【コラム】インドネシアのスパ産業、伝統的なスパの種類

インドネシアの観光地では、街中でスパを見かけることが多々あります。
インドネシアで特に有名な観光地であるバリ島でもスパが有名なため、インドネシアというとスパの印象が強い方も多いのではないでしょうか?
今回のコラムでは、インドネシアのスパについてご紹介します。

目次

インドネシアのスパ産業

スパとは、入浴やマッサージを組み合わせて心身を癒すものを指し、インドネシアのスパは、品質が高く国際市場でも戦っていける可能性を秘めています。
インドネシアのツーリズム財団(YPSI)のトリシャ・スヘルマン会長は、「インドネシアのスパのセラピストの腕は、タイ、フィリピン、日本、中国などの諸外国と並んで非常に優秀で、モルディブの様々なホテルでもインドネシア出身のセラピストが多い」と言っています。

また、インドネシア政府もスパ産業の拡大を後押ししており、2019年にはインドネシアのベストスパを選ぶ「スパ&ウェルネス・ツーリズムアワード 2019」が開催されました。
また、スパはインドネシアの観光産業の1つに選出されており、2014年の観光創造経済大臣規則24号で定められています。
インドネシアにとってスパ産業は、今後海外に進出できる可能性を秘めている非常に重要な産業であると言えます。

参考WEBサイト:https://www.antaranews.com/berita/970144/industri-spa-berpotensi-memenangkan-persaingan-di-pasar-global

インドネシアのスパの歴史

インドネシアでは古くからスパが心身を癒すものとして楽しまれており、そのことが歴史的な建造物から確認することができます。
824年に建設されたボロブドゥール遺跡には、スパをしている様子が描かれています。
また、1789年に建設されたジョグジャカルタのタマンサリ寺院には国王のための沐浴場があり、身を清め心身を癒す場所として利用されていました。
その他にも、バリのティルタエンペル寺院の敷地内には天然の泉があり、10世紀以降ヒンドゥー教徒の人々がそこで身を清めていました。

このように、インドネシアには古くから入浴とマッサージを組み合わせて心身を癒すスパの文化があることがわかります。

そして、古くからインドネシアの人々に楽しまれていたスパの伝統は現代にも受け継がれており、バリやジョグジャカルタなどの観光地をはじめインドネシアの各地でスパのお店が存在しています。

参考WEBサイト:https://www.spadibali.com/sejarah-spa-di-indonesia

インドネシアのスパの特徴

インドネシアのスパには様々な種類があります。
以下は、インドネシアのスパの伝統的なメニューと特徴です。

<伝統的なマッサージの手法>

インドネシアの伝統的なマッサージは、ココナッツオイルを使用した、指圧マッサージです。
また、指圧マッサージの中でもアロマを使用したアロママッサージ は、インドネシアのスパのメニューの中で最も人気のあるトリートメントのひとつです。

<伝統的なボディートリートメント>
ボディートリートメントは、スパで行われるボディケアの方法です。

Mandi Susu(マンディスス)
ジャワの王女が若返りの薬として使用してきた伝統的な美容浴です。
Susuは、インドネシア語で“ミルク”という意味で、スパ用に作られたヤギ・羊・牛のいずれかのミルクを入れたお風呂に20分ほど浸かります。
ミルクの効果で、肌が柔らかくなるのが特徴です。
より強力な治療には、バターミルクまたはヨーグルトが使用されることもありますが、匂いが強いのであまり好まれていません。

Lulur(ルルール)
ルルールはインドネシアのジャワ宮殿で17世紀から行われてきた、ジャワ式の伝統的なスクラブマッサージです。ルルールはジャワ語で「皮膚をコーティングする」という意味を持ちます。
今では、インドネシアのスパ施設で一般的なボディートリートメントとして知られています。
日本でもスクラブはよく耳にしますが、インドネシアの伝統的なスクラブには、米、ターメリック、ウコンなどのスパイスが混ざっています。
スクラブを肌に塗り込み20~30分乾燥させた後、スクラブでマッサージを行うことで、角質を除去することができます。
肌が柔らかくなり、肌質の改善の効果が見込めます。

Boreh(ボレ)
バリ発祥のメニューで、生姜、クローブ 、レモングラスなどのスパイスを砕き、水と合わせてペースト状になるまで混ぜ合わせます。
この調合液を体に塗り、乾いた後ローズウォーターで洗い流します。
お肌の調子を整えるというよりは、頭痛、筋肉痛、関節炎などの治療としておすすめされています。
ペーストを肌に塗ると、スパイスの効果で体が温かくなり、血行がよくなります。

<ボディーラップ>

フラワーバス
フラワーバスは、スパの施術後に入ることが多いです。
ジャスミン 、クチナシ、ハイビスカスなどの花びらが浮かべられた浴槽につかり、リラックスすることができます。

ハーブラップ
肌を柔らかくするだけではなく、皮膚上面の傷を直すためにも使用されます。
多くの場合はベースにクレイ(泥)を使用し、そこにミルク、ターメリック、ハーブ、セサミオイルなどを混ぜ合わせます。
ハーブラップを体に塗った後、シートで体を包み、その上に熱いタオルを置くことで体全体の毒素を出し、デトックスすることができます。

ジャワラップ
ジャワラップは、ジャワの女性に親しまれており、産後の体型を戻すために一般的に利用されています。
ユーカリ、砕いた海石、ライムの果実、オイルを混ぜてペースト状にして、腹部に塗布し、綿素材のバンドをお腹に巻き付けることで、痩身が見込めます。

参考WEBサイト:https://www.indonesia.travel/id/id/ide-liburan/unik-dan-autentik-ini-9-spa-tradisioinal-dari-berbagai-daerah-di-indonesia-aja
https://www.expat.or.id/info/traditionalbeautytreatments.html

インドネシアには様々なトリートメントの種類があることがわかりました。

今回のコラムでは、インドネシアのスパ事情についてご紹介しました。
現在インドネシアには、7885のスパ施設が存在していると言われています。
インドネシア政府も観光の施策として、今後世界に向けてインドネシアのスパを観光資源として発信していくことが予想されます。
インドネシアにおいて、美容、ウェルネス事業の展開を考える際、インドネシアのスパの動向について注視する必要があると言えます。

日本とインドネシアに拠点を持つ弊社では、インドネシアの様々な分野の現地調査や現地視察が可能です。
インドネシアへビジネスを展開する際は、お気軽にご相談ください。

参考WEBサイト:https://rentechdigital.com/smartscraper/business-report-details/indonesia/massage-spas

株式会社インドネシア総合研究所
お問い合わせフォーム
Tel: 03-6804-6702

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