【コラム】インドネシアのECサイト動向(2022年〜2023年)
Google、Temasek、Bain&Companyが作成したレポート、“e-ConomySEA2023”によると、2023年のインドネシアの電子商取引の流通取引総額(GMV)は、620 億ドルに達すると予想されています。
2021年から2022年の成長率と比較すると鈍化していますが、純利益額は伸びており、インドネシアの今後のEC市場は今後も伸びていくと予想されています。
今回のコラムでは、今後も成長が見込まれるインドネシアのECサイトについてご紹介していきます。
2023年第一四半期に訪問者数が多かったインドネシアのECサイト
以下は、2023年の第一四半期に最も訪問者数が多かったECサイトと、アクセス数の比較です。
上図より、一番アクセス数が多かったECサイトは、Shopeeであることがわかります。
Shopeeは、月平均で約1億5,700万件のアクセス数があり、他のECサイトを大きく上回る結果となりました。Shopeeはインドネシアの中でも最も地位を築いているECサイトであると言えます。
2番目にアクセス数が多いのは、Tokopediaで、月平均で約1億1,700万件のアクセス数があります。Shopeeに次いで人気のあるECサイトです。
その次に、Lazada、Blibli、Bukalapakと続きます。
上位5つのサイト全体で2023年の第一四半期において売上が増加傾向にあったのは、ラマダン月の3月でした。
参考WEBサイト:
https://databoks.katadata.co.id/datapublish/2023/05/03/5-e-commerce-dengan-pengunjung-terbanyak-kuartal-i-2023
https://wintera.co.id/article-detail/top-5-marketplace-di-indonesia-periode-januari-2023-juni-2023/8051
インドネシアで人気のあるECサイトとその特徴
Shopee
インドネシアでアクセス数が一番多いShopeeは、購入金額が何円でも送料が無料という特徴があります。
また、ECサイトだけではなくオンライン決済のShopee Payや、フードデリバリーサービスのShopee Foodなど幅広いサービスを提供しています。
Tokopedia
2009年に設立された、インドネシアのユニコーン企業です。
ショッピングだけではなく、ホテルや航空券、イベントのチケットの販売など、別業態の事業も行っています。
また、イスラム教徒のユーザーに向けの服や、お祈りに必要な商品を販売するTokopedia Salamという、特定のユーザーに向けたサービスも提供しており、注目を集めています。
Lazada
2012年に設立された、中国のECサイトAlibaba(アリババ)の東南アジア版のECサイトです。
インドネシアをはじめマレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムと東南アジアの国々に進出しています。
32,000以上のブランドを取り揃えており、ブランド全てがLazada上の店舗と紐付けられているため、信頼性が高いECサイトとして知られています。
Bukalapak
Bukalapakは、加盟店と消費者を繋ぐ仲介者としての面もあるECサイトです。
その取り組みのひとつとして、加盟店へのセミナーを開催し、加盟店の販売をサポートする事業を行っています。
Blibli
インドネシアの大手財閥、Djarumグループ傘下が運営しているECサイトです。
2011年に設立されて依頼、家庭用品や生活用品を中心に販売しています。
ユーザーが、買い物の方法をオンラインかオフラインか選べるサービスや、デジタル決済サービスなどユーザーに寄り添ったサービスを展開しています。
参考WEBサイト:https://golocad.com/blog/top-indonesian-e-commerce-platforms/
インドネシアのECサイトで人気の商品
以下は、2023年にインドネシアのECサイトで購入されている上位10商品です。
- 服(大人向け)
- 子供服
- アクセサリー
- 靴
- バッグ・財布
- 時計
- メガネ、コンタクトレンズ
- ベビー用品
- 美容グッズ
- 香水
上位10位の中で、ファッションに関する商品がほとんどであることがわかります。
10位以降は、食料品や日用品などが人気です。
また、イスラム教徒が多いインドネシアの特徴として、イスラム教の服や礼拝に必要なマットや帽子などの商品もECサイトを通して多くの人が購入しています。
参考WEBサイト:https://www.niagahoster.co.id/blog/produk-online-terlaris/
インドネシアのSNSを介した買い物の動向
ECサイトを利用して商品を購入することに加え、若者の間ではSNSを通して商品を購入する機会も増えています。
インドネシアの調査会社Populix社の調査によると、1,020人の回答者のうちSNS経由で買い物をしたことがある人は、回答者全体の86%の割合を占めることがわかっています。
また、SNS経由での買い物のうちTikTokを通して購入している人の割合が多く(46%)、次にWhats App(10%)の割合が多いです。
また、SNSを通して購入する商品の割合として最も多いのは、服、美容グッズになります。
インドネシアのECサイトの成長率が前年と比較して低いのは、SNSを介してのオンラインショッピングの機会が増えたことも理由のひとつとして挙げられるのではないでしょうか。
今回のコラムでは、インドネシアのECサイトの動向について紹介しました。
インドネシアのEC市場は、依然として市場規模が成長し続けている分野ではありますが、SNSを介したショッピングの広がりにより、今後どのように展開していくか注視しておく必要があります。
インドネシアのEC市場に出品したい、その他現地のオンラインショッピングに関するご質問などございましたら、お気軽にお問い合わせください。