【人材の宝庫インドネシアレポート①】技能実習生の基本情報とインドネシア人受け入れのメリット

日本では、農業や建設、縫製などの分野において、ベトナム、中国、インドネシアなどから技能実習生を受け入れています。私たちが普段食べている野菜や肉などの食品、洋服や下着などは技能実習生の働きによって支えられています。少子高齢化が進む日本においては、将来的に深刻な労働力の不足が懸念されており、海外からの労働力に頼る必要性が高まっています。本レポートでは、海外からの技能実習生の受け入れをご検討されている方に向けて、インドネシア人の技能実習生の情報や送り出し機関、弊社が提供する研修プログラムなどに関わるレポートをシリーズでお伝えいたします。

https://unsplash.com/ja/%E5%86%99%E7%9C%9F/EJU7A__krX0

技能実習生受け入れの必要性―労働力不足

(単位:万人)

(出典:弊社資料より引用)

パーソル総合研究所の調査によると、2030年の日本では労働需要7073万人に対して6429万人の労働供給しか見込むことができず、644万人の労働力不足が生じる可能性があるとされています。サービス業の労働力不足は特に深刻であり、そのほかに医療・福祉業、卸売・小売業、製造業における労働力不足が進行すると予測されています。このような事情から、海外からの労働力受入を検討する事業者も増えています。その点、インドネシアは人口の中央値が28.8歳と若く、2045年までに人口が3億1800万人を超えると予測されています。また、経済成長も著しく、2050年までに世界第4位の経済大国になるとも言われています。本レポートでは「若い」技能実習生送り出し国としてインドネシアの魅力についてもお伝えいたします。

技能実習生制度の歴史と現状

【技能実習生制度の歴史】
技能実習生制度は、1960年代後半頃から実施されていた大企業の現地法人などの社員研修が評価され、1993年に制度化されたものです。当初は「研修」の在留資格で1年間技術を習得し、その後の1年は「特定活動」で技術を向上させるという2段階のステップアップが行われる制度でした。制度開始の黎明期においては、この在留資格「研修」が技能実習生にとって負担となっていました。研修であるという名目上、各種労働法規の保護の対象となっておらず、賃金面などで課題がありました。2010年に「技能実習」の在留資格が創設されると、労働者として仕事に従事できるようになり、各種労働法規の保護対象になり、社会保険なども適用されるようになりました。また、2017年には在留資格「技能実習3号」が整備され、優良な監理団体および実習実施機関は最大5年の受け入れが可能となり、受け入れ枠の拡大も認められるようになりました。

参考:http://www.econ.kobe-u.ac.jp/activity/graduate/pdf/331.pdf
https://www.jitco.or.jp/ja/regulation/

【技能実習生受け入れの状況】

(出典:外国人技能実習機構「令和3年度外国人技能実習機構業務統計 概要」より弊社作成)

技能実習生の受け入れ職種は、建設、食品製造、機械・金属などの製造業系の職種の割合が多くを占めています。外国人技能実習機構の統計によると、令和3年度の技能実習生の男女比は、男性が57.8%、女性が42.2%となっており、男性の方が多く、特に建設や機械・金属などは男性が中心であると考えられます。

(出典:外国人技能実習機構「令和3年度外国人技能実習機構業務統計 概要」より弊社作成)

国籍・地域別では、ベトナム、中国、インドネシアの順となっており、東南アジア諸国や中国からの受け入れが中心となっています。インドネシア人技能実習生は昨年度の法務省の統計によると、2万5007人が日本に滞在しています。

インドネシア人技能実習生の特徴とメリット

【インドネシア人技能実習生の受け入れ状況】
インドネシアからの技能実習生は現在2万5000人程度が日本に滞在しており、日本への技能実習生送り出し国としてインドネシアは第3位です。厚生労働省発表の2020年の「外国人雇用状況」によると、国籍別ではインドネシア人の労働者は対前年の増加率が第3位であり、日本におけるインドネシア人労働者の増加率も顕著です。新規入国者数は毎年右肩上がりであり、日本の労働需要を鑑みると今後も増加することが見込まれます。

(出典:外国人技能実習機構「令和3年度外国人技能実習機構業務統計 概要」より弊社作成)

インドネシア人技能実習生の受け入れ先事業所における主な職種は建設、機械・金属、農業、食品製造など製造業が中心となっています。そのほか、サービス業や介護福祉などの職種でもインドネシア人の受け入れが活発化しており、今後も増加が見込まれます。

【インドネシア人技能実習生の受け入れ事業所の所在地】

順位 都道府県
第1位 愛知県(7.8%)
第2位 茨城県(7.1%)
第3位 埼玉県(5.6%)
第4位 静岡県(4.8%)
第5位 神奈川県(4.7%)

(出典:外国人技能実習機構「令和3年度外国人技能実習機構業務統計 概要」より弊社作成)

インドネシア人技能実習生の主な受け入れ先は愛知、茨城、埼玉となっています。愛知県で技能実習をするインドネシア人の職種は機械・金属が多く、茨城県では農業、埼玉県では建設関係の割合が多いです。

参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_16279.html
https://www.otit.go.jp/files/user/docs/%EF%BC%88%E4%BF%AE%E6%AD%A3%EF%BC%89%E4%BB%A4%E5%92%8C%EF%BC%93%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E6%A6%82%E8%A6%81%EF%BC%88%E6%A5%AD%E5%8B%99%E7%B5%B1%E8%A8%88%EF%BC%89.pdf

【インドネシア人技能実習生の特徴】

https://unsplash.com/ja/%E5%86%99%E7%9C%9F/pC16vUGYCL4

特徴① 親日国で日本への関心が高い
インドネシアでは、「ワンピース」や「ドラえもん」などの日本のアニメや「おしん」などのドラマが放送されたり、AKB48などのアイドルグループに人気があることから日本のポップカルチャーに触れる機会が多いです。また、自動車や家電製品なども日本製品を好む人々が多いです。このように日常的に日本文化や日本製品に触れる機会が多いことから、親日感情が強い人々が多いです。

特徴② 楽観的で温厚
個々人の性格による差異はありますが、インドネシア人は一般的にのんびりしていて小さなことを気にしない性格であると言われています。イスラム教の信仰などもあり、人々との争いは好まず穏便に済ませたいという人が多いのも特徴です。しかしながら、仕事においては「のんびりした性格」は日本の職場では任せた仕事の遅延等、注意が必要で、定期的に催促することも必要です。

特徴③ 信仰心が強い
インドネシア人はイスラム教徒が多いため、豚肉やアルコールを含む食品や製品に触れることができません。また、決まった時間に礼拝をする必要があります。信仰の強さには個人差がありますが、インドネシアで雇用する職場では食品に含まれる材料・成分や礼拝時間への配慮をする必要があります。

参考:https://samurai-law.com/ginojishu/con05/
https://honichi.com/news/2020/03/12/indonesiaxjapan/#indonesiaxjapan-3-1
https://www.indonesiasoken.com/news/about-japanese-anime/
https://itba.jp/indonesian/#:~:text=%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%8D%E3%82%B7%E3%82%A2%E4%BA%BA%E3%81%AF%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA,%E8%A1%8C%E3%81%86%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%8C%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

【インドネシア人技能実習生の受け入れのメリット】

https://unsplash.com/ja/%E5%86%99%E7%9C%9F/azA1hLbjBBo

メリット① 多言語を学習するスキルの高さ
インドネシアは群島国家で多民族国家であることから、言語的な多様性も高く、民族言語、インドネシア語、英語の習得を並行して行っています。そのような背景から、多言語を習得する能力に長けています。また、日本文化や日本語に触れる機会も多く、高校では日本語を学習することもできるため、日本語を学習する人が多いです。国際交流基金の2021年度の調査結果によると、インドネシアにおける日本語学習者の数は71万1732人で、中国に次いで日本語学習者が世界で2番目に多い国となっています。

メリット② 他民族の文化への理解力・適応能力の高さ
1つ目のメリットとも関係しますが、インドネシアは多民族国家であることから、日常的に文化を相互理解し、それらに適応することに慣れています。日本語学習者数も多いことから、日本での生活への適応スピードも速いと言えます。法務省の統計によると、インドネシア人の技能実習生の失踪者数の割合は全体のわずか3%でした。インドネシア人の日本生活への適応力の高さは大きなメリットであるといえます。

(出典:法務省「技能実習生の失踪者数の推移」より弊社作成)

参考:https://www.jpf.go.jp/j/about/press/2022/dl/2022-023-02.pdf?
https://samurai-law.com/ginojishu/con05/
https://www.moj.go.jp/isa/content/001362001.pdf

https://pixabay.com/id/photos/mempekerjakan-pengerahan-pekerjaan-5801916/

本レポートでは、技能実習生制度の概要と、インドネシア人技能実習生の特徴と受け入れのメリットをご紹介いたしました。人口の中央値が28歳と若く、人口の継続的な増加が予測されているインドネシアから人材を受け入れることは、将来的な日本の労働供給の不足に対する安心材料となりえます。また、インドネシア人技能実習生は日本への関心が高く、外国語習得や海外での異文化のもとでの生活適応能力が高いため、事業者の皆様にとっても雇用しやすい人材といえます。弊社では、質が高く即戦力となりうるインドネシア人技能実習生を育成するための独自の教育プログラムや育成センターの設立をしております。詳細は次回以降のレポートでもご説明させていただきますが、技能実習生の受け入れを検討されている事業者様や弊社独自の教育プログラムや育成センターに関心をお持ちの事業者様はぜひ弊社までお問合せくださいませ。インドネシアからの人材の受け入れや将来にわたる事業継続に関して弊社でサポートさせていただきます。

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