【コラム】インドネシアの食品廃棄量

近年、急激に経済発展を遂げているインドネシアにおいて、廃棄物の問題は非常に深刻です。廃棄物の中でも特に、食品廃棄物は家庭や市場、飲食店など人々が生活するうえで必ず発生します。

またインドネシアは世界と比較しても食品廃棄物量が多く、社会的にも問題になっています。今回のコラムでは、インドネシアの食品廃棄物についてご紹介します。

目次

インドネシアにおける食品廃棄量

以下は、世界で食品廃棄量が多い国の上位5つです。

出典:CNBC INDONESIA 5 Negara Pencetak Sampah Makanan Terbesar di Duniaを基に弊社作成(2024年4月29日)
https://www.cnbcindonesia.com/research/20240123154427-128-508350/darurat-sampah-makanan-orang-ri-tembus-ratusan-triliun

2021年のインドネシアの食品廃棄量は、約2,000万トンに達し、世界で4番目に多いことがわかります。

また、インドネシア国家開発計画省(BAPENSA)の調査によると、2000年〜2019年の20年間で年間2,300万〜4,800万トンの食品廃棄が発生しており、一人当たり年間115〜184kgの廃棄に相当します。

参考WEBサイト:https://ppm-manajemen.ac.id/makan-tak-habis-bumi-menangis-mengelola-food-waste-di-indonesia/#:~:text=Data%20dari%20Sistem%20Informasi%20Pengelolaan,tersebut%20adalah%20sampah%20sisa%20makanan.

インドネシアにおける食品廃棄物の割合

以下は、インドネシア96地区/都市で排出される廃棄物の中の食品廃棄物の割合を示したグラフです。

出典:databoksa Komposisi Sampah dari 96 Kabupaten/Kota Indonesia Berdasarkan Jenis (2023)
を基に弊社作成(2024年4月29日)
https://www.cnbcindonesia.com/research/20240123154427-128-508350/darurat-sampah-makanan-orang-ri-tembus-ratusan-triliun

グラフの青色が食品廃棄物の割合で、グラフからわかるように、食品廃棄物の割合が一番多くなっています。その次にプラスチック、金属、紙、布と続きます。

インドネシアにおける食品廃棄物の発生元

以下は食品廃棄物の割合です。

出典:Good Stats Sumber Sampah Makanan Terbanyak di Indonesia
を基に弊社作成(2024年4月29日)
https://www.cnbcindonesia.com/research/20240123154427-128-508350/darurat-sampah-makanan-orang-ri-tembus-ratusan-triliun

上図より、食品廃棄物の約64%が家庭から発生しています。

飲食店や市場などの事業者から発生する廃棄物よりも家庭から発生する廃棄物が多いということがわかります。

インドネシアの家庭における食品廃棄物について

家庭で発生する食品廃棄物の種類として多いのは、米、じゃがいも、トウモロコシでなどの主食が全体の約41%を占めています。

続いて、肉、魚、卵、豆腐、テンペなどの副菜が34.4%で、野菜、果物と続きます。

また、家庭で排出された食品廃棄物を堆肥として活用する割合は、廃棄量のわずか10%となります。

参考WEBサイト:https://databoks.katadata.co.id/datapublish/2024/03/26/41-sampah-indonesia-berupa-sisa-makanan

食品廃棄物がインドネシア社会に与える影響

インドネシアでは、食品廃棄により年間約231〜551兆ルピア(約2兆〜5兆円)の損失を引き起こしています。この損失額はインドネシアのGDPの4〜5%に相当します。

また、この食品廃棄量分で、人口の30〜40%の食料を確保することができます。

このような経済的な損失だけでなく、食品廃棄は温室効果ガスの排出量も増やすことになります。

過去20年間でインドネシアの食品廃棄物を処理するために発生した温室効果ガスは、1.7ギガトン(17億トン)に達しました。

世界的にも食品廃棄物の処理で排出される温室効果ガスが問題となっており、世界全体で排出される温室効果ガスの約8%を占めています。

温室効果ガスの排出により地球温暖化が進行すると、インドネシアだけではなく世界各国に影響を与えかねません。

食品廃棄物の問題はインドネシア経済にも、地球環境にも影響を与える重大な問題であると言えます。

参考WEBサイト:https://goodstats.id/article/sektor-rumah-tangga-penyumbang-sampah-makanan-terbesar-di-indonesia-vyZqy
https://losszero.jp/blogs/column/col_024

今回のコラムでは、インドネシアの食品廃棄物についてご紹介しました。

人口が増加し続けているインドネシアにおける食品廃棄物の問題は、インドネシア経済だけでなく、環境汚染にも繋がる問題であることがわかりました。

インドネシアの廃棄物問題をはじめとし、インドネシアの環境問題についてご興味のある企業様、お気軽にお問い合わせください。

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