【コラム】インドネシアの椰子殻由来の炭に秘めた可能性②

インドネシアの椰子殻由来の木炭(チャコール)は高密度、高カロリーなので少量でもよく燃える旨をお伝えしました。(詳しくは弊社コラム「【コラム】インドネシアの椰子殻由来の炭に秘めた可能性①」をご覧ください。) インドネシアのココナッツについて複数回にわたる連載の第2回目の本コラムでは、SDGsの観点から、インドネシアの椰子殻由来の炭に秘めた可能性をご紹介します。

SDGsとは

はじめに、SDGsについて簡単にご説明します。SDGsとは持続可能な開発目標の英語表記「Sustainable Development Goals」の頭文字を取ったもので、2015年9月25日の国連総会で採択されました。17の世界的目標、169の達成基準、232の指標から成り立っています。17の世界的目標は以下のようなロゴにまとめられています。

(出典:https://www.unic.or.jp/files/sdg_poster_ja_2021.jpg)

流通過程のどの段階でSDGsに貢献できるか

このインドネシアの椰子殻由来の木炭(チャコール)をユーザーに供給する事業の流通過程を大まかにまとめると以下のようになります。

  1. ココナッツの収穫
  2. 殻を炭にする
  3. 工場に運ぶ
  4. ハンマーで粉砕し、水やタピオカと混ぜる
  5. 固める
  6. 専用の箱に詰め商品化
  7. 仲介者・販売会社を通じた購入者への商品供給(含む海外貿易)

インドネシアの椰子殻由来の木炭(チャコール)は、かつてはゴミとして扱われていた椰子殻が原料になります。ゴミであった材料を原料とする事でゴミの削減に貢献できます。これは前項のSDGs17目標のうち12番「つくる責任、つかう責任」に該当します。その他「②殻を炭にする」の段階で、ココナッツ農家が椰子殻を焼いて炭にするので、ココナッツの収穫以外にも収入が増えます。

これはSDGs17目標の1番「貧困をなくそう」に該当します。また、「③工場に運ぶ」では搬入先の工場でCO2排出量も管理しています。その工場では女性も働いており、女性の雇用も創出できます。女性も長期的に働ける環境はSDGs17目標の11番「住み続けられるまちづくりを」に該当します。

この様にゴミとして扱われていた椰子殻を転用して生産されるこのビジネスは特にゴミの削減と貧困層や女性の雇用吸収等、SGDsへの貢献度の高いビジネスです。

インドネシアの椰子殻由来の炭はブルーオーシャン

実は、インドネシアの椰子殻由来の炭ビジネスはまだブローカー(仲介業者)が多く存在せず、海外マーケットを含め充実してサプライチェーンは発展途上の段階と言えるでしょう。今後はこの商品の販路拡大は更なる事業拡大が見込めるブルーオーシャンの魅力ある事業です。

また、椰子殻由来の炭の燃焼温度は水たばこ(シーシャ)に最適です。他の原料由来の炭よりも、低温を保ったまま長く安定して燃焼し、炭や煙の臭いが少ないため、水たばこの味が良くなるそうです。そして、日本には900軒近いシーシャ店舗があるそうです。 

参考サイト
https://cloud-jp.net/coco-charcoal-merit/
https://shisha-navi.jp/media-list/about-coast/media-list-987/
https://shisha-suitai.com/

次回コラムでは、椰子殻由来の炭のビジネス利用に関する具体的な数字についてご紹介する予定です。

弊社では、インドネシアの様々な分野の調査やサポートを行っております。
インドネシアビジネスのあらゆる分野の調査のご依頼・進出支援その他様々なお悩みにつきまして皆様のご期待に添えるサポートをさせて頂きます。いつでもお気軽にお問合せ下さい。

株式会社インドネシア総合研究所
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Tel: 03-5302-1260

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