【コラム】インドネシアのECサイト各社が広げるラマダンプロモーション
インドネシアは国民の約8~9割がイスラム教徒と言われており、イスラム教の宗教的な行事・イベントはインドネシアの国全体の経済にも大きな影響を与えます。
その中でも、イスラム教徒の義務の一つであるラマダン(断食月)と、ラマダン後の大祭であるレバランはビジネスや経済に与えるインパクトは非常に大きいです。
インドネシア国民の消費活動が活発になる傾向にあるため、この時期にはセールや様々なプロモーションが行われます。
参考コラム
今年は、新型コロナウイルス感染者拡大の影響で、更に商業施設や飲食店などが営業自粛となる中、ECサイトの需要が伸びており、インドネシアのECサイト各社は年に一度の大イベントに向けて様々なキャンペーンやプロモーションを実施しています。
インドネシアで事業を展開するTokopediaやShopee、Lazada、Bukalapak、JackMall、BlibliなどのECサイト各社は、ラマダン期間中、送料無料やキャッシュバック、中には最大99%のディスカウントといったプロモーションを展開しています。
例えば、Tokopediaは、ラマダンの間以下の6つのプランを展開しています。
- 送料無料キャンペーン…1日5回まで送料無料サービスが受けられます。特に5月3日と4日は、制限無しで送料無料サービスが受けられます。
- ブランド公式ストアより、様々なオファーが受けられます。
- クレイジーセールと題し、インドネシア時間10:00~14:00の間、様々な製品が最大で99%割引となります。
- 2時間ごとに99,000ルピア以下の商品のフラッシュセールが開催されます。
- キャッシュバック(OVOポイント)や割引クーポン、モバイルバッテリー、金1g、スマートフォン、バイク、車などが景品となった大抽選会が開催されます。
- 製品が最大80%のディスカウントとなります。
Bukalapakでも、送料無料サービスやキャッシュバックキャンペーンなどが実施されています。
ラマダン関係の商品のスペシャルセールも行われており、例えばイスラム教徒の衣類が最大95%オフ、生活必需品が最大40%オフ、ギフト券が最大75%オフとなるキャンペーンも実施されています。
また、Shopeeでは、独自の決裁サービスであるShopee Payを通じて決済をすれば、マクドナルドや吉野家、ローカルのコーヒーチェーン店などで利用できる50,000ルピアから最大購入額100%のキャッシュバックが受けられるキャンペーンを実施しています。
更に、ゲーム機能から合計100億ルピアをTHR(レバラン手当・ボーナス)ユーザーに分配するイベントも行われています。
現在、インドネシアでは新型コロナウイルス感染拡大防止のため各州で外出禁止令が実施されており、商業施設は休業に、飲食店は休業もしくはテイクアウトや通販事業に切り替えて事業を行なっています。
インドネシア国内でのオンラインショップの需要が高まっており、冒頭部分に記載の通りラマダン・レバラン期間中は消費活動が活発になる傾向にあるため、インドネシアのECサイト各社は今年は昨年もよりも売上が増加すると予測しています。
例年、ラマダンからレバランにかけて特に人気がある商品は、イスラム教徒のファッションや、レディースファッション、美容商品ですが、今年は生活必需品、日用品、ハンドソープ、医療用のマスクや手袋などが特に需要があると予測されています。
その他、自宅にいながらフードデリバリーサービスが楽しめるGoFoodやGrabFoodによる飲食店の利用も需要が高まっています。
ラマダン期間中の日没後の食事(=Buka Puasa Bersama)は、通常友人や親戚、家族など大人数で食事を取りますが、今年はオンラインでのBuka Puasa Bersamaも行われているそうです。
外出禁止令の中、インドネシアでは在宅勤務の人が増えているためフードデリバリーサービスの利用が増えていますが、ラマダンやレバランは更に利用が増えることが予測されます。
参考コラム
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