【コラム】インドネシアの自動車教習所事情

インドネシアでも日本と同じように自動車教習所が存在しています。

インドネシアの自動車教習所ではどのようなことを学ぶのでしょうか、またどのくらいの費用がかかるのでしょうか。

今回のコラムでは、インドネシアの自動車教習所についてご紹介します。

目次

インドネシアにおける運転免許の保有率

2020年時点で、インドネシアで利用されているバイクの台数は、1億2,000万台に達していますが、そのうちバイクの運転免許(SIM C)を持っている人数はわずか888万5,000人であることがわかっています。この数字は、13台のバイクにつきわずか1台しか運転免許を所有していないことになります。

また、インドネシアで利用されている自動車2,670万に対し、自動車の運転免許をもっている人は455万人で、6人に一人の割合でしか運転免許を保有していないことがわかります。

上記よりインドネシアにおいて、運転免許の保有率は低いと言えます。

参考WEBサイト:https://kumparan.com/kumparanoto/populasi-sepeda-motor-di-ri-capai-120-juta-yang-punya-sim-c-cuma-8-8-juta-201lzMJU3zE/2

運転免許書の発行に自動車教習所の認定が必要に

インドネシアでは、自動車免許の取得に自動車教習所の認定書は必要ありませんでしたが、2023年の警察規則の第二号にて、自動車免許の交付の際に自動車教習所の認定書が必要なことが記載されました。

教習所に行かずに免許を取ると、交通ルールを守らず事故の原因になりかねないため、このような対策が行われました。

このことにより、今後インドネシアにおいて教習所の需要が高まることが予想されます。

参考WEBサイト:https://www.gooto.com/read/1941505/bikin-sim-kendaraan-umum-wajib-sertakan-sertifikat-dari-sekolah-mengemudi

インドネシアの自動車教習所の費用

以下は、インドネシアの自動車教習所の費用の相場です。

  • オートマチック車:180万ルピア(約17,000円)
  • マニュアル車:140〜180万ルピア(約14,000〜17,000円)
    ※免許申請費用は別途

また、平日と土日コースでは、土日の方が料金は上がります。

以下はジャカルタの自動車教習所の料金例です。

ペルセミヤ自動車教習所

ジャカルタで6つの支店を持つ教習所です。

営業時間:平日・土8時〜16時、日8時〜15時

コース料金:5回講習Rp 530,000 (約5,200円)/8回講習Rp780,000 (約7,600円)/12回講習Rp 1,060,000 (約10,400円)/16回講習Rp1,350,000(約13,200円)

コース料金とは別に、登録料がRp20,000(約200円)必要で書くコース終了後、インストラクターにチップを渡す必要があります。チップは平日Rp15,000(約150円)、土日はRp20,000(約200円)となります。

ウリサ自動車教習所

1951年にジャカルタで設立された老舗の自動車教習所です。

1972年に4つの自動車学校と提携しています。

マニュアル車運転コースの費用は、約Rp775,000(約7,600円)、免許(SIM A)を取得するのには約 Rp750,000(約7,350円)の費用が必要です。

サトリア・ジャヤンティ自動車教習所

自動車教習協会(PSMKB)に加盟している自動車教習所で、ジャカルタにいくつかの支店を持っています。

コースの授業数によって料金は異なりますが、登録料がRp25,000(約245円)に加えマニュアル・オートマ車運転コースでR p690,000(約6,800円)〜1,110,000(約10,900円)です。

各教習所により料金は少しずつ異なりますが、インストラクターにチップを渡す文化がある教習所も存在していることがわかります。

参考WEBサイト:https://www.olx.co.id/news/nggak-pake-mahal-segini-estimasi-kursus-mobil-untuk-kamu-yang-di-jakarta/
https://www.grab.com/id/blog/driver/grab-indonesia-ingin-belajar-mengendarai-mobil-ini-biaya-kursus-mobil-tips-memilih-tempat-kursus-yang-aman

インドネシアの自動車教習所でのカリキュラム

インドネシアの自動車教習所におけるカリキュラムは、インドネシア共和国運輸大臣規則 1994年の第36号で定められています。

インドネシアの自動車教習所におけるカリキュラムは、以下の通りです。

<学科教習>

  • パンチャシラ教育
  • 交通、道路の法律
  • 自動車の基礎、交通事故・応急処置、道路交通マナー

<技能教習>

  • 所内教習
  • 路上教習
  • 渋滞時の路上教習

インドネシアの自動車教習所で特徴的なのは、学科教習のパンチャシラ教育と、技能教習の渋滞時の路上教習です。

パンチャシラはインドネシアの国是で、インドネシア国家にとって重要な国民の行動や考えの原則です。

また、渋滞時の路上教習について、インドネシアは渋滞が多い国であるため必須の項目となっているようです。

参考WEBサイト:https://otomania.gridoto.com/read/241170196/kurikulum-wajib-di-sekolah-mengemudi

運転免許書(SIM)の発行とBPJS-Kesehatanの加入

BPJS-Kesehatanは、インドネシアの公的医療保険制度で、運転免許書の発行の際に今後BPJS-Kesehatanの加入が必須になるとされています。

現在は試験的にアチェ州、西スマトラ州、南スマトラ州、ジャカルタ首都特別州、東カリマンタン州、バリ州、東ヌサトゥンガラ州の7地域で実施されており、2024年11月1日からはインドネシア全土で実施されます。

この取り組みは、インドネシア政府の国家中期開発計画に従い、2024年までにインドネシア人口の98%を国民医療保険(JKN)に加入させることを目標に行われています。

現在は試験段階ですが、いずれ運転免許書の交付にBPJS-Kesehatanが義務化される日も近いでしょう。

参考WEBサイト:https://www.suara.com/news/2024/11/17/150602/bpjs-kesehatan-jadi-syarat-buat-sim-kapan-aturannya-mulai-berlaku#goog_rewarded

今回のコラムでは、インドネシアの自動車教習事情についてご紹介しました。

これまでインドネシアでは、運転免許書の発行に自動車教習所の証明書が不要だったため、自動車教習所へ行くことが日本のように当たり前ではありませんでしたが、今後インドネシアにおいても教習所の需要も高まっていくことでしょう。

また、日本人がインドネシアにて運転を行う際は、渋滞への対応など初めてのことが多いため注意が必要です。

初めての場合は自身では運転せず、送迎サービスなどを頼ることをおすすめいたします。

弊社インドネシア総研は、インドネシアの様々な分野における市場調査、現地視察、出張のサポートを行っております。

また、現地にもインドネシア人スタッフが多く在籍しており、インドネシアの最新情報を得ることができます。

インドネシアにおけるビジネスにご興味ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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