【コラム】GenY・GenX世代の利用が増加するインドネシアのEC

インドネシアでも徐々に市場を拡大しているECですが、デジタル機器を使いこなすGenZの若者による利用が印象強いのではないでしょうか。

しかし意外なことに、2021年のインドネシアにおけるオンラインショッピング取引件数の割合が最も高いのはGenY、即ち26~35歳の消費者層であったことが明らかになりました。

また、2020年から2021年にかけて、GenYとGen Xに跨る年齢層、即ち36歳~45歳の消費者層による取引件数が最も高い上昇率を記録したことも報告されています。今回のコラムでは、インドネシアにおける年齢層別EC利用の実態についてご紹介いたします。

インドネシアのEC市場については先日掲載させて頂きました「【コラム】インドネシアのEC市場(2020-2021)」でも詳しくご紹介しておりますので、是非ご覧ください。

インドネシアのEC年齢層別取引割合
(https://katadata.co.id/perilaku-ecommerce-2022)

インドネシアのデータ会社Katadata Insight Centreと電子決済サービス会社Kredivoの調査によると、2021年にオンラインショッピング取引件数のうち最も高い割合を占めたのは、26~35歳の消費者層であったことが明らかになりました。この層は2020年と2021年共に全体の48%と高い割合を占めています。

一方、次に高い割合を占める18~25歳の消費者層の取引件数は、2020年の29%から2021年には23%と減少したことが分かりました。これに対し、36歳~45歳の消費者層による取引件数は2020年の19%から23%とへと増加しています。このことから、インドネシアにおけるECではGenY(26~35歳)が最大規模のユーザーであり、GenY/Gen X(36歳~45歳) による利用が上昇傾向にあります。


Katadata Insight Centreの代表Adek M. Roza氏は、GenY/Gen X による取引件数の増加は、比較的年齢層が上の同世代がECに信頼を寄せ始め、若い世代に比べIT利用に不慣れであったこの世代の人々が徐々にオンラインショッピングに慣れたことを表していると述べました。

GenZやGenYの若い世代に比べ、Gen Xに近い世代やそれより上の世代はデジタルプラットフォームに適応しにくい傾向があるため、GenY/Gen X による取引件数が2021年に入ってから上昇傾向に転じたことも納得の結果ということが出来ます。GenY/Gen Xの消費者層から支持を受けたEC事業者の特徴には、様々な支払い方法があり、其々のユーザーが自分に合った方法で決済を行うことが出来ることが挙げられます。

実際に、インドネシアのECでは、銀行振り込み、電子マネー、クレジットカード、BNPL(後払い決済)など、多種多様な支払い方法が利用可能となっています。


続いてRoza氏は、比較的年齢層が上のGenY/Gen Xの消費者のショッピングのパターンについて、この世代は2つ以上の異なるECプラットフォームで買い物をすることを好む傾向にあることを報告しました。同氏は、この世代の消費者は好奇心やチャレンジ精神旺盛で、あるECサイトを通じて取引を行った後、ECの利便性を感じ他のECサイト及びプラットフォームも利用してみようという発想に至るのではないかと分析しています。

また、インドネシアのECにおいてGenZ、GenY、GenXどの世代でも人気が高い商品はコンピューターや電子機器といった製品ですが、一般的に年齢層が高くなるにつれ所得が高くなるため、消費者層別の取引件数や取引金額が年齢に比例し、今回の調査結果に繋がったことも推測されています。


また、経済法研究センター(CELIOS)代表で経済学者のBhima Yudhistira氏は、比較的年齢層が上のGenY/Gen Xの消費者層のEC利用増加は、新型コロナウイルス感染症の流行時に、ECに手を出しただけの若者(GenZ)とその親(GenY/Gen X)との間の知識の移転に起因するものだと分析しています。

新型コロナウイルス感染症の流行に伴い外出が減り、家族でのコミュニケーションが増えたことで、以前からGenY/Gen XがECでの買い物に対し抱えていたシステムの安全性、カスタマーサービス、配送等における信頼性の問題が解決され、同世代による高額な取引件数増加に繋がったということです。

更に、現在はGenY/Gen Xの消費者が実店舗をウィンドウショッピングとして利用し、気に入った商品をECで購入するという、オフライン店舗とオンライン店舗の間の機能の転換が起きているともYudhistira氏は述べています。


今回のコラムでは、インドネシアのECについて年齢層別取引件数に着目し近年の傾向を見てきましたが、如何でしたでしょうか。今後のインドネシアのEC市場において、GenY/Gen Xの消費者層による消費がさらに拡大していく可能性が高いことは明らかで、今後インドネシアでECを使った販路拡大を行う際には同消費者層をターゲットにしたマーケティング戦略が成功のカギになると考えられます。

弊社インドネシア総合研究所では、ECを通じた日本製品のテストマーケティングや物販のアドバイザリーサービスもご提供しております。併せてSNSや動画アプリ更にはインフルエンサーを使い、皆様の商品の露出度を圧倒的に上げ、インドネシアでの皆様の商品の販路の爆発的な拡大をお手伝い致します。

首都ジャカルタにもオフィスを持つ弊社では、インドネシアの最新トレンドや傾向を踏まえた最適なサポートが可能でございます。インドネシアにおける販路拡大をお考えの企業家の皆様、是非お気軽に弊社インドネシア総合研究所までお問い合わせください。

株式会社インドネシア総合研究所
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