【コラム】インドネシアのデジタルカメラ市場と人気のメーカー

近年、スマートフォンの普及が拡大し、スマートフォンで写真を撮影することが多くなったこともあり、世界的に見るとデジタルカメラの需要は低下しています。
しかし、インドネシアでは世界全体と比較すると依然として一眼レフ、ミラーレスカメラなどのデジタルカメラの需要は拡大しており、今後数年は需要が伸びると予想されています。
また、インドネシアでは日常的に写真を撮る人が多く、日本と比較しても写真を撮る機会が多くあります。
今回のコラムでは、インドネシアのデジタルカメラ市場やインドネシアで人気のあるカメラメーカーについてご紹介します。
※このコラムでは、「デジタルカメラ」の定義を内蔵レンズカメラ、レンズ交換式カメラ、デジタル一眼レフカメラ、ミラーレスカメラをといたします。
参考WEBサイト:https://data.tempo.co/data/1535/kemunduran-pamor-kamera-digital
インドネシアのデジタルカメラ市場
インドネシアのデジタルカメラ市場の収益は、2024年に6億ドルに達すると予想されており、年間の市場の成長率は2.75%の増加が見込まれています。
アメリカの調査会社6wはインドネシアのデジタルカメラの市場において、2023年から2029年にかけて大幅な成長を遂げると予想しており、今後数年間は成長が期待できる市場であると言えます。
また、2021年時点のデジタルカメラの輸出国は1位が輸出金額が全体の55%を占める中国で、2位が日本(13%)と、日本にとってもインドネシアのデジタルカメラ市場は身近な市場であることがわかります。
なお、インドネシアではスマートフォンが普及しているのにも関わらず、デジタルカメラ需要は依然として伸びており、小型・軽量・高画質のミラーレスカメラの人気が高いです。
参考WEBサイト:
https://www.statista.com/outlook/cmo/consumer-electronics/tv-radio-multimedia/digital-cameras/indonesia
https://www.6wresearch.com/industry-report/indonesia-digital-camera-market-outlook
インドネシアのデジタルカメラ市場への新型コロナウイルス の影響
新型コロナウイルスは、インドネシアのデジタルカメラ市場に大きな影響を与えました。
蔓延拡大していた2020年の売上は例年と比較し約1億ドル減少しました。
減少した原因としては、外出制限による販売店の閉鎖や、スマートフォンの代用が挙げられます。
しかし、新型コロナウイルス が収束するにつれ、売上は安定し2023年には新型コロナウイルス 以前より売上が約1億ドルも増加しています。
インドネシアのECサイトでのデジタルカメラの販売
インドネシアのデジタルカメラ市場において、ECサイト経由での購入の割合は、全体の33.4%を占ています。
デジタルカメラは高価なものであるため、現在は店頭の販売の割合の方が高いですが、2027年にECサイト経由での購入のシェアが39%まで増加すると予想されています。
また、SNSの普及により店舗に行かなくても商品の機能や性能を把握することができるのに加え、インドネシアの人はインフルエンサーの紹介を通して商品を購入する割合も高いため、オンライン経由での購入は今後も増えていくのではないでしょうか。
参考サイト:https://ecommercedb.com/markets/id/digital-cameras
インドネシアで人気のカメラメーカー
以下はインドネシアで人気のあるカメラメーカーです。
キャノン(Canon)
世界的にカメラの最大手企業と知られているCanonは、インドネシアでも人気の高いカメラメーカーです。高品質のデジタルカメラを提供しています。
ニコン(Nikon)
Canonに続き、カメラの最大手企業として知られるNikonの人気が高いです。
高品質なカメラを手頃な価格で販売しています。
レンズとセンサーの品質が高く、一眼レフやミラーレスカメラも人気が高いです。
ソニー(SONY)
レンズ交換式一眼レフカメラ・ミラーレス一眼カメラブランドのαシリーズが人気を博しています。また、4Kや8Kの動画撮影に優れている点も人気の理由のひとつで、高画質な写真や動画を撮りたい人に人気があります。
富士フイルム(FUJIFILM)
プロのカメラマンからも人気が高く、高品質のカメラとして知られています。
また、フィルムライクなレトロな写真を撮りたい人々の間にも人気があります。
その他、Panasonic、Samsungなどもインドネシアでよく知られています。
インドネシアでも日本のデジタルメーカーが人気であることがわかります。
今回のコラムでは、インドネシアにおけるデジタルカメラ市場についてご紹介しました。
インドネシアのデジタルカメラ市場は今後も拡大されていくと予想されていますが、脅威としては高機能はスマートフォンの普及が挙げられます。
スマートフォンのカメラの性能がよくなるにつれて、デジタルカメラの需要は落ちていくと予想されます。
世界的に言えることですが、カメラ市場全体でみると、アクションカメラである「GoPro」や、アナログカメラである「インスタントカメラ」などのカメラが若者を中心に人気を集めています。
また、新型コロナウイルスの影響によるリモートの拡大伴い、WEBカメラの需要が高まりました。
平均年齢が29.9歳と若者が多いインドネシアにおいて、デジタルカメラ市場が今後も成長を続けるには、若者をターゲットとしたデジタルカメラの普及拡大や、生活様式の変化に伴うデジタルカメラの活用シーンの提案が重要と言えるでしょう。
参考WEBサイト:https://ultimagz.com/iptek/jenis-jenis-kamera-analog/
弊社インドネシア総研は、インドネシアの様々な分野における市場調査、現地視察を行っております。
インドネシアにおけるビジネスにご興味ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

