【コラム】インドネシアの観光開発指数2024

新型コロナウイルスも収束し海外への渡航の制限も緩和されたことにより、インドネシアへの外国人観光客も増加しています。
インドネシアは、自然豊かで非常に魅力的な観光資源がありますが、インドネシアの観光レベルはどのように評価されているのでしょうか。
今回のコラムでは、最新のインドネシアの観光開発指数についてご紹介します。
インドネシアへの観光客数2024
インドネシア中央統計局(BPS)によると、2024年2月の外国人観光客数は、1,036,037人に達し、前月比より11.67%の増加、前年比より38.24%増加したことがわかっています。
しかし、新型コロナウイルスのパンデミック前の2019年2月の外国人観光客数は124万人で、パンデミック前ほど回復はしていない状態です。
インドネシアへの観光客数が多い国2024
以下はインドネシアへの観光客が多い国上位4カ国と観光客数の比較です。

https://goodstats.id/article/wisman-ke-indonesia-capai-1-03-juta-kunjungan-pada-februari-2024-terbanyak-dari-malaysia-3Wj9Z?utm_campaign=read-infinite&utm_medium=infinite&utm_source=internal
2024年の2月にインドネシアへの観光客数が最も多かったのは、隣国のマレーシアで21万4千人でした。次に多いのが、シンガポール、中国、オーストラリアと続きます。
マレーシアからの観光客は、前月より37.93%増加し、前年より42.65%増加したことがわかっています。
また、上位4カ国のうちマレーシア、シンガポール、オーストラリアはインドネシアに近い国で、近隣諸国からの観光客が多いことがわかります。
なお、インドネシアへの外国人観光客のうち、43.81%がバリのングラ・ライ国際空港から入国しており、バリ島への旅行が人気であることがわかります。
インドネシアの観光開発指数2024
観光開発指数は、世界経済フォーラム(WEF)が発表している各国の旅行・観光における発展度、観光の競争力を図る指数で、以下の基準項目より数値を判定しています。
観光開発指数基準項目
- 事業・社会環境整備
- 旅行観光政策・条件整備
- 交通・観光インフラサービス
- 観光資源
- 観光持続可能性
2024年の世界の観光開発指数の上位5カ国は、アメリカ、スペイン、日本、フランス、オーストラリアとなっています。
2024年のインドネシアの観光開発指数は2021年と比較して上昇し、世界で22位にランクインしました。インドネシアの前後にいる国は、ギリシャ(21位)、ベルギー(22位)です。
また、2021年より10位もランクアップすることに成功しました。
以下は、2024年のインドネシアの観光開発指数の各項目のスコアです。
基準項目 | スコア |
---|---|
旅行観光政策・条件整備 | 5.1/7 |
観光持続可能性 | 4.86/7 |
事業・社会環境整備 | 4.63/7 |
観光資源 | 4.16/7 |
交通・観光インフラサービス | 3.4/7 |
インドネシアの観光開発指数の中で一番スコアが高いのは、旅行観光政策・条件整備となりました。
そして、一番スコアが低いのは、交通・観光インフラサービスであることがわかります。
インドネシアは渋滞が社会問題となっており、日本のように電車が発達していないため、観光客の移動はタクシーや観光バスなどがほとんどです。
今後、観光開発指数を伸ばしていくには、交通整備が急務であると言えます。
インドネシアの観光資源
自然豊かなインドネシアには、以下のような魅力的な観光資源が多数存在します。
海、ビーチ
インドネシアは、島国でインドネシアの各地に綺麗なビーチが広がっています。
また、インドネシアの海岸線の長さは約81,290kmと言われており、カナダに次ぐ世界で2番目に長い海岸線を持っています。
また、ビーチ周辺は観光地となっていることが多く、有力な観光資源と言えます。
例)ピンクビーチ(フローレス島)、タンジュンアーンビーチ(ロンボク島)、インドラヤンティビーチ(ジョグジャカルタ特別州)など
湖
インドネシアには、湖も多く存在します。
天然の湖と、人工的に作られた2種類の湖が存在しており、水上でボートに乗ったり、周りで景色を楽しむために観光客が集まります。
例)トバ湖(北スマトラ州)、ケリムツ湖(フローレンス島)、ラブアン・ケルミン湖(東カリマンタン州)など
国立公園
インドネシアには現在、50の国立公園が存在しています。
またそのうち6つが世界遺産に指定されており、珍しい動物、植物が多く生息しています。
例)タンジュンプティン国立公園(中央カリマンタン州:オラウータン保護区)、ロレツ国立公園(パプア州:東南アジア最大の自然保護区)など
山
山に登るだけではなく、周りに滝や、キャンプ場、温泉なども存在しており、山の周りは観光資源で溢れています。
例)ブロモ山(東ジャワ州)、タンクバン・プラフ(西ジャワ州)
海洋公園
インドネシアには、海洋資源を保護するために指定された海域である、海洋公園が存在します。
この地域では、石油やガスの採掘が禁止されており、生態系の保護を強化しています。
海洋公園には、珊瑚礁が広がる綺麗な海が広がっており、ダイビングなどのマリンスポーツも楽しむことができます。
例)ブナケン国立海洋公園(北スラウェシ州:ユネスコの生物圏保護区)、ワカトビ国立海洋公園(南東スラウェシ州:ユネスコの生物圏保護区)
このように、インドネシアでは様々な観光資源があることがわかります。
このような観光資源があるからこそ、他国に知ってもらうことが非常に重要であると言えます。
参考WEBサイト:https://geohepi.hepidev.com/2020/12/15/potensi-dan-persebaran-sumberdaya-pariwisata/#google_vignette
https://www.hostelworld.com/blog/ja/%E3%83%93%E3%83%BC%E3%83%81%E3%81%AB%E8%A1%8C%E3%81%93%E3%81%86%E8%A6%8B%E9%80%83%E3%81%9B%E3%81%AA%E3%81%84%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%8D%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%81%AE%E7%B4%A0%E6%99%B4%E3%82%89
今回のコラムでは、インドネシアの外国人観光客数、観光開発指数についてご紹介しました。
観光資源が豊富なインドネシアは、多くの外国人観光客を誘致できる魅力的な国です。
そのために、今後の課題として交通インフラの整備は必須であると言えるでしょう。
現在、インドネシアの首都ジャカルタではMRT(高速鉄道)の開業が行われています。
今後インドネシアの交通インフラが整えば、観光開発指数に良い影響があるのか、来年の開発指数に注目していきたいところです。
弊社インドネシア総研は、インドネシアの様々な分野における市場調査、現地視察を行っております。
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