【たばこの値段と喫煙率】インドネシアのたばこ産業が買収されるメリット

インドネシア喫煙

インドネシアの喫煙率は世界的に見ても多く、またたばこが安く購入できるという認識を持っている人は多いと思います。

最近、JTがインドネシアのたばこ会社を買収するという報道がありましたが、インドネシアにとって良いことなのでしょうか?

今回は、『インドネシアのたばこ産業』についてまとめました。

目次

インドネシアのたばこの値段

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世界的なたばこメーカーのマルボロの値段を、各国で比較しました。

マルボロは、日本では460円で購入できますが、インドネシアでは日本円に換算すると166円で購入できます。

日本のおよそ1/3の値段ですね。

インドネシアの男性の喫煙率

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引用: globalnote.jp

インドネシアでは、至るところでたばこを楽しんでいる人を見ることができます。

そこで男性の喫煙率を調べたところ、76%もの人が喫煙していることがわかりました。

インドネシアの喫煙率は、他の東南アジア各国と比較しても非常に多いということがわかります。

イスラム教のたばこの認識

  • イスラム教では、たばこはハラムではないため禁止されていない。
  • イスラム教では、たばこ自体は植物由来のため使用すること勧めている。
  • イスラム教では、喫煙による周りに迷惑をかけることは禁止しているが、インドネシアでは周りに迷惑をかけているという認識が薄い。
  • イスラム教では、身体に害となるものを使用することを禁止しているが、インドネシアではたばこが健康に害となる認識が少ない。

 

イスラム教では、お酒は飲んではいけないという決まりがありますが、たばこについては禁止されていません。

ただイスラム教が国教のブルネイでは、『たばこは周りに迷惑をかけ、健康に害となるので、使用しないように。』と、金曜日の礼拝で説いているようです。またブルネイでは、国内でのたばこの販売は禁止されています。

つまり同じイスラム教でも、国が変われば、たばこに対する認識は変わるということがわかります。

JTによる現地のクレテックたばこ会社を買収

日本たばこ産業(JT)は4日、インドネシアのたばこメーカーと流通・販売会社を6億7700万ドル(約745億円)で取得することで合意したと発表した。純有利子負債を含めた取得価格は総額10億ドル。同国のたばこ市場でのプレゼンス拡大を図るのが狙いだという。

発表資料によると今回取得するのはジャワ島内に9つの製造拠点を持つカリヤディビア・マハディカ(KDM)と、同社製品の流通と販売を担うスーリヤ・ムスティカ・ヌサンタラ(SMNグループ)。両社の発行済み全株式を取得する。2017年10-12月期に手続きを完了させる予定だ。KDMはたばこ葉にクローブを混ぜた「クレテックたばこ」を生産している。

JTは買収によるインドネシア市場での製造を含めたサプライチェーン獲得を通じ、同市場への本格参入が可能となるとしている。JTの岩井睦雄副社長は、この買収が東南アジアでの同社初の大型買収案件だとし、「同地域において、さらなる事業基盤を獲得する絶好の機会」との見解を示した。同社はこのほか、フィリピンのマイティーとも製造・流通関連資産の買収に向けて協議を続けている。

英調査会社のユーロモニターによると、インドネシアのたばこ市場の規模は今年、前年比で微減の3110億本になる見通し。JTの資料によると、KDMのインドネシア内でのシェアは2.2%で、同国ではクレテックたばこが市場全体の94%を占めている。

引用: bloomberg

2017年8月4日、JTがインドネシアの現地のクレテックたばこ会社を、約745億円で買収したと、bloombergが報じました。

インドネシアのたばこ業界のメリット

JTが現地のクレテックたばこ会社を買収した目的は大きく3点あげられます。

  1. 日本のたばこ規制が厳格化され、健康志向の上昇などのため、日本のたばこの売上が減少している。
  2. インドネシアは、成人男性の喫煙率が世界1位、消費量は世界第2位という巨大なマーケットである。
  3. クレテックたばこの市場を狙いたい。

インドネシアのたばこ業界は、フィリップ・モリス社によるPT HM SAMPOROENAの全株式取得、JTによるPT. GUDANG GARAMの買収といった海外企業が相次いでインドネシア企業を買収しています。

この売却により、インドネシアは外国資本の取得や、海外大手企業の参入で市場拡大が見込めます。

ただ一方で、たばこの製造が機械化され従業員の削減により失業が増える可能性や、たばこの増産によりたばこ人口がさらに増える懸念もあります。

インドネシアのたばこ規制

インドネシアのたばこ規制には以下のようなものがあります。

  • 禁煙の場所で喫煙すると禁固刑(2009年)
  • たばこの無料サンプルの配布禁止(2012年)
  • たばこのテレビCM放送時間は21:30 – 05:00の間に限定(2012年)
  • たばこ製品のディスプレイの仕方が決められている(2012年)
  • たばこのラベル/パッケージにたばこのリスクを記載すること(2013年:保健省)
  • 自動販売機によるたばこの販売禁止(2012年)
  • 18歳以下、妊婦への販売を禁止(2012年)

インドネシアではモールや駅といった公共の場、医療福祉施設内、教育施設、モスク等の宗教施設、オフィス、公共交通機関内といった場では原則禁煙とされています。

インドネシアのたばこ規制については、『インドネシアのたばこ規制』で詳しく解説しています。

インドネシアのたばこ業界の情報

インドネシアのたばこ

インドネシアの喫煙率の高さから、たばこに関する問い合わせをいただくことがあります。

インドネシア総研では、2017年9月に『インドネシアのたばこ産業の展望』というセミナーを開催しましたが、インドネシアでも『電子たばこ』が流行るのか?といった注目している企業もいらっしゃいます。

インドネシア総研では、業界のキーマンとのパイプを活かし、様々な情報やノウハウがあります。

インドネシアの製造や流通ついて、気になることがございましたら、お気軽に相談ください。

株式会社インドネシア総合研究所
お問い合わせフォーム
Tel: 03-5302-1260

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