【コラム】インドネシアのバイク産業
バイクはインドネシアの人々にとって重要な交通手段であり、なくてはならないものと言えます。また、都市部・農村部に関わらずインドネシアのどの地域に訪れても多くの人が利用しています。
今回のコラムでは、インドネシアのバイク産業についてご紹介します。
インドネシアのバイク市場
インドネシアの二輪車工業会(AISI)のデータによると、インドネシアにおける2024年7月のバイクの販売台数は59万8,844台に達したことがわかっています。
この数字は、前年同月の47万5,428台と比較し25.95%も増加しました。
また、バイクの輸出販売数は前年同月より4.54%減少しているにも関わらず、国内の販売台数は好調です。
インドネシアはASEAN最大のバイク販売国
インドネシアは、ASEAN諸国の中で最も多いバイク販売台数を誇ります。
以下は、2023年1月〜6月においてバイク販売台数が多いASEANの上位5カ国と販売台数です。
上図より、インドネシアのバイクの販売台数はASEAN諸国の中で圧倒的に多く2023年1月〜6月の半年間で347万652台の販売台数に達することがわかります。
またASEAN諸国の中で、インドネシアに次いで販売台数が多いのはベトナムですが、インドネシアの販売台数の約3分の1程度で、インドネシアはASEAN最大のバイク販売台数を誇っています。
また、世界的にもインドネシアのバイクの販売台数は多く、中国、インドに次世界で3位の販売台数となります。
インドネシアのバイク保有率
調査会社Statistaのデータによると、インドネシアは2023年時点でバイクの保有率が世界で3番目に多く、インドネシア全世帯のうち85%の世帯でバイクを保有していることがわかっています。
また2023年7月時点で、インドネシアにあるバイクの総所有台数は1億3,000万台に達し、前年同月と比較し6.6%増加しています。
インドネシアでバイクの所有数が多い州(2023年)
インドネシアでバイクの所有数が多い州は以下の通りです。
1位 東ジャワ州 1,852万1,050台
2位 中部ジャワ州 1,807万7,228台
3位 ジャカルタ首都特別州 1,775万5,930台
4位 西ジャワ州 1,621万5,184台
1位は東ジャワ州で、中部ジャワ、ジャカルタ首都特別州と続きます。上記よりバイクの所有数は、人口が多いジャワ州に集中していることがわかります。
インドネシアで人気のバイクメーカー
下図はインドネシアのバイクメーカーのシェアです。
2021年のインドネシアのバイクメーカーのシェアが一番高いのはホンダで、バイク販売台数の77.68%を占めます。インドネシアのバイク産業において、ホンダが圧倒的なシャア率を誇っていることがわかります。
2番目に多いのが、ヤマハで21.04%のシェアとなります。カワサキ、スズキ、インドのバイクメーカーTVSと続きます。
インドネシアのバイク市場において、TVS以外日本のメーカーが占めていることがわかります。
日本のバイクメーカーが人気の理由
以下は、インドネシアにおいて日本のバイクメーカーが人気である理由の一部です。
- 製品の品質が高い
- 燃費が良い
- 革新的なデザインと優れた機能
- 幅広いアフターサービス
- 幅広い価格設定
製品の品質だけでなく、デザインやアフターサービスなどの点も評価されていると言えます。
インドネシアでの電動バイクの普及
インドネシアでは政府の補助金の効果もあり、徐々に電動バイクも普及してきています。
現在のインドネシア国内の電動バイクの保有台数は約7万5千台です。
電動バイクは長距離の走行は難しいため、日用品の買い物、家族のお迎え、仕事などに利用されています。
二酸化炭素削減にも効果が見込める電動バイクは、今後少しずつインドネシアで広まっていくと予想されます。
今回のコラムでは、インドネシアのバイク産業についてご紹介しました。
インドネシアのバイク産業は日本からインドネシアへ進出した企業の中でも成功している産業のひとつなのではないでしょうか。
インドネシアにおいて日本のバイクが愛される理由を探ることで、インドネシアへ進出して成功するヒントが見つかるかもしれません。
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