【コラム】特定技能2号とインドネシア人材の活用
近年の日本の深刻な人材不足により、技能実習生や特定技能生など、外国人人材に注目が集まっています。
日本に来るインドネシア人の数は近年急増しており、2023年におけるインドネシア人技能実習生の総数は74,387人、特定技能人材の総数は34,253人となっています。
先日のニュースでは、特定技能人材の人数が過去最高となり6月時点で25万人を超えたという発表がありました。最も多いのはベトナム人で、その次がインドネシア人となっているそうです。
https://www.sankei.com/article/20240924-DGVTGLM2ZNL2NMPJEEOJBJBY5M
日本が特定技能の受け入れ人数の上限並びに業種を拡大したことを受け、インドネシアは今後5年で送り出す労働者の人数を当初の目標の10万人から25万人に引き上げることを発表しました。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE054X00V00C24A9000000
特定技能人材については、弊社も近年多数お問合せを頂いております。
特定技能には1号と2号があり、特定技能1号には16分野、特定技能2号には11分野の業種があります。
特定技能1号16分野は以下の通りです。
介護、ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業
特定技能2号は、特定技能1号の16分野から介護を除いた11分野(新規追加分野は検討中)となります。
以下は業種以外の特定技能1号と2号の違いです。
特定技能1号 | 特定技能2号 | |
---|---|---|
在留可能期間 | 上限5年まで | 更新すれば上限なし |
家族帯同 | 不可 | 条件次第で可能 |
永住権 | 不可 | 条件次第で可能 |
必要とされる 技能や試験 | 特定技能1号評価試験合格 もしくは 技能実習を良好に終了している | 特定技能2号評価試験合格 且つ 監督者として一定の実務経験を積んでいる |
日本語レベル | 目安は日本語能力試験N4以上 | 試験無し |
支援 | 登録支援機関による支援が必要 | 支援は不要 |
特定技能2号は、1号と比べて在留期限に上限がないことやすでにその分野での経験があること、更に特定技能1号では必須だった支援も必要なくなりますので、管理費などのコストがかからない点も大きな魅力となります。そのため、弊社は「特定技能2号の人材が欲しい」というお問合せも多く頂きます。
しかし実際には、特定技能2号は1号から簡単に移行できるものではないのです。
特定技能2号への移行は非常に難しく、日本国内ではまだ人数は多くありません。これまでに特定技能2号が取得できた外国人は、今年6月時点で153人です。
特定技能2号を取得するためのハードルが非常に高く、現状は特定技能2号になれる人材より、なれない人材の方が多いのが現状です。
特定技能2号の要件として、以下の3つが挙げられます。
本人が希望すればエスカレーター方式で特定技能1号から特定技能2号へ移行できるわけではなく、特定技能所属機関(就業先)の会社の評価が重要となります。
- 特定技能1号で実務管理経験(リーダ経験)を2年以上必要となります。
- 会社や所属部署の上司(責任者)からの特定技能2号への推薦状が必要となります。
- 特定技能2号試験は会社が申込みをして、特定技能2号試験に合格が必要となります。
特定技能2号の人材には熟練した技能が求められますので、試験に合格できてもリーダーとしての実務経験ゼロだと2号に移行できません。社内リーダ登用試験制度などを設けて実務経験を2年以上していることを証明しないといけません。
特定技能は技能実習生では認められていない転職できることがメリットの1つとしても見られますが、特定技能2号になるためにはリーダーとしての実務経験が2年以上必要になりますので、特定技能1号の5年の期間で複数回以上転職している人は経験上特定技能1号から特定技能2号になることは条件をクリアできなくなります。特定技能は転職できることがメリットはありますが、しっかり就業所属機関で実務業務評価をもらえないと、特定技能2号を希望しても申請できないという事にもなるのです。
特定技能1号として在籍している間に、この要件を満たすように教育・育成をしてく必要があるのです。
この実務経験について業種によって異なりますので、業種によって確認が必要となります。
例えば、飲食料品製造業においては、「飲食料品製造業分野において複数の作業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者としての実務経験が2年以上」、製造業においては「日本国内に拠点を持つ企業の製造業の現場における実務経験3年以上」という条件があります。
参照:https://visa-nextstep.com/visa/tokuteiginou/2gou_jouken/
https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/nyuukokukanri07_00201.html
また、特定技能2号の試験の申込は会社が行う必要があり、会社からの推薦も必要となりますので、特定技能生は会社との良好な関係を築いておく必要があります。
特定技能生は、きちんと会社と円満な関係を築いた上で転職をしないと、前社に手続きをしてもらえない可能性もあります。
特定技能2号になりたい人材、そして特定技能2号を採用したい企業様は多いのですが、特定技能2号の条件を把握していないケースがとても多いのが現状です。
上述のように特定技能1号から2号に切り替えるのは非常に難しいため、特定技能1号のときからどのような条件が必要かを確認して長期的な目線で準備をする・させておく必要があります。
いかがでしたでしょうか。
インドネシア人材についてご興味をお持ちの方は、お気軽に弊社までお問合せください。