【コラム】インドネシア人の英語力

インドネシアでは、インドネシア語が公用語として使われており、その他800もの地方言語が存在し日々家庭内で使用されています。

「BHINNEKA TUNGGAL IKA(多様性の中の統一)」という国是を掲げるインドネシアでは、幼少期からバイリンガルやトリリンガルという人が殆どで、1つの言語しか話さないという人はごく稀です。

インドネシアで使用されている言語については昨年10月に掲載させていただきました「【コラム】インドネシアで使用されている言語について」においても紹介しております。

そんなインドネシアですが、ビジネスや教育では英語も多く使用されているのをご存知でしょうか。

インドネシア都市部のエリート層やビジネスマン、名門大学へ通う学生などは、他の国から来た人々と商談や議論をするのに充分な英語能力を持っています。

今回のコラムでは、世界ランキングから見たインドネシア全体の英語力をご紹介いたします。

世界的な語学教育企業であるEF Education Firstは、2021年版英語能力指数(EPI)レポートを発表しました。英語を母国語としない国(非英語圏)の成人を対象に、受験者の英語力測定テストから英語力データを標準化・客観化したものがEPIレポートです。

最新の2021年のレポートでは、インドネシアは112カ国中80位となり、2020年より6ランクダウンしていることが明らかになりました。EPIスコアの世界平均は503点ですが、インドネシアは466点と、平均を下回る結果となりました。2020年の453点から僅かにスコアは上昇したものの、2021年もインドネシアは英語力において低位に留まっています。

アジアの国々のEPIランキング(インドネシア語版)
(https://www.ef.com/wwen/epi/)

それでは、アジアの他の国々と比べてみると、インドネシアの英語力はどの程度なのでしょうか。

EPIレポートに含まれるアジア24ヶ国中、第1位はシンガポールで(世界4位)、EPIスコアは635点と、「習熟度が非常に高い」と言えます。続いてフィリピン、マレーシアがアジアランキング2位と3位(其々世界18位、28位)と続き、何れも英語力の面では「高い習熟度」の国に分類されています。一方インドネシアはアジア地域で14位と、同じ東南アジアの上述の国々にやや劣る結果となりました。

また、日本はインドネシアに2点の差で一つ上位にランクインし、世界78位、アジア13位という結果になりました。

本コラム冒頭で触れたように、ジャカルタ等の都市部に住むエリート層や富裕層は、初等教育から高等教育まで国際的な環境で英語を学べる環境にあるほか、一般的な家庭出身でも国内の優秀な大学に通う学生は質の高い教育へのアクセスが可能です。

そのため、私達日本人が留学やビジネスで関わるインドネシアの人々は英語力が高いという印象を受け易いと言えます。一方で、地方や離島に住む人々や貧困層の人々等は、質の高い英語教育へのアクセスが不十分なため、インドネシア全体のデータを見ると、英語力が世界的に低いという結果になるものと考えられます。

グローバル化が進む現在、英語は世界中で約25億人もの人が話す言語です。特にインドネシアの様に人口ボーナスの大きい国では、英語を使いこなすことが経済的発展に大きく寄与するのは間違いありません。また、インドネシアでビジネスを展開する際には、日本人の企業家の方々も今後増々英語でのコミュニケーションが欠かせないものとなることが予想されます。

弊社インドネシア総合研究所では、言語や現地コミュニケーションを含め、皆様のインドネシア進出をサポートさせていただきます。ご関心をお持ちの方は是非お気軽にお問い合わせくださいませ。

株式会社インドネシア総合研究所
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Tel: 03-6804-6702

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