【コラム】インドネシアの農産物最新データ②果物編

インドネシアといえば、屋外のマーケット等に並ぶカラフルなトロピカルフルーツが思い浮かぶ方が多いのでなはいでしょうか。インドネシア統計局(BPS)が毎年発行している「Statistik Hortikultura (園芸統計)」の2021年版よると、多数ある果物の中でも特に国の園芸生産に大きく貢献している果物は、バナナ、ドリアン、オレンジ、マンゴー、パイナップル、マンゴスチン等です。

今回のコラムでは特に生産量の多いバナナ、ドリアン、マンゴーの3品目の生産及び貿易動向についてご紹介させていただきます。以前ご紹介させて頂きましたコラム「インドネシアの農産物最新データ①野菜編」では、野菜の生産及び貿易動向について詳しくご紹介しておりますので、是非こちらもご覧ください。

バナナ

2021年のインドネシアのバナナ生産量は874万トンに達し、2020年比で6.82%増加しました。インドネシアではバナナ消費の47.7%が家庭用消費で、その量は2021年に239万トンに達し、2020年に比べ33.81%も増加しています。

バナナの生産量が多い州は、中部ジャワ州、東ジャワ州、スマトラ島南端に位置するランプン州の3 州です。中部ジャワ州は、生産量 205万トン、バナナの収穫が可能な果樹数は2,252万株で、国の総生産量の約23.44%を占めています。続いて東ジャワ州は生産量 が165万トン、有効果樹数が2216万株で、総生産量の約18.87%です。ランプン州の生産量は112万トン、有効果樹数は1249万株、総生産量の約12.85%です。つまり、インドネシア全体におけるバナナの半数以上が、この3州で生産されています。

インドネシアにおけるバナナの生産量と家庭用消費の推移(弊社作成)

そしてインドネシアではバナナの輸出が盛んに行われています。2021年のバナナの輸出額は2020年比7.78%(44万ドル)上昇し、609万ドルでした。2021年度時点でのインドネシアのバナナの主な輸出相手国は、マレーシアが241万ドル(7,300トン)、日本が116万ドル(2,070トン)、シンガポールが65万ドル(948トン)です。

輸出とは対照的に、2021年時点の輸入額は、2020年比なんと99.72%(11,210ドル)減少し、僅か31ドルでした。つまりインドネシアでは外国産バナナ輸入は殆ど行われておらず、以前は僅か1万トン程あった輸入もほぼなくなり、インドネシアのバナナ市場はほぼ100%自給自足が成り立っているという事が言えます。

つまりバナナに関しては他国からの輸入に頼る必要が殆どないと考えられるのではないでしょうか。

インドネシアにおけるバナナの輸出入の構図(弊社作成)

ドリアン

2021年のインドネシアのドリアン生産量は135万トンで、2020年の生産量から19.4%増加したことが報告されました。2021年ドリアンの家庭用消費割合は大幅に減少し、全消費量に占める割合は約1.19%でした。2021年のドリアンの家庭用消費量は99,310トンと、2020年の消費量に比べ84.34%の減少と大きな変化がみられました。

以前は生産量の約半分程度が国内家庭で消費されていたドリアンが2021年からは海外への輸出等他のルートに流通している事がわかります。

また、インドネシアのドリアンはその品種が300種類以上あり、タイ:約100種類、マレーシア:約100種類と比較すると品種の多さも特筆すべきことです。

ドリアンの生産量が最も多い州は、東ジャワ州、西スマトラ州、中央ジャワ州の3州です。東ジャワ州は、生産量275,320トン、ドリアンの収穫が可能な果樹数162万株で、国のドリアン総生産量の約20.35%を占めています。続く西スマトラ州は、生産量170,710トン、果樹数634,720株で、総生産量にしめる割合は約 12.62%です。中央ジャワ州は生産量159,200トン、果樹数129万株で、総生産量に占める割合は約11.77%です。

インドネシアにおけるドリアンの生産量と家庭用消費の推移(弊社作成)

インドネシアのドリアンは、バナナと同様に輸出が輸入を圧倒的に上回っています。そしてマーケットに並ぶドリアンは殆どが国産です。

2021年のドリアンの輸出額は、149,000ドルと、2020年比35.58%(82,440ドル)減少しました。2021年におけるインドネシア産ドリアンの主な輸出相手国は、マレーシアが80,970ドル(36トン)、シンガポールが26,720ドル(5トン)、オランダが22.930ドル(3トン)です。

また僅かではありますが、バナナ同様、2021年の輸入額は1,167ドル(0.24トン)で、2020年比99.54% (250,96ドル)と大幅に減少しました。そして最大の輸出相手国であるマレーシアが唯一の輸入相手国でもあります。

インドネシアにおけるドリアンの輸出入の構図(弊社作成)

マンゴー

インドネシアにおける2021年のマンゴー生産量は284万トンで、2020年比2.17%減少しました。インドネシアにおけるマンゴーは、上記で述べたバナナやドリアンと同様に、家庭用消費が全体消費に占める割合は僅か3.70%です。そんな2021年のマンゴー家庭消費量は145,780トンと、2020年の消費量から5.94%減となりました。

マンゴーの生産量が多いのは東ジャワ州、中央ジャワ州、西ジャワ州です。東ジャワ州は、生産量119万トン、マンゴーの収穫が可能な果樹数1049万株で、国の総生産量の約42.07%です。続いて中央ジャワ州は生産量467,670トン、有効果樹数477万株で総生産量の16.14%です。

また、西ジャワ州は生産量444,070トン、有効果樹数363万株で総生産量の約15.66%です。この3州でインドネシア全体の73.87%、即ち凡そ4分の3ほどのマンゴーが生産されています。

インドネシアにおけるマンゴーの生産量と家庭用消費の推移(弊社作成)

インドネシアのマンゴーは、バナナやドリアンと異なり、輸入と輸出ともに同程度の規模で行われています。
2021年のマンゴーの輸出額は456万ドルと、2020年比0.52%(23,790ドル)減となりました。インドネシア産マンゴーの主な輸出先と輸出額は、シンガポールが118万ドル(625.7トン)、カナダが5795,770ドル(482.36トン)、アメリカが636,110ドル(584.01トン)です。

2021年のマンゴーの輸入額は421万ドルと、輸出をやや下回り、2020年比では2.39%(103,430ドル)の減少となりました。マンゴーの主な輸入相手国と輸入額は、中国が117万ドル(771.65トン)、アラブ首長国連邦が950,200ドル(813.16トン)、イタリアが610,100ドル(54.3トン)です。

インドネシアにおけるマンゴーの輸出入の構図(弊社作成)

今回のコラムでは、BPSの最新のデータから、インドネシアにおける果物3品目:バナナ、ドリアン、マンゴーの近年の生産量の変動及び輸出入についてご紹介させて頂きましたが、如何でしたでしょうか。今後続けて薬用植物、観葉植物などの園芸品についても詳しくご紹介させて頂きますので、是非そちらもご覧くださいませ。

インドネシアを代表するトロピカルフルーツは日本でも人気の高い食品です。弊社インドネシア総合研究所では、法人・個人を問わず、日本へのインドネシア製商品やインドネシアの食品の輸入及び販売のサポートをさせて頂いております。直近では、チャコールやチレンブイモなどの実績がございます。

その他ハチミツやチョコレートも扱っております。このインドネシアのチョコレートは小さな箱に詰めて企業様のノベルティーとしてご利用頂くことも可能です。是非企業様独自のネーム入りのチョコレートを作ってみては如何でしょうか?

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株式会社インドネシア総合研究所
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Tel: 03-6804-6702

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