【コラム】インドネシアで消費量減少?即席麺の今を探る

即席麺は、インドネシアで多くの人から親しまれている食品の一つです。
1つ約15円という安価さと、インドネシアを訪れた多くの外国人も虜になるほどの美味しさから、とても人気があります。
幅広い世代から親しまれており、また、屋台や食堂などのメニューにありますので、外食として注文することも一般的です。そのため、依然として即席麺の消費量は世界第2位と、かなり多いです。
しかしながら、実は即席麺の消費量がここ数年、毎年減少を続けていることはご存知でしょうか。
インドネシアにおける即席麺の消費量推移
出典:世界ラーメン協会(WINA)、「インスタントラーメンの世界総需要」より弊社作成(閲覧日:2019年7月19日)
https://instantnoodles.org/jp/noodles/market.html
過去コラムで何度かご紹介をさせて頂きましたが、インドネシアでは近年人々の健康志向が高まりつつあります。
この健康志向の高まりにより運動はもちろん食べ物にも気を付ける人が増えていますが、それも即席麺の消費量減少の要因の一つと考えられるのではないでしょうか。
コラムでも以前ご紹介しましたが、2018年インドネシアにおいて健康に関連するワードの検索が増加するなど近年インドネシアにおける健康ブームは広がりつつあります。
https://www.indonesiasoken.com/news/column-kenkouishikitointernet/
それでも人気がある即席麺
上述の通り、近年インドネシアにおける即席麺の消費量は減少を続けていますが、世界ラーメン協会によると、インドネシアの即席麺の需要量は中国に次いで世界第二位です。
2017年のインドネシアの即席麺消費量はなんと126億食を越えています。
ちなみに、日本は世界第三位ですが、同年の消費量は56.6億食でインドネシアの2分の1以下でした。
参考:世界ラーメン協会 (WINA)ホームページ
インドネシアが誇る即席麺ブランド
インドネシアの即席麺は、Indofood社の「インドミー(IndoMie)」が圧倒的なシェアを誇っており、世界展開も盛んです。
次いでWings Indonesia社の「ミースダップ(Mi Sedaap)」が後を追っています。
2016年の即席麺のシェア調査では、Indofood社が70.7%、Wings Indonesia社が17.2%でした。両社とも10種類以上の味を揃えており、全てハラルで提供されています。
参考:Katadata.co.id. 2017 Jan 30. “Indofood Kuasai 71% Pasar Mi Instan Indonesia.”
https://databoks.katadata.co.id/datapublish/2017/01/30/indofood-kuasai-71-pasar-mi-instan-indonesia
外食でも即席麺
インドネシアでは家庭だけではなく、ワルン(簡素な食堂、屋台)やカンティン(学校などの食堂)でも即席麺が提供されており、外食でも即席麺を食べる文化があります。
お店で即席麺を頼むと、卵や野菜などがトッピングされて出てくることが多いです。
“健康”な即席麺
健康は気遣っているが即席麺を食べたいという方のために、“健康”な即席麺も販売されて
います。例えば2017年に登場したLemoniloの即席麺です。
即席麺の麺は、通常油で揚げて水分を飛ばしますが、この製品は油で揚げずにオーブンで製造されています。
その他、着色料や防腐剤も利用しておらず、更にグルテンの含有量も少ないとのことで、健康を気にしている人々には嬉しいポイントが多い商品となっています。
その分、販売価格はRp.6.000~と一般的な即席麺の倍以上と値段ですが、インドネシアですでに注目を集めています。
参照 https://www.lemonilo.com/product/lemonilo-mie-kuah-instan-alami-rasa-ayam-bawang
今後、インドネシアの即席麺の消費量は減少の一途をたどるのでしょうか?それとも新たな商品の登場やマーケティングにより消費量は再び増加するのでしょうか?
弊社はインドネシアにおける市場調査の実績が豊富にございますので、ご興味がある方はぜひお気軽にお問合せください。
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