【コラム】インドネシアの若者についてのデモグラフィックデータ2024年版

ODAN

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インドネシアの社会経済調査Susenasの2024年のデータによると、インドネシアには16歳〜30歳の「若者」と定義される人が約6,422万人います。これはインドネシア全人口の約5分の1に相当します。

体力があり、今後さまざまな分野で活躍が期待される若者は、インドネシア経済を支える重要な存在です。本コラムでは、この「若者層」に焦点を当てた統計データをご紹介します。

本コラムの出典は全て以下のインドネシア中央統計局(BPS)の報告書からとなります。

出典:Statistik Pemuda Indonesia 2024(インドネシアの若者統計) を基に弊社作成(閲覧日:2025年4月14日) 
https://www.bps.go.id/id/publication/2024/12/31/b2dbaac4542352cea8794590/statistik-pemuda-indonesia-2024.html

目次

インドネシアの若者の基本データ

年齢構成

上図からも分かるように、若者の中では19歳〜30歳の割合が特に多くなっています。

男女比

若者の男女比を見ると、男性の割合がわずかに高いものの大きな差はなく、ほぼ同等です。

都市部・農村部の分布

上図より、都市部に住んでいる若者は、60.72%と、若者の半数以上は都市部に住んでいることがわかります。

地域別でみるとジャワ島に集中しており、インドネシアの若者の54.71%がジャワ島に住んでいることがわかっています。

婚姻状況

若者層の婚姻状況では、未婚の割合が最も高く、全体の69.75%を占めています。

また、若者100人中約6人が「世帯主」となっており、その多くが依然として家族と暮らしている実態が見られます。年齢が高くなるにつれて、家族と同居している割合は徐々に減少する傾向にあります。

インドネシアの若者の健康に関するデータ

健康への不安を感じている割合

健康に不安を感じている若者の割合は約17.99%、罹患率(何らかの病気にかかっている割合)は6.8%となっています。いずれの数値も2023年と比較して増加しています。

また、性別で見ると、女性よりも男性の方が健康に対して不安を抱えている傾向が見られます。

喫煙率

喫煙習慣のある若者の割合は25.09%であり、1日あたりの平均喫煙本数は11.85本となっています。若年層における喫煙率の高さは、今後の健康リスクにも影響すると考えられます。

健康保険(BPJS)加入率

健康保険制度(BPJS)への加入率は62.51%で、半数以上の若者が加入していることがわかります。健康保険の普及が進む一方で、まだ加入していない若者も一定数存在しています。

インドネシアの若者の健康に関しては、不安を抱える人の増加や高い喫煙率など、いくつかの課題が浮き彫りになっていると言えるでしょう。

健康リテラシーの向上や生活習慣の改善に向けた取り組みが、今後ますます重要になっていくと考えられます。

インドネシアの若者の労働に関するデータ

就労率

上図より、インドネシアの若者のうち56.98%が就労している一方で、7.95%が失業していることがわかります。また、家事に従事している若者も一定数存在しています。

さらに、15〜24歳の若者のうち、23.7%が学校にも通学せず、就業もしていない、いわゆる「ニート」状態にあることが明らかになっています。これは社会的にも経済的にも大きな課題と言えるでしょう。

労働部門別の就労状況

若者の就労先は大きく分けて「サービス業」「製造業」「農業」の3部門に分類されます。この中で最も多いのはサービス業で、全体の56.55%を占めています。若者の多くが都市部を中心とした第三次産業に従事している実態が伺えます。

労働時間

インドネシア政府は、週の最大労働時間を40時間と定めています。

しかし実際には、若者の24.79%が48時間を超える長時間労働をしており、逆に35時間未満の労働にとどまる人も31.34と、労働時間に大きなばらつきが見られます。

起業

近年、若者の間で起業志向が高まっており、就労している若者のうち約18%が起業家であることが分かっています。これはインドネシアにおける若者の自己実現や新しい働き方への関心の高さを示すものと考えられます。

インドネシアの若者の教育に関するデータ

最終学歴割合

以下は、インドネシアの若者の最高学歴割合を示したグラフです。

最も多いのは高校・専門高校卒業者で、就労している若者のうち53.88%を占めています。

一方で、大学卒業者の割合は依然として少数であることがわかります。

また、この学歴の分布は都市部と農村部で大きな差があり、農村部では高校・専門高校卒業の割合が低く、教育格差が地域間で存在していることが示されています。

就学年数の地域差

インドネシアの若者の平均就学年数は11.11年です。しかし地域によって格差があり、有名大学が集まるジョグジャカルタ特別州では平均12.59年である一方、地方のパプア州では6.58年にとどまっています。これも、教育インフラや機会の地域間格差を示す重要な指標といえるでしょう。

インドネシアの若者の教育としては、都市部と地方部によって教育格差が存在していることがわかります。

今回のコラムでは、インドネシアの若者に関する最新の統計データをご紹介しました。

インドネシアは若者人口が多く、将来の経済成長を担う大きな可能性を秘めています。しかしその一方で、教育の地域格差、高い失業率、健康問題など、若者を取り巻く課題も少なくありません。

弊社インドネシア総研では、教育、労働、健康、消費者動向など多角的な視点からの市場調査や現地視察の支援を行っております。

インドネシアにおけるビジネスにご興味ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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