【コラム】インドネシアにおけるスタートアップ企業の発展2024年

2024年1月時点で、インドネシアには2,562社を超えるスタートアップが存在し、ASEAN諸国の中で最も多い国となっています。

今回のコラムでは、インドネシアのスタートアップ企業についての、2024年最新版の情報をお届けします。

参考WEサイト:https://disway.id/read/830575/indonesia-tempati-posisi-6-dunia-jumlah-startup-terbanyak-dukung-pengembangan-di-sektor-digital-dan-fintech#:~:text=Data%20itu%20lebih%20dari%202.562,ekosistem%20startup%20di%20Tanah%20Air.

目次

インドネシアのユニコーン企業(2024年)

インドネシアのスタートアップ企業数は年々増加しており、現在、世界で6番目に多い国となっています。2024年6月時点では、インドネシアには評価額10億ドル以上の未上場企業「ユニコーン企業」が約20社存在しています。

その中でも、 2024年3月に米国の調査会社CB Insightsが記録する、世界的なユニコーン企業リストに含まれている、インドネシアのスタートアップ企業は以下の通りです。

 企業名創業年業種評価額
1Traveloka2012年オンライン旅行予約サービス30億ドル
2Akulaku2017年ネットバンキング20億ドル
3eFishery2013年養殖IoT13億ドル
4DANA2017年デジタル金融サービス11億3,000万ドル
5Xendit2015年フィンテック10億ドル
6Ajaib2019年オンライン投資プラットフォーム10 億ドル
7Kopi Kenangan2017年飲食10億ドル

参考WEBサイト:https://uzone.id/7-startup-indonesia-masuk-daftar-unicorn-global-2024-apa-saja-

2023年には8社がユニコーン企業に選ばれていましたが、2024年は1社減少し、7社となりました。2021年以降では、eFisheryとDANAが新たにユニコーン企業の仲間入りを果たしています。

eFisheryは、漁業分野で自動給餌システムを提供し、魚やエビの養殖を支援するスタートアップです。

一方、DANAはインドネシアのデジタル金融サービス企業で、電子マネーやデジタルウォレット、送金、公共料金の支払い機能を提供しています。

参考WEBサイト:https://jakartaglobe.id/tech/eight-indonesian-startups-achieve-unicorn-status-on-cb-insights-list
https://efishery.com/en/company

今後注目すべきインドネシアのスタートアップ企業

世界最大級のビジネスSNSであるLinkedInは、インドネシアで急成長中のスタートアップ企業2024年版を発表しました。選出基準は以下の通りです。

  • 求職者の関心の高さ
  • 会社と従業員の関係性
  • インドネシア本社にある会社である
  • フルタイムの従業員が30名以上いる
  • 創業5年以下である

注目のスタートアップ企業

MySkill(2021年〜)

ジャカルタに本社を置く、Ed tech(教育テクノロジー)のスタートアップ企業です。

主に学生や新卒者向けに、就職に繋がるスキルを学べるオンライン学習を提供しています。

プログラミングやエクセル、英語、データ分析など900以上の講座や実践的なトレーニング、履歴書添削のサービスが特徴です。

参考WEBサイト:https://myskill.id/

TOMORO COFFEE(2022年〜)

ジャカルタに本社を置く、コーヒーチェーンのスタートアップ企業です。

わずか2年でインドネシア国内600店舗に加え、中国、フィリピン、シンガポールにも展開しています。

アプリによるオンライン注文・店舗受け取りサービスも好評で、ユーザー数は250万人を超えました。2024年には1,000店舗達成を目指しています。

参考WEBサイト:https://www.tomoro-coffee.com/home

SawitPRO(2023年〜)

ジャカルタに本社を置く、農業テクノロジー企業です。

主に、パーム油産業のデジタル化に特化したサービスを提供しています。

農家がオンラインで専門家に相談できるサービスや、遠隔でプランテーションを管理するシステムを提供しています。

世界最大のパーム油生産国であるインドネシアの小規模農家にとって、重要な支援企業となりつつあります。

参考WEBサイト:https://www.sawitpro.com/
https://www.thejakartapost.com/front-row/2024/09/03/sawitpro-lifts-smallholder-productivity-through-dokter-sawit-educational-platform.html

Dealls(2020年〜)

ジャカルタに本社を置く、求人ポータルサイトを運営するスタートアップ企業です。

3,500以上の優良企業の求人を提供しています。

1対1でキャリア相談アドバイザーにアドバイスを受けることができたり、優先的に採用担当に求人情報を提供してもらえるサービスを提供しています。

参考サイト:https://dealls.com/about

インドネシアでは、様々な分野において注目すべきスタートアップ企業が生まれていることがわかります。

参考WEBサイト:https://www.linkedin.com/pulse/linkedin-top-startups-2024-10-perusahaan-indonesia-kyvic

新型コロナウイルスの影響で倒産したインドネシアのスタートアップ企業

上述のように、成功しているスタートアップ企業ばかりではなく、倒産した企業も多くあります。

以下は新型コロナウイルスの影響で、インドネシアで倒産したスタートアップ企業の一部です。

Uang Teman

融資プラットフォームで最大2,000万ドルの資金調達に成功しましたが、運営コストの増加により新型コロナウイルスを機に、従業員の給料や税金、保険料が払えなくなってしまいました。

AiryRooms

会員向けに格安ホテルを提供するスタートアップ企業でしたが、新型コロナウイルスの影響で旅行需要がなくなり倒産を余儀なくされました。

Stoqo

中小規模、大規模の飲食店に食材を供給するBtoB向けのスタートアップ企業です。2017年の設立以来、中小規模の多くの飲食店を支えてきましたが、新型コロナウイルスの影響で、倒産しました。

これらのスタートアップ企業は、投資家からの資金に頼りすぎてしまっており、新型コロナウイルスで資金繰りが上手くいかなくなったことが倒産の原因として挙げられます。

参考WEBサイト:https://store2go.co.id/blog/contoh-8-startup-yang-gagal-merintis-di-indonesia

今回のコラムでは、インドネシアにおける最新のスタートアップ企業についてご紹介しました。

人口ボーナス期で、若者のパワーがあるインドネシアにおいて、今後も新たなスタートアップ企業の活躍には目が離せません。

また、新たなビジネスモデルに触れる機会としても、インドネシアのスタートアップ企業については今後も注視していきたいところです。

弊社インドネシア総合研究所では、様々な分野における皆様のインドネシアビジネスをサポート致します。

これらインドネシアに関わる弊社サービスにご興味がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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