【コラム】インドネシア国家医薬品食品監督庁BPOMの登録方法②サプリメント編

2023年4月7日2023年4月9日

インドネシア国家医薬品食品監督庁BPOMについて複数回にわたる連載の第1回目のコラムでは、インドネシアで化粧品を販売する場合に必要な登録手続きについてご紹介いたしました。詳しくは前回紹介させていただきましたコラム「インドネシア国家医薬品食品監督庁BPOMの登録方法①化粧品編」もご覧ください。連載第2回目の本コラムでは、インドネシアでサプリメントを販売するためのBPOM登録手続きに必要な書類や準備等をご紹介いたします。

BPOMとは

まず、BPOMについておさらいをしていきましょう。BPOMは、インドネシアの加工食品、化粧品、医薬品などの流通における安全管理の役割を担う主要政府組織です。インドネシアで商品を販売するためには、外国製・自国製を問わず、BPOM(Badan Pengawas Obat dan Makanan)と呼ばれる国家医薬品食品監督庁の販売許可を得ることが必要です。

登録対象となる商品カレゴリは、医薬品、伝統医薬品、化粧品、健康補助食品(サプリメント)、食品の5つです。医薬品とは西洋薬のことで、人工的に化学合成された物質を調合した新薬のことです。伝統医薬品とは、天然由来の材料を調合した漢方薬のことで、インドネシアの伝統的なハーブ飲料である「jamu(ジャムゥ)」がその代表例です。ジャムゥについては、こちらのコラム「効能たっぷり！インドネシアの伝統的な飲み物『ジャムゥ』を知ろう」にて詳しく紹介致しておりますので、こちらのコラムも是非ご覧くださいませ。

BPOMの登録に必要な書類が揃ってから登録完了までにかかる期間は、その商品カテゴリによって異なります。食品と化粧品は比較的早く、何れも2~3ヶ月ほどです。サプリメントの場合は6~12ヶ月、一般用医薬品や伝統的な医薬品では6~12ヶ月、医療用医薬品の場合は12ヶ月以上が登録のために平均的に要する期間となっています。

サプリメントのBPOM登録方法

では、BPOM登録にはどのような書類が必要となるのでしょうか。本コラムでは、弊社にお寄せいただくBPOM登録のご相談の中で二番目に多い、サプリメントカテゴリの商品を日本企業がインドネシア現地企業を通じて販売する場合を例にご紹介いたします。

■製造を担う（日本）企業が用意する書類
1．委任状(PoA)
2．自由販売証明書(CFS)
3．適正製造基準(GMP)証明書
4．検査報告書
5．医薬品処方
6．製造工程
7．原材料の品質確認方法
8．完成品の品質確認方法
9．包装材仕様
10. 毒性試験(必要な場合)
11. 製品の効能・販売文句の有効性を実証するデータ
12. 包装のデザイン
13. 製品サンプル

■販売を担う（インドネシア）企業が用意する書類
1．事業者識別番号(NIB)
2．インドネシア認定試験所での試験

上記の書類は、それぞれ記載しなければならない事項や、実験方法・条件等の規定が非常に細かく定められているほか、インドネシア大使館や公証役場にて認証を必要とするのもあり、また全て英語もしくはインドネシア語で作成することが求められています。また、上記の必要書類については現時点のものであり、BPOMにより随時変更が行われる可能性があることを留意しておく必要があります。

図1 サプリメントのBPOMコード(弊社作成)

サプリメントの場合、BPOM登録された商品には、2桁の英字と9桁の番号が割り当てられます。それぞれの英数字が示す情報は図1の通りです。実際にインドネシアのECサイトやドラッグストア等で広く販売されている下の写真の商品を例に取ると、この商品はインドネシア産であり、2007年にBPOMに登録されたと言うことが分かります。

サプリメントのBPOMコードの例（「POM SI. 074326061」と記載）

本連載にてご紹介致しましたBPOM登録に必要となる書類一覧は、BPOM当局のホームページ等でもご覧頂けますが、インドネシア国内に流通する製品の安全管理徹底のために規則が厳しくなっており、必要書類の一覧表を見るだけでは揃えることが大変難しく、各書類の記載の仕方や実験の条件などに正確性が求められます。更に、日本語の書類は認められておらず、全ての書類を英語もしくはインドネシア語にて書類を作成する必要があるため、専門家のサポートを受けながら申請準備を進めていくことを強くお勧めしております。弊社インドネシア総合研究所では、前回紹介させて頂いた化粧品、今回紹介させて頂いたサプリメント、そして食品のBPOM認可取得においても豊富な経験を有しております。

弊社が行っているBPOM申請サポートサービスは、BPOM専門家でもある現地アドバイザーによるチェック及びフィードバックを介しながら、日本の企業の皆様の一つ一つの書類作成において、木目細かいフォローをさせて頂いております。インドネシア事情やBPOMに精通した弊社スタッフによるサポートは、皆様のスムーズなBPOM登録のために大きく寄与できるものであると存じます。インドネシアへのBPOＭ登録を必要とする商品販売（輸出）をご検討中の日本企業の皆様、是非弊社インドネシア総合研究所へお気軽にお問い合わせくださいませ。

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