【コラム】インドネシアのZ世代の働き方
人口ボーナス期に突入しているインドネシアではZ世代の人口が多く、2023年には約6,000万人に達しました。またこの数字は、総人口の約22%を占めています。
そのため、インドネシアにおけるZ世代の傾向やトレンドを知ることは非常に重要です。
今回のコラムでは、インドネシアのZ世代の働き方についてご紹介します。
インドネシアのZ世代が求めている理想の会社
Z世代とは、1990年代半ばから2010年代序盤ごろに生まれた世代を指します。英語ではGeneration Z, GenZとも呼ばれたりします。
オンライン調査会社Jakpatの調査によると、Z世代の理想的な会社について重要なポイントは以下が挙げられます。
- 安全で協力的な職場環境である
- 自己成長を促してくれる上司がいる
- 精神面を気にかけてくれる
- キャリアアップの場を提供してくれる
安全な職場環境であることは当然のこと、自己成長やキャリアアップなどの自己啓発の項目や精神面のサポートも重要であると言えます。
また上記のような条件とは別に、長く働くうえでは以下のような条件も望まれています。
- 勤務時間が柔軟である
- 給与が高い
- 家から近い職場である
- 良い上司がいる
- ボーナスがある
- 会社の設備が充実している
またその他に、回答者の64%が会社を選定するうえで、Z世代の若者は社会問題や環境問題に取り組んでいる点も重視していることがわかっています。
参考WEBサイト:https://goodstats.id/article/perusahaan-ideal-seperti-apa-yang-dicari-gen-z-VY3wJ
インドネシアのZ世代に好まれる理想のリーダー像
インドネシアのZ世代に好まれているリーダー像は以下の通りです。
- 部下を高く評価する
- 正直である
- 風通しの良いコミュニケーション
- 経験が豊富である
- 自発的である
自身のことを高く評価してくれる上司を好むことは、どの世代も共通していそうですが、経験が豊富であることや、正直であるという条件はこの世代の特徴ではないでしょうか。
参考WEBサイト:https://goodstats.id/article/perusahaan-ideal-seperti-apa-yang-dicari-gen-z-VY3wJ
インドネシアのZ世代が現職を辞めたいと考えている割合
オンライン調査会社Jakpatが2024年2月に実施した調査によると、回答者のうち69 %の人々が現在の会社を退職することを検討していることがわかっています。
また、辞めたいとは思っているものの、辞める時期が明確に決まっていない割合が回答者全体の34%で実際に動いていない人も多いようです。
また、主な退職の理由としては以下が挙げられます。
- 給料が低い
- 条件の良い転職先が見つかった
- 仕事量が多い
- 自分が会社に必要とされていると感じない
- 他の仕事に挑戦してみたい
退職理由として一番多いのは、「給料が低い」ことです。
日本のZ世代の転職理由として多いのは、「ライフステージに合わせて働き方を変えたい」、「ワークライフバランスを大切にしたい」などが挙げられており、同じZ世代でもインドネシアと日本の意見は異なることがわかります。
参考WEBサイト:https://goodstats.id/article/69-pekerja-gen-z-berencana-untuk-resign-G1qKv
インドネシアにおけるニートの割合
インドネシア中央統計局(BPS)によると、インドネシアにおいて就労、就学をしていないニート状態の若者(15歳〜24歳)が約990万人いることがわかっています。
また、ニートのうちほとんどがZ世代を占めており、Z世代の総人口のうち約22%に及びます。
ニートのうち、女性の割合(57%)が男性の割合(42%)より多く、また農村部の割合の方が都市部の割合より多いですが、人口で見ると農村部より都市部のニートの数が多くなっています。
インドネシアの若者がニートになる原因としては、正規雇用の減少が挙げられます。
正規で就業を希望している若者の人数対して、正規雇用の数が不足してしまい、ニートの若者が増えているというインドネシア社会の問題が挙げられます。
Z世代のニートの問題は、今後のインドネシアの雇用・インドネシアの経済を脅かす重大な問題であると言えます。
Z世代の副業の割合
インドネシアの調査会社Jakpatの調査によると、Z世代で副業をしていると回答した割合は、Z世代457人の回答者のうち約54%を占めていることがわかっています。
副業をしている人の主な理由としては、様々なスキルの取得や収入アップと回答している割合が多いです。
また、その中でもスキルの取得と答えている人は主に富裕層で、収入アップと答えている人は中間層であるという傾向があるようです。
上記より、中間層に大しては、本業の給料だけでは満足な生活ができない状態であるとも言えます。
今後もZ世代の副業への関心は高まることが予想されます。
参考WEBサイト:https://tirto.id/pekerjaan-sampingan-jalan-ninja-gen-z-dan-milenial-gwMv
今回のコラムでは、インドネシアのZ世代の働き方についてご紹介しました。
インドネシアの今後の経済を支えるZ世代の理想の会社や、辞めたい理由などを把握することは、インドネシアで事業を行い、現地の人々を雇用するうえで非常に重要であると言えます。
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