【コラム】インドネシアのパーム油事情2024〜生産量、消費量、農園が多い地域〜

インドネシアは世界最大のパーム油生産国で、生産量は年間で4,550万トンに達すると言われています。この数字は世界総生産量の半分以上に及びます。

今回のコラムでは、世界最大の生産量を誇るインドネシアのパーム油の生産量、消費量、農園が多い地域などをご紹介します。

目次

インドネシアのパーム油の生産量、消費量、輸出量

以下は、5年間のインドネシアにおけるパーム油の生産量の推移です。

出典:Produksi Minyak Sawi t Mentah di Indonesia Menurun Pada2022より弊社作成(2024年6月2日)
https://data.goodstats.id/statistic/produksi-minyak-sawit-mentah-di-indonesia-menurun-pada-2022-BPEZO
https://www.infosawit.com/2024/03/02/produksi-minyak-sawit-indonesia-2023-meningkat-715-persen-ekspor-ke-uni-eropa-melorot/

上図より、インドネシアのパーム油の生産量は、2021年から2022年にかけて減少し、2022年から2023年にかけて増加していることがわかります。

また5年間で一番生産量が減少したのは、2021年です。

2021年に生産量が減少した主な要因としては、新型コロナウイルスの拡大、ロシアのウクライナ侵略、石油、植物油・石油・肥料の高騰、パーム油製品の輸出禁止政策などが挙げられます。

パーム油のインドネシアの国内消費量は、2022年に2,124万トン、2,023年に2,313トンとなり増加しています。

また、2023年のインドネシアにおけるパーム油の輸出量は前年と比較して2.38%減少し、3,221万トンとなりました。

輸出量減少の最大の原因は、EU諸国への輸出量減少が挙げられます。一方で、アフリカ、中国、インド、アメリカへの輸出については大幅に増加しています。

2023年の最大の輸出国はインドで、輸出量は540万トンに達しています。

参考WEBサイト:https://data.goodstats.id/statistic/produksi-minyak-sawit-mentah-di-indonesia-menurun-pada-2022-BPEZO
https://www.infosawit.com/2024/03/02/produksi-minyak-sawit-indonesia-2023-meningkat-715-persen-ekspor-ke-uni-eropa-melorot/

インドネシアでパーム油の農園が多い地域

以下は、インドネシアでパーム油の農園の保有面積が広い地域です。

出典:10 Provinsi dengan Perkebunan Kepala Sawit Terluas 2023より弊社作成(2024年6月2日)
https://data.goodstats.id/statistic/10-provinsi-dengan-perkebunan-kelapa-sawit-terluas-2023-fgrWR

インドネシアの州の中で一番パーム油の農園の面積が一番広いのは、リアウ州で349万ヘクタールに達し、インドネシア全体のアブラヤシ農園の総面積の21%に相当します。

次に多いのは、中央カリマンタン州、北スマトラ州と続きます。

リアウ諸島、カリマンタン島、スマトラ島など、森林が多い地域にパーム油の農園が多い傾向にあると言えます。

参考WEBサイト:https://data.goodstats.id/statistic/10-provinsi-dengan-perkebunan-kelapa-sawit-terluas-2023-fgrWR

インドネシアのパーム油企業5社

インドネシアでは大規模なパーム油農園を営む企業が2,294存在しています。

その中でも、以下は2023年にインドネシアにおいて収益が高いインドネシアのパーム油企業とその比較です。

出典:Perusahaan Kelapa Sawit dengan Penghasilan Paling Tinggi di Indonesiaより弊社作成(2024年6月2日)
https://goodstats.id/article/10-perusahaan-sawit-terbesar-di-indonesia-capai-pendapatan-triliunan-Qh37n

2023年のインドネシアのパーム油企業において一番収益が高いのは、Sinar Mas Agro Resources and Technology社で、収益額は66.5兆ルピアに達します。

その他の企業と比較しても、圧倒的な収益を誇ることが上図からわかります。

しかし、2022年の収益(75兆)と比較すると減少していることがわかっています。

また収益高2位、20.75兆ルピアのAstra Agro Lestari 社は、2020年から2021年にかけ非常に高い収益を生み出し、この1年間の間で約6兆ルピアも収益高を増加させることに成功しています。

まだ1位との差は大きいですが、今後どのように収益の差が縮まっていくのか、注目の企業です。

収益高3位のSalim Ivomas Pratama社は2021年から2022年にかけて収益が減少していましたが、2023年は前年比より収益拡大に成功しました。

このように、インドネシアのパーム油企業は、2023年時点で収益を拡大している傾向にあることがわかります。

参考WEBサイト:https://www.bps.go.id/id/statistics-table/2/MTg0OCMy/jumlah-perusahaan-perkebunan-besar-menurut-jenis-tanaman–unit-.html

今回のコラムでは、インドネシアにおけるパーム油の生産量、消費量、パーム油の収益が高い企業についてご紹介しました。

2022年にインドネシア政府は、国内の食用油の供給を安定させるため、一時的にパーム油の輸出を禁止していました。

その影響で、日本でパーム油を含む製品の物価高騰が心配されました。

世界最大のパーム油生産国であるインドネシアのパーム油についての動向は、インドネシア経済を知るためにも注視しておく必要がありそうです。

また、インドネシアにおけるパーム油の生産量、消費量ともに増加していますが、国際市場での輸出価格が下落しています。

今後数年間に渡り、この影響によるインドネシアのパーム油産業への影響は大きいでしょう。

弊社インドネシア総研は、インドネシアの様々な分野における市場調査、現地視察、出張のサポートを行っております。また、現地にもインドネシア人スタッフが多く在籍しており、インドネシアの最新情報を得ることができます。

インドネシアにおけるビジネスにご興味ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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