【コラム】インドネシアの海洋水産と消費

インドネシアは1万3,000以上の島を有する島しょ国です。そのため、インドネシアでは海洋面積が約70%、陸地面積が約30%と海洋面積の方が広く、非常に広大な排他的経済水域を有しており、その面積は世界で3位となっています。

ジョコウィ大統領は「海洋国家構想」を打ち出し、海洋資源の活用、海洋インフラの整備、防衛、造船・観光業の振興などを推進策として掲げています。

今回のコラムでは、活発化が期待される分野の一つであるインドネシアの漁業についてご紹介いたします。

 

海洋生産物の収穫量

インドネシアは広い海に囲まれており、従って海洋水産物の収穫量も世界で中国に次ぐ2位となっています。

出典:FAO, The State of World Fisheries and Aquaculture 2018より弊社作成(閲覧:2019年4月12日)http://www.fao.org/3/i9540en/I9540EN.pdf

 

上のグラフに示したデータは全ての海洋生産物の収穫量の総量ですが、インドネシアの魚の収穫量のみで見た場合、近年は増加傾向にあります。

出典:インドネシア海洋・水産省、「インドネシアの漁業の動向2018」より弊社作成(閲覧:2019年3月25日)
https://kkp.go.id/wp-content/uploads/2018/01/KKP-Dirjen-PDSPKP-FMB-Kominfo-19-Januari-2018.pdf

 

海洋生産物の消費量

魚の収穫量は毎年増加していますが、インドネシアの国民による魚の消費量も毎年増加傾向があり、インドネシア海洋・水産省によると、特に海に近い地方は魚の消費量が多くなるそうです。

 

出典:インドネシア海洋・水産省「インドネシアの漁業の動向2018」より弊社作成(閲覧:2019年4月12日)
https://kkp.go.id/wp-content/uploads/2018/01/KKP-Dirjen-PDSPKP-FMB-Kominfo-19-Januari-2018.pdf

 

インドネシア海洋・水産省によると、2018年のインドネシア国民の魚の消費量の平均は、1人当たり50.69 kgであると報告されています。

また、2019年の魚の消費量は1人当たり54.49kgに達すると推定されています。首都ジャカルタだけで見ると、2019年の魚の平均消費量は一人当たり42.98kg/年、2019年は46.20kg/年と予測されています。

この目標は、栄養価の高い食品への需要の増大とともに達成されると予想されています。

出典:インドネシア海洋・水産省「Image Baru Pasar Ikan di Pasar Ikan Modern(PIM),Muara baru(新港のイメージ)」より(閲覧:2019年4月12日)
https://kkp.go.id/djpdspkp/artikel/9555-image-baru-pasar-ikan-di-pasar-ikan-modern-pim-muara-baru

 

スシ海洋水産大臣は自身のツイッターアカウントでインドネシア国民に以下のようなメッセージを伝えました。

“Ayo makan ikan, makan ikan sehat, tidak makan ikan saya tenggelamkan.”
(さぁ魚を食べましょう、魚を食べると健康ですよ。食べないと魚は海に沈んでしまいます)

https://twitter.com/susipudjiastuti/status/1051124864491212801 (閲覧日:2019年4月12日)

 

ちなみに、スシ海洋水産大臣の「海に沈む」という言葉にピンと来た方もいらっしゃるかもしれませんが、スシ氏は海洋水産大臣を務めて以来、2014年~2019までインドネシアの領海に侵入した約500隻の違法漁船を沈没させていることでも有名ですね。

 

インドネシア政府は、大統領令第44号(2016年)において、「漁業部門」への外国からの投資を制限しており、この政策を通じてインドネシアの人々が手頃な価格で魚を入手することができるようになることが期待されています。

「水産加工部門」は依然として外国からの投資が開放されていますが、インドネシア政府としては、国内の加工産業の発展も促し、政府は海洋生産物のみでなく水産物加工産業の輸出を伸ばしていきたい意向です。

 

いかがでしょうか。インドネシアは大統領選挙を目前に控え今後の動向が注目されており、ジョコウィ大統領が掲げる「海洋国家」政策もその一つだと言えるでしょう。

弊社はインドネシアの漁港の視察や、インドネシア海洋水産省への訪問・意見交換など同国の漁業・水産業分野でも実績がございます。

https://www.indonesiasoken.com/news/ministry-of-maritime-fisheries/

インドネシアの水産業についてご興味がある方はぜひお気軽にご連絡ください。

 

株式会社インドネシア総合研究所
お問い合わせフォーム
Tel: 03-5302-1260

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