平均利用時間は1ユーザーあたり38時間26分に達していることがわかっています。

インドネシアのSNSにおいてTikTokの存在感は大きいと言えます。

インドネシアで人気のTikTokコンテンツ

インドネシアでは、以下のようなジャンルのTikTokコンテンツが特に人気です。

  • 教育
  • エンターテイメント
  • 日常生活
  • 料理
  • 美容・ファッション
  • 健康

さらに、TikTokは娯楽だけでなく、政治活動にも利用されています。

2024年の大統領選挙では、政治家がTikTokを活用して若い有権者にリーチし成功を収めた事例も見られました。

参考WEBサイト:https://fakta.com/tekno/fkt-20800/tiktok-jadi-medsos-paling-populer-di-indonesia-pada-2024

インドネシアでTikTokが人気の理由

インドネシアでTikTokが特に人気を博している理由は、以下の通りです。

ショートビデオ形式

簡単で手軽に楽しめる形式が、忙しい日常を送る多くのインドネシア人のライフスタイルに合致。

TikTok Shopの導入

アプリ内で直接商品購入が可能となり、オンラインショッピングとの親和性が高まった。

参考WEBサイト:https://www.statista.com/statistics/1299807/number-of-monthly-unique-tiktok-users/#:~:text=As%20of%20July%202024%2C%20Indonesia,around%20120.5%20million%20TikTok%20users.

インドネシアの有名なTikToker (2024年)

2024年時点で、インドネシアで人気のあるTikTokerは以下の通りです。

Fadil Jaidi(ファディルジャイディー)

TikTok URL:https://www.tiktok.com/@fadiljaidi
フォロワー数:1,560万

Fadil Jaidiは、おもしろ系TikTokerとして活躍しており、投稿する動画の多くが再生回数1,000万回を超えるほどの人気を誇ります。

彼のアカウントは、インドネシアで最も有名なTikTokアカウントの一つとされています。

また、彼は商品を宣伝するインフルエンサーとしても高い評価を得ており、販売員になりきってユーモアを交えながら商品を紹介するなど、ユニークなプロモーション手法を展開しています。

全てのブランドに対して公平な姿勢を示しているため、大手企業から中小企業まで、幅広い企業からプロモーション依頼が寄せられているようです。

Vina Muliana(ヴィナムリアナ)

TikTok URL: https://www.tiktok.com/@vmuliana
フォロワー数:950万

教育系TikTokerとして、キャリア形成、自己成長、転職といったテーマを中心に配信しています。インドネシアの大学生や求職者の間で非常に有名で、多くの支持を得ています。

また、2021年のインドネシアTikTok Awardでは教育部門で最優秀賞を受賞し、さらに米フォーブス誌の「世界を変える30歳未満の30人」にも選ばれる快挙を成し遂げました。
教育関連のコンテンツ配信だけでなく、多くのブランドスポンサーを受け持つインフルエンサーとしても活躍しています。

Brigita Meliala(ブリギタメリアラ 芸名イドギタフ)

TikTok URL:https://www.tiktok.com/@idgitaf
フォロワー数:290万

Brigita Melialaは音楽系TikTokerで、当初は有名な曲のカバー動画を投稿していましたが、TikTokをきっかけに注目を集め、現在は歌手としても活動しています。

彼女は、フォークポップミュージックという音楽ジャンルをインドネシアで主流のスタイルとして確立する重要な役割を果たしました。

現在は音楽制作に専念する一方で、TikTokでのコンテンツ制作も引き続き行っています。

Agung Karmalogy(アグンカマロギー)

TikTok URL: https://www.tiktok.com/@karmalogy
フォロワー数:320万

Agung Karmalogyは、おもしろ系TikTokerとして、インドネシアの女性たちがSNSに投稿する動画のパロディを制作し、人気を集めています。

また、ブランドスポンサーとの提携を行い、おもしろ動画の中に巧みに広告を組み込む形で宣伝活動を行っています。

このように、インドネシアではさまざまなジャンルのTikTokerが活躍しており、TikTokは単なるSNSコンテンツのプラットフォームにとどまらず、プロモーションツールとしても重要な役割を果たしていると言えるでしょう。

参考WEBサイト:https://www.insg.co/en/tiktok-influencer-indonesia/#Agung

2025年のTikTokでのプロモーションの可能性

2025年、インドネシアにおけるTikTokはさらに成長し、以下のようなプロモーション機会が期待されています。

AIの活用

AIの活用により、個別ユーザーの分析が進み、パーソナライズされた広告の配信が可能になると予想されます。

ソーシャルコマースの進化

SNSからネットショッピングへ誘導できるソーシャルコマースは、今後さらに発展すると予想されています。

TikTokのソーシャコマースTikTok Shopは、2025年にアプリ内のショッピング機能をさらに拡張することが予想されています。

TikTokを通して、ARを活用した没入型ショッピング体験ができる日もそう遠くはないかもしれません。

強力なコミュニティ・影響力のあるインフルエンサー

前述で紹介したインフルエンサーのように、インドネシアには影響力・信憑性が高いと思われているTikTokerが多く存在しています。

そのため、適切なインフルエンサーを選ぶことで、ブランドのプロモーション効果を最大化することができます。

教育系コンテンツ需要の高まり

TikTokが単なる娯楽にとどまらず、教育系へのコンテンツなど、価値のある情報の需要が高まることが予想されています。

このように、2025年はインドネシアにおいてTikTokの新たなるステージになると予想されていますが、インドネシア政府は情報の透明性とデータセキュリティの観点からSNS広告の規制を強化しています。

それにより、TikTokによるプロモーションの際はアカウントの透明性も配慮した運用が求められるでしょう。

参考WEBサイト:https://www.indonesiana.id/read/177177/prediksi-tiktok-di-tahun-2025-untuk-bisnis

今回のコラムでは、インドネシアにおけるTikTokの可能性についてご紹介しました。

TikTokユーザー数が世界最多を誇るインドネシアでは、TikTokのトレンドは国民生活に大きな影響を与えており、ビジネス展開を考えるうえで欠かせない要素と言えます。

また、政治活動から日常のエンターテイメントまで幅広い活用事例が見られる中、今後もTikTokは、インドネシアのデジタルエコシステムにおいて重要なプラットフォームとして進化を続けることが予想されます。

インドネシアでの事業進出を目指す企業にとって、TikTokを効果的に活用する戦略は、今後ますます重要となるでしょう。

弊社インドネシア総研は、インドネシアの様々な分野における市場調査、現地視察を行っております。

インドネシアにおけるビジネスにご興味ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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