【コラム】インドネシアにおける新型コロナウイルスの拡大により高まるフードデリバリ ーサービスとドライバーの対策
新型コロナウイルスの感染者が全世界で拡大を続けていますが、その影響でインドネシア政府は国民に対してWFH(work from home)=自宅勤務や social distancing(人と距離を置くこと)を要請しています。
3月21日にはジャカルタ特別州にて非常事態宣言が宣言され、以降できるだけ在宅学習・在宅勤務とし、映画館などの娯楽施設も営業停止するよう要請されました。
現在インドネシアの人々は外出を控えているため、OJOL(ojek online)やタクシー等の旅客輸送事業やホテル業、外食産業は大変な打撃を受けています。
インドネシア・ホテル・レストラン協会の会長によると、ジャカルタのホテルの稼働率は現在30%に留まり、バリは更にそれを下回る20%程度の稼働率を記録するなど、深刻な状況にあるそうです。
しかし、その中で需要が伸びているビジネスがあります。それは、インドネシアで近年市場が拡大しているフードデリバリーサービスです。
オンライン交通サービスのGo-JekやGrabによって運営されているGoFoodとGrabFoodが主なプレイヤーです。
インドネシアでは新型コロナウイルス感染者が発生して以降、弊社が昨年手掛けたクラウドキッチンの売り上げが急増しています。
弊社が所有する店舗の売上推移
クラウドキッチンは認知度が上がるまで最初2か月から6ヵ月の間は低空飛行をする傾向にありますが、今回は新型コロナウイルスCOVID-19の影響により外出・外食を控えるインドネシアの人々に多く利用されており、2019年12月にオンラインでサービス展開し始め、今年2月に入ってから売り上げが徐々に上昇しています。
弊社の店舗だけではなく、インドネシア全体でクラウドキッチン、フードデリバリーサービスの需要が高まる傾向にあるようです。
その他、例えば大手コーヒーチェーンのスターバックスも「家にいながらコーヒーを楽しもう」というキャンペーンを開始しました。
Go-FoodやGrabなどのフードデリバリーサービスを使用してスターバックスが指定するドリンクを注文すれば、従来よりもお得な値段で購入できるキャンペーンです。
すでにフードデリバリーサービスが広く普及しているインドネシアでは、今後更に需要が高まることが予測されます。
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現地メディアによると、現在はフードデリバリーサービスで注文された商品の配達時にも対策がなされています。
通常、配達時には注文者は外に出て注文を受け取りますが、できるだけ人との距離を取るよう声高に叫ばれる今、直接の受け取りは心配という人も多くいるため、注文者が希望をすれば、家の前に配達された商品を置き、数メートル離れたところより受け取りを確認する、といった対策も取られているようです。
ただし、この対策はオンライン決済を行ったカスタマーのみが希望することができ、現金決済の場合は従来通りドライバーとの直接の金銭の受け渡しが発生します。
その他、ドライバーのマスクの着用やヘルメットのヘッドカバーの利用、清潔な手袋・ネックカバーなどの着用、手指消毒液の利用を推奨しています。
ヘルメット洗浄料金のディスカウントなどのサービスも受けられるようです。
いかがでしょうか。
インドネシアにおける新型コロナウイルスに関連する最新の動向については随時更新してまいります。
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