【コラム】インドネシアの高速鉄道 Whoosh(ウーシュ) 試乗レポート

インドネシアの高速鉄道サービス「Whoosh(ウーシュ)」が、2023年10月2日にスタートしました。開通までは山あり谷ありのインドネシアの高速鉄道プロジェクトでしたが、開通以降は、国内の移動に革命をもたらした画期的な交通システムとしてインドネシア国内で高く評価されています。


今回は弊社スタッフがインドネシアの高速鉄道サービス「Whoosh(ウーシュ)」に試乗してきましたので、その様子をご紹介します。

高速鉄道プロジェクトの背景についてはこちらの記事をご覧ください。

目次

インドネシアの高速鉄道Whoosh(ウーシュ):ジャカルタ-バンドン間が約30分に

「Whoosh(ウーシュ)」は東南アジア初の高速鉄道です。インドネシアの首都ジャカルタと人口1,100万人の西ジャワ州のバンドンを結んでいます。この高速鉄道の走行距離は142.8キロメートルで、営業速度は時速350キロメートルです。これにより、2都市間の移動にかかる所要時間は平均約3時間から約30分に短縮されました。
1日の運行数は40便で、2023年の繁忙期には48便にまで増便されました。

参考記事:https://www.thejakartapost.com/business/2023/12/26/whoosh-records-1-million-passengers.html

現在はジャカルターバンドン間で4つの駅、将来的にはスラバヤまで

高速鉄道の駅は、2024年1月現在、ハリム(ジャカルタ始発)、カラワン、パダララン(バンドン)、テガルアルの4つです。
最終的には、東ジャワ州の州都のスラバヤまで繋がり、ジャワ島を横断する路線となる計画です。

これらの駅は、それぞれの町の中心地から少し外れた場所にあり、移動方法には注意が必要です。例えば、高速鉄道を使ってジャカルタ中心地からバンドン中心地へ行く場合には、ジャカルタの最寄り駅から普通列車でハリム駅に行き、高速鉄道に乗り、パダララン駅でバンドン駅行きの無料の連絡線に乗り換える、という手順を踏む必要があります。

パダララン駅-バンドン駅間の無料連絡線

駅構内には待合室もあり、空港のような雰囲気です。
(2024年2月時点では、駅、電車内ともに、Wi-Fiのサービスはありませんでした。)

バンドン駅のパダララン駅行きの連絡線の為の待合室
ジャカルタのハリム駅の待合室

平日と休日で異なる運賃

2024年2月現在、ジャカルタからバンドンまでの高速鉄道の運賃は、以下の通りです。

平日:
エコノミークラス…200,000ルピア(約1,930円)
ビジネスクラス…450.000ルピア(約4,330円)

休日:
エコノミークラス…250,000ルピア(約2,400円)
ビジネスクラス…450.000ルピア(約4,330円)

参考記事:https://ticket.kcic.co.id/webTrade/#/home/index

高速鉄道Whoosh(ウーシュ)チケット購入の3つの方法

①公式ホームページ、またはスマートフォンアプリ

参考記事:https://ticket.kcic.co.id/webTrade/#/home/index

日にちや時間に余裕がある場合は、Whoosh(ウーシュ)のホームページとスマートフォンアプリでの、オンライン購入が便利です。Whoosh(ウーシュ)のホームページとアプリは、インドネシア語、英語、中国語に対応しています。決済方法も多岐にわたり、銀行振り込み、QRISを利用したQR決済、Eウォレット、クレジットカードに対応しています。購入にあたり、メールアドレスとパスワードによる会員登録が必要です。

Whoosh(ウーシュ)のホームページとアプリでは、乗車の7日前から1時間前までWhoosh(ウーシュ)のチケットを購入することができます。オンライン購入の場合、チケットはQRコード形態のEチケットとなります。

②駅構内の券売機

駅にある券売機でもWhoosh(ウーシュ)高速列車の切符を購入できます。

券売機では、乗車の7日前から30分前までWhoosh(ウーシュ)のチケットを購入することができます。支払いは、QRISを利用したQRスキャン決済のみです。券売機での購入の場合、チケットは紙のチケットとなります。

③駅のチケットカウンター

高速鉄道の駅のチケットカウンターでも、Whoosh(ウーシュ)高速列車の切符を購入できます。


駅のチケットカウンターでは、乗車の7日前から30分前までWhoosh(ウーシュ)のチケットを購入することができます。支払い方法は、銀行振り込み、QRISを利用したQRスキャン決済、Eウォレット、クレジットカード、現金が利用できます。駅のチケットカウンターでの購入の場合、チケットは紙のチケットとなります。

参考記事:https://money.kompas.com/read/2023/10/14/185000626/3-cara-beli-tiket-kereta-cepat-whoosh?page=all


バンドン駅からの無料連絡線を利用したWhoosh(ウーシュ)への乗り継ぎ時間は短く、有人窓口で購入する余裕はありません。可能であれば、事前にチケットを購入なさることをおすすめします。
また、どの方法でチケットを購入される場合でも、パスポートまたはKTP(インドネシア住民のIDカード)の番号の入力が必要です。Whoosh(ウーシュ)ご乗車の際には念のためにパスポート等をご持参されることをおすすめします。

利用者数:平均乗車率は90%越え、繁忙期は1便あたり平均約450人が乗車

ジャカルタ-バンドン間のWhoosh(ウーシュ)高速鉄道は、2023年9月7日に旅客を乗せて試験運行を開始し、2023年10月17日に営業運転を開始しました。Whoosh(ウーシュ)高速鉄道は、2023年10月17日から12月25日までの2ヶ月間の営業運転期間には、100万人以上の乗客にサービスを提供しました。

Whoosh(ウーシュ)を運営するPT. Kereta Cepat India China (KCIC)の発表によると、営業運転期間のWhoosh(ウーシュ)の平均乗車率は90%を超えており、1 日の最高乗客数は、2023年の年末休暇期間を含めて 21,500 人でした。

また、KCIC社のデータによると、Whoosh(ウーシュ)利用者の48%は自家用車利用者であり、Whoosh(ウーシュ)利用による交通渋滞の軽減も期待されています。

参考記事:https://www.thejakartapost.com/business/2023/12/26/whoosh-records-1-million-passengers.html.

◆まとめ

今回のコラムでは、インドネシアでスタートしたWhoosh(ウーシュ)高速鉄道についてご紹介しました。

今後も線路が伸び、ますます便利になっていくWhoosh(ウーシュ)高速鉄道。今後この新しい交通機関がインドネシアでどのように受け入れられ、インドネシアの発展を支えていくのか、これからも目が離せません。

弊社インドネシア総合研究所は、現地ジャカルタ、バンドン、バリに拠点を持ち、現地から最新情報をお届けしています。また、現地でのコネクションや知識を生かし、多くの企業様のインドネシア進出やインドネシア出張のサポートをさせて頂いております。ご興味がございましたらぜひお気軽にお問い合わせください。

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