【コラム】パンデミック禍でのインドネシアのハラール商品市場における化粧品の動向
世界最大のムスリム人口を抱えるインドネシアは、食品から化粧品に至るまで、ハラール製品の世界最大の消費国です。ハラール化粧品においても同様に、その消費額は約5761億円でインドに次いで世界第2位であり、非常に大きな市場であることが分かります。ハラール化粧品は数あるハラール製品のなかでも新型コロナウイルス感染症のパンデミック禍のインドネシアにおいて唯一消費額が減少しなかった品目です。
今回のコラムでは、そんなインドネシアのハラール化粧品市場の動向についてご紹介いたします。
世界のハラール化粧品消費国トップ5(2020年)
インドネシアのハラール化粧品市場の規模
Dinar Standardによって行われた調査によると、インドネシアにおけるハラール化粧品の消費額は2020年に約5761億円に達し、世界2位であったことが明らかになりました。このDinar Standardとは、イスラム教徒の多い国や地域を対象とした、ハラール製品やイスラム金融に関するリサーチ・アドバイザリー専門企業です。
今回の調査では、世界最大のハラール化粧品消費国は、その消費額が8084億円に達したインドでした。第3位は消費額が5044億円のバングラデシュ、そして第4位と第5位は、其々604億円の消費額のマレーシアとロシアでした。ハラール化粧品の世界消費額は、2020年に8兆9338億円に達しており、そのうち東南アジアにおけるハラール化粧品の消費は、インドネシア産の化粧品ブランドに支えられ、右肩上がりのプラス成長が続いています。
パンデミックによる変化
新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、世界の殆どの地域において多くの製品やサービスの消費が落ち込んだことは皆様もご存じのことでしょう。一方で、Dinar Standardの調査によると、インドネシアのハラール製品が2019年から2020年にかけてほぼ全ての品目で消費額の減少を記録したなかで、ハラール化粧品のみがプラス成長を記録したことが明らかになりました。消費額が減少した品目は、其々ハラール食品・飲料部門は6.44%減、ハラールファッション部門も4.99%減、ハラール医薬品部門は4.29%減等といった結果が報告されています。
これに対しハラール化粧品は0.71%の成長を記録し、上述の通りその消費額は約5761億円に達し世界第2位となりました。パンデミック禍において、マスクの着用や在宅勤務の増加等の新たな習慣から発生した需要の変化を受け、インドネシアのハラール化粧品業界では、肌の健康を考慮した化粧品の開発のほか、アイメイクに力を入れたマーケティング戦略により、依然として多くの消費者を獲得しているものと考えられます。インドネシアの化粧品業界の動向については、2020年11月に掲載させていただきました「【コラム】インドネシアにおける化粧品業界の動向」においても詳しく紹介しておりますので、是非ご覧ください。
まとめ
Dinar Standardは、ハラール化粧品の世界消費額は2025年までに38兆6639億円に増加すると予測しています。これは、2020年の水準対比53%増です。世界最大のムスリム人口を抱え、世界第2位のハラール化粧品消費大国であるインドネシアは、今後も世界のハラール化粧品業界を先導していくことでしょう。インドネシアでは、化粧品を始めとする日本製品は「質の高いブランド」として人気が出やすいため、日本企業によるハラール化粧品開発とインドネシア市場への参入は大きなチャンスを秘めているビジネスではないでしょうか。また、日本のグローバル化に伴い在日ムスリム人口の増加も予測されており、弊社インドネシア総合研究所は日本へのハラール化粧品の輸入及び販売も将来性が高い分野であると考えております。
インドネシアのこの様なハラール商品の輸入にご興味をお持ちの皆様、是非一度弊社までお問合せ下さいませ。
また弊社ではその他にもインドネシアの特徴ある商品の輸入サポートも行っております。インドネシア産のチャコールやはちみつについては以前のコラムでも紹介させて頂いています。こちらです⇒「【コラム】インドネシアの椰子殻由来の炭に秘めた可能性」「【コラム】上質で独特な味わいのインドネシアのはちみつについて」、是非一度ご覧くださいませ。
その他、弊社インドネシア総合研究所では、インドネシアにおける物品販売許可(BPOM)の取得申請や、テストマーケティングによる販路拡大のサポートまで幅広いサービスをご提供しております。インドネシアへビジネスの展開をご検討されている企業家の皆様、是非お気軽に弊社インドネシア総合研究所までお問い合わせください。
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