【コラム】インドネシアの在宅ワーク事情

新型コロナウイルスのパンデミック期に世界的に在宅ワークへの移行が広まり、インドネシアでも在宅ワークが一般的になりました。

新型コロナウイルスが落ち着いてきた今、インドネシアにおける在宅ワークの割合はどのようになっているのでしょうか。

今回のコラムでは、インドネシアの在宅ワーク事情についてご紹介します。

目次

インドネシアにおける勤務形態

2020年3月15日、ジョコ・ウィドド大統領は、新型コロナウイルス 蔓延を防ぐため、インドネシア国民に在宅ワークの実施を呼び掛けました。

そのことにより、インドネシアにおいて在宅ワークという勤務形態が広がりました。

以下は、2023年のインドネシア企業における勤務形態の動向を表しています。

出典:IDN TIMES Tren pengaturan tempat kerja di bulan Januari-Juni 2024より弊社作成(2024年5月18日)
https://www.idntimes.com/life/career/jeremia-agung-ananta/penerapan-wfh-di-masa-depan?page=all

新型コロナウイルスのパンデミック以降、インドネシアにおいて在宅ワークを導入する企業が増加しましたが、2023年時点では「全自従業員が出社」の割合が一番多く62%となっています。

その次に多いのが、出社をしている従業員と在宅ワークをしている従業員の両方がいるパターンです。在宅ワークとしての制度導入は進んだものの、全従業員出社をしている企業の割合が多いことがわかります。

また、インドネシアの企業において週2日は在宅、週3はリモートといったハイブリッド勤務も注目されています。

在宅ワークをするうえでのインドネシア企業の対応

以下は在宅ワークをするうえでのインドネシア企業の対応について示したグラフです。

出典:IDN TIMESBentuk dukungan perusahaan bagi system WFHより弊社作成(2024年5月18日)
https://www.idntimes.com/life/career/jeremia-agung-ananta/penerapan-wfh-di-masa-depan?page=all

在宅ワークを導入しているインドネシア企業の中で、在宅ワークへの準備としてノートパソコンの貸与やオンライン会議用のアカウントの準備は一般的な対応事項であることがわかります。

また企業によっては、インターネット接続手当や在宅をサポートする人材確保を優先する企業もあるようです。

また、ほとんどの項目で2022年より2023年の方が在宅ワークを実施している企業が多いことがわかります。

インドネシアの人々の勤務形態の好み

以下は2021年の調査によるインドネシアの勤務形態の好みについての図です。

上図は、オンラインプラットフォームを運営しているRuang kerjaが過去3ヶ月に在宅ワークが可能な会社で働いている人を対象に、勤務形態の好みを調査した結果です。

一番多いのが「在宅ワーク」で回答者の約43.2%を占めており、次に多いのが「在宅ワークと出社のハイブリッド勤務形態」で39.5%を占めています。一番割合が少なかったのが、「出社」で17.3%という結果になっています。

在宅ワークが可能な会社で働いている人々は、在宅ワークかハイブリッドの勤務形態が好まれていることがわかります。

参考WEBサイト:https://www.ruangkerja.id/blog/survei-membuktikan-mayoritas-karyawan-di-indonesia-memilih-untuk-tidak-bekerja-sepenuhnya-dari-kantor

世代間の在宅ワークに対する効果

インドネシアの調査会社Jakpatが、2022年に18~44歳の1436人を対象に行った調査によると、Z世代の回答者のうち、63%が在宅ワークは効果的であると回答していることがわかっています。

また、ミレニアル世代の回答者のうち効果的だと考えている割合は56%となり、X世代になると43%に下がります。

世代によって在宅ワークへのイメージは異なることがわかります。

*X世代:1965年〜1980年生まれの世代

参考WEBサイト:https://databoks.katadata.co.id/datapublish/2022/08/04/survei-wfh-lebih-dianggap-efektif-oleh-gen-z

インドネシアで在宅ワークに適した職業

以下はインドネシアにおいて、在宅ワークに適していると言われている職業です。

  • ライター
  • webデザイナー
  • webマーケター
  • webエンジニア
  • プロジェクトマネージャー
  • グラフィックデザイナー

WEBに関わる職業が多いことがわかります。

また、WEB業界ではない職業において、今後在宅ワークの方法を整えていくことが課題であると言えます。

参考WEBサイト:https://glints.com/id/lowongan/pekerjaan-cocok-untuk-remote-dan-wfo/
https://www.kuncie.com/posts/daftar-pekerjaan-wfh

今回のコラムでは、インドネシアの在宅ワーク事情についてご紹介しました。在宅ワークの導入は広がっているものの、出社の割合が多い企業が半分以上あることがわかりました。

また、インドネシア政府は大気汚染の対策として、公務員に対する在宅勤務指示を定期的に発令しています。

在宅ワークの推進は、インドネシアの環境問題改善にも関わる非常に重要な事項であると言えます。

弊社インドネシア総研は、インドネシアの様々な分野における市場調査、現地視察を行っております。また、現地にもインドネシア人スタッフが多く在籍しており、インドネシアの最新情報を得ることができます。

インドネシアにおけるビジネスにご興味ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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