【コラム】痛風に効果的なインドネシアのハーブ8選

現代社会では、偏った食生活や運動不足などの生活習慣が原因となり、高尿酸血症や痛風の患者が世界的に増加し続けています。一般的に、尿酸値が高い人には、高プリン体含有食品を避け、水、お茶、無塩無糖の野菜ジュース、低脂肪牛乳など乳製品、ブラックコーヒーなどの摂取が推奨されていますが、これらはあくまでも水分補給や尿酸の排出を目的としたものに過ぎません。

一方、伝統療法が受け継がれているインドネシアには、痛風の症状緩和・治療に実際に用いられており、かつ簡単に手に入れることの出来るハーブがあります。

今回のコラムでは、痛風治療に効果的なインドネシアの8つのハーブについて詳しくご紹介いたします。

目次

高尿酸血症と痛風

痛風は高尿酸血症が原因となって引き起こされる病気のことです。厚生労働省によると、日本の痛風患者数は推定約125万人、痛風予備軍に当たる高尿酸血症患者数は1,000万人を超えると考えられています。

・高尿酸血症(Hyperuricemia):

特徴: 血液中の尿酸濃度が通常よりも高い状態のこと。
原因: 遺伝的な要因、食事、アルコール摂取、肥満、腎機能の低下など。

・痛風(Gout):

特徴: 高尿酸血症の状態が続き、尿酸の結晶が関節や周辺組織に堆積することによって引き起こされる炎症性関節症の一形態。通常、大量の尿酸が血液中に蓄積し、関節などの部位に尿酸結晶が沈着し、突発的な激しい痛みや腫れを引き起こす。
原因: 過剰な尿酸の摂取、代謝異常、または腎機能の低下など。

(以下、本コラムでは高尿酸血症も痛風に統一)

痛風に効果的なインドネシアのハーブ8選

伝統療法が重んじられているインドネシアでは、簡単に手に入る身近なハーブを使った煎じ薬が痛風の予防や症状緩和に用いられています。一方、薬や他のハーブとの飲み合わせに注意が必要な場合もあるため、服用する前に医療機関に相談することが推奨されています。

1. ゴボウ(Akar ketela Jepang)

ゴボウには尿酸を減少させる天然成分や抗酸化物質が豊富に含まれており、痛風や変形性関節症などの関節の炎症を抑える働きがあります。ゴボウは消化から解毒まで、万能な漢方薬として様々な症状の治療にも使われており、インドネシアでは主に煎じ薬として好まれています。

2. ショウガ(Jahe)

ショウガには抗炎症作用と抗酸化作用があり、痛風だけでなく、変形性関節症や関節リウマチの人の炎症を抑えるのに役立つといわれています。これらの効能の多くは、ショウガ独自の主な活性化合物であるジンゲロール、ジンゲロン、ショウゴオールに起因しています。インドネシアでは、ショウガを煎じたり、飲み物にショウガパウダーを加えたりするのが一般的です。

3. ハイビスカス(Bunga kembang sepatu)

ハイビスカスは、インドネシアの民家の庭先によく咲いており、古くから漢方薬として用いられてきました。ハイビスカスの花には抗痛風作用があると考えられており、動物実験ではハイビスカスの煮汁が尿酸値を下げ痛風の症状を緩和したという結果が報告されています。ハイビスカスは煎じ薬だけでなく、エキスやお茶、サプリメントなど様々な形で手に入れることができるのも魅力です。

4. ウコン(Kunyit)

インド発祥のアーユルヴェーダ医学では、ウコンには多くの健康効果があると考えられています。成分の一つであるクルクミンは、ウコンに含まれる有効成分で、日本でも栄養ドリンク剤などに用いられています。クルクミンには尿酸値を有意に下げる作用はありませんが、痛風を含む関節炎の症状を和らげる効果があり、治療薬にも用いられています。

5. コリアンダーの葉(Daun ketumbar)

コリアンダー(パクチー)の葉には、血清クレアチニン値と尿酸値を下げる優れた特性があり、痛風による炎症の影響を抑えることができると言われています。更にコリアンダーの葉には食物繊維、ビタミンC、ビタミンK、鉄分、マンガン、マグネシウムが豊富に含まれており、インドネシアでは栄養素をより効果的に摂取できる煎じ薬が好まれています。

6. マンゴーの葉(Daun mangga)

マンゴーの葉には、尿酸の原因となるプリン体の吸収を抑制する成分が含まれています。それだけでなく、マンゴーの葉にはビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ポリフェノールも含まれています。甘くて美味しい果実ばかりが注目されがちなマンゴーですが、尿酸値を下げる効果がある葉にも、注目が高まっています。

7. パンノキの葉(Daun sukun)

パンノキは日本ではあまり馴染みのない南国原産のフルーツです。その光沢のある大きな葉にはビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、カルシウム、リン、鉄、ポリフェノールの一種であるフラボノイド、βシトステロールが含まれています。中でもフラボノイドの含有量は尿酸値を下げるのに有用な高さであると言われています。

8. アボカドの葉(Daun alpukat)

インドネシアではジュースやスムージーとして親しまれているアボカドですが、実はアボカドの葉にはサポニン、アルカロイド、ポリフェノール、ケルセチンなどの体内の尿酸値を下げるのに役立つ成分が含まれています。日本では輸入品のため比較的高価なイメージですが、インドネシアはアジアトップのアボカド原産地のため、比較的手頃な価格で手に入れることができるのも、アボカドの葉が有効活用されている理由の一つです。

今回のコラムでは、尿酸値の低下や炎症抑制効果が注目され、インドネシアで痛風の症状緩和及び治療に用いられているハーブについてご紹介いたしました。これらはいずれもインドネシアの気候に適しており、手頃な価格で栽培できるものばかりです。

インドネシアはその豊富な天然資源と長い歴史から、多くの伝統療法が残る国です。伝統療法は身体への負担が比較的少なく、痛風患者に限らず、健康維持のためにこうしたハーブを取り入れる潮流も見られています。日本で商品化されているものはまだ少ないため、トレンドを逃さず、是非この機会にインドネシアのハーブをビジネスに活かしてみてはいかがでしょうか。

弊社インドネシア総合研究所では、インドネシア・日本間の輸出入においても豊富な経験がございます。ご関心をお持ちの方は是非お気軽にお問い合わせくださいませ。

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