【アルビー日記】ワークショップを通じた社内コミュニケーションの円滑化
皆様こんにちは、インドネシア総合研究所代表のアルビーです。
弊社のニュースをご覧の方の中には、インドネシア人材の雇用やインドネシアへの事業進出をお考えの方の多いのではないでしょうか。弊社インドネシア総合研究所はジャカルタにも現地法人があり、私はどちらも代表を務めています。
しかしながら、インドネシア人を雇用するのと日本人を雇用するのでは、特にマネジメントの面で違いが出ると感じています。弊社の過去のコラムでも何度かご紹介いたしましたが、インドネシアは転職が盛んでジョブ型採用が主流のため、社員それぞれにプロフェッショナル意識があり、得意を生かして仕事をしています。
しかし、そういった状況の中で、専門チーム間の知識の共有や連携が十分に取れていないという問題点がありました。
そこで、解決策の一環として先日ジャカルタの現地法人にて、ビジネスモデルキャンバス(BMC)をキーワードにワークショップを開催、結果として社員から大変好評でしたので、今回の日記では皆様にワークショップの内容をご紹介します。
インドネシア人の雇用だけでなく、今後ジョブ型採用に切り替えを進めることをお考えの日本の経営者の皆様にも是非読んでいただければと思います。
ビジネスモデルキャンバスとは
まず、今回ワークショップのキーワードとしたのが、以前の記事でもご紹介したビジネスモデルキャンバス(BMC)です。一言で言うと、ビジネスモデルキャンバスとは、ビジネスの構造を可視化するために、簡易的に図式化する手法のことです。ビジネスモデルを俯瞰し、分析や評価を行う上で非常に重要なツールとなっています。
詳しくは、以前外部向けに実施したワークショップの記事でもご紹介しておりますので合わせてご覧ください。
今回の社内ワークショップでは、このビジネスモデルキャンバスを柔軟に活用し、ビジネスのアイデアだけはなく、社員それぞれのライフプランやキャリアを可視化、分析、共有するというワークショップを実施しました。その過程で、社員間のコミュニケーションの時間を設けることで、部署間の乖離や知識の差を埋め、会社のコアバリューについて理解を深めてもらうことができました。
具体的なワークショップの流れをご紹介します。
社内BMCワークショップの内容
まず、代表である私アルビーから、今回のワークショップの内容や目的についての説明ののち、改めてインドネシア総合研究所のビジネスの構造やコアバリューについて説明しました。
インドネシア総研ジャカルタオフィスは、創業当初の調査部門から派生して新規事業開発、学校事業、食品、美容など多岐にわたる事業展開を行っています。社員数はインターンも含め現在60人近く、そのほとんどが20~30代です。若い人材が非常に力を発揮していると言える一方で、インドネシアの最近の企業文化として、若い世代ほど転職が盛んなため、いかに会社のコアバリューを常に全体で理解し、ビジネスに取り組んでいけるかが課題と言えます。
そこで私からは、インドネシア総研がはじめ調査会社だったからこその強み、顧客のニーズに応えるためにという目的のためにビジネスを拡大してきたことなどを図解して説明し、各部門のつながりや共通して持つべきバリューについて改めて伝えました。
続いて、弊社の中でも特に強みと言える新規事業開発部門および調査部門の担当者が、各自の担当している事業の内容についてレクチャーを行いました。
インドネシア企業の日本進出のコンサルティング、日本の投資家へのアプローチ、弊社のビジネスの新規展開などを担当する新規事業開発部からは、今回のキーワードでもあるビジネスモデルキャンバスについての説明がありました。その中で、社員は実際に自分のアイデアを同じフレームに沿って共有し、全社レベルでディスカッションを行いました。すると、社員からはこのテーマへの理解はもちろん、各部門へ持ち帰れる学びがあったとの声が聞かれました。
市場から法律までインドネシアのあらゆる調査を行っている調査部門からは、実際に行っている調査の概要や手法、弊社の強みについて説明がありました。ここでも活発な質問や意見交換がなされ、非常に充実した内容になりました。
印象的だったのは、ここで社内の用語の統一化が図られたことです。たとえば、「ペルソナ」という対象の属性を示す概念があります。こちらは、調査チームは日常的に使用している用語であり、調査の上でも非常に重要な概念です。しかし新規事業開発部やほかの部署の面々は、概念の意味するものはわかっていてもそれに該当する単語としてのペルソナは知りませんでした。
こうした部署ごとの特殊用語についての知識の差を埋めることで、お互いの部署への理解も深まりますし、社内コミュニケーションが円滑になり、共同でのプロジェクトも進めやすくなるのではないでしょうか。
続いて、弊社ジャカルタオフィスのコンサルティングを担当するイブラ氏からビジネスモデルキャンバスとデザイン思考についてという切り口で改めて説明がありました。InventionとInnovationがどう異なっているか、利用者を想定するという点でビジネスではInnovationを目指す必要があるという部分には社員の多くが関心を示していました。
そしてInnovationのためにはビジネスモデルキャンバスをはじめ様々なメソッドを活用していく必要があることが述べられました。そして、ビジネスモデルキャンバスの枠組みを使って社員それぞれのライフプランやキャリアを可視化、分析、共有するアクティビティを実施し、総研での仕事の在り方について見つめ直してもらいました。
ワークショップ後のアンケートからは、社内における自分の役割を認識することできた、コアバリューを理解できて自分の職務をもっと理解することになったといった声が聞かれたほか、若手社員にもマネジメントの意識が生まれたことが分かりました。
終わりに
いかがでしたでしょうか。今回は、弊社が社内で実施したワークショップの内容についてご紹介しました。インドネシア人の雇用時に限らず、社内や部署間でのコミュニケーションの問題や、情報の分断は様々な組織で起こりうることと思います。
インドネシア人はワークショップなどでも積極的に手をあげ、前に出て発言できる人が多いので、このように全社で行うワークショップも主体的な参加が見込まれ、効果的と言えるでしょう。
弊社では、日本の企業様のインドネシア進出において、現地人材への業務委託からや正式採用に至るまで、手厚くサポートさせていただいております。インドネシア人労働者の思いを反映した仕事環境や、日本の企業文化を交えた社員教育などのご相談にもお応えしております。インドネシアにて、現地人材の採用をご検討される際には、是非弊社インドネシア総合研究所へお気軽にお問合せくださいませ。