【コラム】インドネシアの教育系スタートアップ2022年

近年、インドネシアではパソコン・スマートフォンの利用率が急速に拡大し、多くのスタートアップがデジタルでのサービスを展開しています。教育は必要不可欠な分野であることから、インドネシアでも数多くの教育系スタートアップが誕生し、市場は拡大しつつあります。
また、新型コロナウイルスのパンデミックにより、教育分野においても在宅学習・遠隔学習システムが必要不可欠となり、インドネシアにおいてもオンライン教育の需要は更に高まっています。

今回のコラムでは、インドネシアにおいて広く知られている教育系スタートアップをご紹介します。
以下は、インドネシアにおける教育系スタートアップの知名度を示すグラフです。

出典:Databoks WEBサイトより弊社作成
https://databoks.katadata.co.id/datapublish/2022/06/03/survei-ruangguru-startup-edukasi-paling-populer-di-indonesia
(調査対象:インドネシア在住の18~35歳の男女890人)

特にRuangguruとZeniusの知名度が大変高いことがわかります。
インドネシアではスタートアップ企業は年々増加し、スタートアップ企業が目覚ましい活躍を遂げており、中には評価額が10億USドルを超えるユニコーン企業や100億USドルを超えるデカコーン企業も存在します。今回上位2位に入ったRuangguruとZeniusは、インドネシアにおける次のユニコーン企業になると予測されています。

以下は、インドネシアで知名度の高い教育系スタートアップとその特徴やサービス内容についてです。

1.Ruangguru

(画像:Ruangguru公式WEBサイトより)
https://www.ruangguru.com/

Ruangguruは2014年に設立され、現在では2200万人以上のユーザーを抱えています。
100以上の分野でサービスを提供する30万人の講師が登録しています。

Ruangguruは、パソコンやスマートフォンからアクセスができ、講師によるチュートリアルやアニメーションを通じて学校のカリキュラムに基づく学習プラットフォームを提供しています。
インドネシア34州のうち32州政府、並びに326の市/地区政府と提携しており、Ruangguruは、インドネシア全土の学生がいつでもどこでもテクノロジーを通じて質の高い教育にアクセスできることを使命とし、またインドネシアの教師に雇用とさらなる収入を生み出して教師の質を高めることも目指しています。
教科は学校で学ぶ教科に加え、音楽、スポーツ、外国語などが学べます。対象は小学生~高校生です。

目安料金:250.000ルピア/月~

2.Zenius

(画像:Zenius公式WEBサイトより)
https://www.zenius.net/

Ruangguruに続いて高い知名度を獲得したのはZeniusです。ZeniusもRuangguruと同じく学生向けのオンライン学習サービスを提供しており、今年2月にはインドネシアで知名度の高い学習塾Primagamaを買収しました。Zeniusは2024年までに各地区/都市に1つの学習塾の展開を目標としています。
Zeniusは2007年に設立され、元々はオフラインの個別指導塾として事業を展開していました。Zeniusは、2021年までにWEBサイトとアプリケーションの登録者数が2000万人に達しています。

料金目安:165.000ルピア/月~

3.Arkademi

(画像:Arkademi公式WEBサイトより)
https://arkademi.com/

Arkademiは2017年に設立され、社会人向けオンライン学習サービスを提供しています。Arkademiでは、職業認定コースが用意されており、キャリアアップやより良い仕事のためのスキルアップに役立ちます。
Arkademiはインドネシア国内の100以上の学校、認可されたトレーニングセンター、専門の認定機関と提携しており、経験豊富なインストラクターによる高品質な講義を受講することができます。
受講できるコースは、金融や言語、PRなどビジネス関連から、イラストや写真、音楽など非常に多岐にわたります。

料金目安;35.000ルピア/セッション~

4.Pahamify

(画像:Pahamify公式WEBサイトより)
https://pahamify.com/

Pahamifyは、主に高校生向けのオンライン学習コンテンツを提供しています。今年7月からは中学生向けのコンテンツも提供開始となりました。
Pahamifyは、運営会社であるPT Pahami Cipta EdukasiのCEOを務めるSyarif Rousyan Fikri氏と、共同設立者であり現CPOでもあるMohammad Ikhsan氏によってYouTubeチャンネル「Rain Question Marks」として2016年にスタートしました。

同チャンネルでは若者向けに主に科学技術に関する情報をわかりやすく解説するコンテンツが配信されました。その後、2018年に法人を設立し、Pahamifyのアプリケーションは、インドネシアでも最初の学生向け教育系アプリの一つとして2019年に正式にローンチしました。2020年時点でアプリダウンロードは100万件を超えています。
Fikri氏はインドネシアのトップ大学であるバンドン工科大学に15歳で入学し、19歳で卒業しています。

料金目安;69.000ルピア/月~

5.Cakap

(画像:Cakap公式WEBサイトより)
https://cakap.com/

Cakapは、インドネシアにおけるオンラインでの英語・中国語学習サービスのパイオニアであり、インドネシアで最初にオンライン双方向学習サービスを取り入れた教育系スタートアップの一つでもあります。Cakapのサービスでは、時間や場所に縛られず講師と生徒をマッチングさせ、リアルタイムで学習することができます
Cakapでは、英語、北京語、日本語、インドネシア語を学習することができます。

料金目安;30.000ルピア/セッション~

6.HarukaEdu

(画像:Pintar公式WEBサイトより)
https://pintar.co/

HarukaEduは、当時大学講師だったCEOのNovistiar Rustandi氏、CFOのTovan Krisdianto、そしてGerald Ariff氏の3人によって2014年に設立されました。
HarukaEduは2022年5月にサービス「Pintaria」を「Pintar」としてリブランディングしています。

Pintarは、インドネシアの労働年齢のすべての人々の雇用機会を増やすためのオンライン教育サービスです。Pintarでは、仕事のスキルを向上させるための短期コース、より幅広いキャリアのための学部プログラム、およびより高度な職種・企業やコミュニティ向けのHRトレーニングをサービスとして提供しています。

料金目安:250.000ルピア~

7.Hacktiv8

(画像:Hacktiv8公式WEBサイトより)
https://www.hacktiv8.com/

Hacktiv8は、2016年に設立されたインドネシアで最初のJavascriptコーディングブートキャンプです。
Hacktiv8が他のサービスと異なる点は、JavaScriptプログラミング学習プログラムに焦点をあてており、12~18週で初心者でもプログラムを習得できるコースが提供されていることです。初心者でもコーディングの専門家になれるよう、デジタル人材の教育に重点を置いています。

Hacktiv8は、所得分配契約制度を導入したインドネシアで最初の教育機関でもあります。この制度により、生徒は卒業後に給与の一部を一定期間Hacktiv8側に支払う契約を結ぶことでプログラムを無料で学ぶことが可能です。

料金目安;4.500.000ルピア~

8.Gredu

(画像:Gredu公式WEBサイトより)
https://gredu.asia/

Greduは2016年に開始したサービスで、学校の情報システムをデジタル化するためのソフトウェアを展開しており、現在はインドネシア国内の400以上の学校と契約、400,000人以上のユーザーに利用されています。
インドネシアでは多くの人が連絡手段としてコミュニケーションアプリWhatsppを使用しておりますが、それは教育関係でも例外ではありません。校内でのやり取り、保護者と教師のやり取りにおいて多くの人がWhatsappでそれぞれのグループを立ち上げるため、連絡ミスや混乱が生じることがあります。

Greduは、シラバス、教育スケジュール、保護者や生徒とのコミュニケーションなど、管理者と教師がすべてのタスクを管理できるようなシステムとなっています。
プラットフォームには次のような主要な4つの部門があります。Gredu School Management Systemは管理者向けのページ、Gredu Teacherでは教師が生徒の出席状況の確認や試験の作成、採点などを行います。Gredu Parentでは、保護者が子供の成績を確認し、教師とやり取りをすることが可能です。Gredu Studentでは、生徒は自分のテストの点数や出席記録の確認、学校の活動を調べることができます。

参考:
https://goodstats.id/article/8-startup-edukasi-paling-populer-di-indonesia-q1-2022-pB6NP

オンライン学習ツールは一般的な塾に通うよりも金銭面でも安くなる傾向にあるため、インドネシアでは今非常に人気を集めています。

冒頭で述べた通り、特に新型コロナウイルス感染拡大による在宅学習が後押しし、オンライン教育はインドネシアで広く普及し、教育系スタートアップは徐々に人気を集めています。
弊社では、教育を含む様々な分野でインドネシアへの進出サポート、調査などを行っております。ご興味がある方はお気軽にお問合せください。

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株式会社インドネシア総合研究所
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