【コラム】法人設立の方法が変わりました!OSSの仕組みについて解説!
2018年7月9日に、事業用許認可統合電子システム(Online Single Submission (以下、OSS))がインドネシア政府によって正式に導入されました。
OSS導入によって期待されることは、既に前記事にてご紹介しております。詳しくはこちら。
OSS導入から2ヶ月が過ぎました。しかしながら、レバラン明けに突然導入されたという経緯からも、いまだ混乱が生じており、インドネシアに進出している日系企業様から様々なお問い合わせを頂いております。
今回はOSSの仕組みについてまとめたものをご紹介します。
OSSの仕組み
BKPM東京HPより引用
①インドネシアの投資庁と言われるBKPMへ投資登録、②公証人による定款の作成と証書化、③法務人権省による承認の全てが完了した後、④各関係機関から許認可をもらうという仕組みでした。
①公証人による定款の作成と証書化、②法務人権省による承認、③OSSによる手続きと、1つの機関が事業許認可を発行する、シンプルでわかりやすい仕組みに変更されました。
何が変わったのか
①必要許可が「先に」発行されるようになった
旧メカニズムでは必要事項の充足後、各機関から許認可が発行されていましたが、これからはコミットに基づき必要許可が「先に」発行されるようになりました。許可をもらった後、コミットに基づき要件を充足します。
②1つの申請書式、1度の申請で許可が取れるようになった
旧メカニズムでは、各省ごとに許可が発行されており、また様式が異なっていたため、それぞれの省ごとに時間と労力がかかっておりました。新メカニズムになったことにより、1つの許可書式、1度の申請で済むようになっています。
OSSで発行される許認可の種類
登録NIB(事業基本番号) | 会社のID |
会社登録証(TDP) | |
輸出入ライセンス(API)*1 | |
通関アクセス権(NIK)*2 | |
外国人雇用契約書(RPTKA)*3 | |
立地許可(Izin Locasi) | |
建設許可(IMB) | |
環境許可(Izin Lingkugan) | UKL/UPL、AMDAL |
事業許可(Izin Usaha) | |
営業許可(Izin Komersial ・Operasional) |
既に許可を取得している企業は、新たに取得する必要はありません。
新システムのメリットとして、システム上で証書の確認・印刷ができるようになりました。
*1.2 2018年9月現在、税関がこのNIBをAPIやNIKとして認めていない為、手続が滞ってしまっている状況です。
*3 2018年9月現在、まだ実際の発行には至っていないので注意が必要。
登録から許可取得の流れ
①投資家がOSSへ登録し、ID/パスワードを取得
②OSSがNIBを発行
③コミットメントに基づき事業許可発行
④営業許可取得 *必要な事業の場合のみ
⑤手数料の支払い *必要な場合のみ
⑥投資家は事業許可、営業許可のコミットメントの充足
OSSは始まったものの・・・
OSSは現在「データの統合を目指している」との事ですので、もしかするとまだリンクされていない情報が多くあるのではと弊社では推測しております。
「役所からの連絡が滞っている」、「申請したけどシステムの進捗がない」という場合にはOSSのヘルプデスクへの問い合わせが可能です。または、BKPMでも対応を行っているとのこと。
弊社は代表がインドネシア商工会議所 日本委員会 投資部門長に就任しましたことで、今後様々な分野で日本企業のインドネシア進出のお手伝いができると考えております。
もし解決できない事案があるなど、お困りのことがございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。
株式会社インドネシア総合研究所
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