【コラム】民族の違いと言語について

インドネシアは「多民族国家」だと言われていますが、実際にどのくらいの民族がいて、どのくらいの言語が存在しているのかご存じですか?

一口に「インドネシア人」といっても、民族によって性格や慣習などが大きく異なります。代表的な民族の違いを見てみましょう。

ジャワ人


ジャワ島の中央部および東部にすむ民族。
人口約9000万人を擁するインドネシア国内最大の民族です。
ジャワ語やインドネシア語(公用語)を話します。
イスラム教徒も多いですが、民族宗教であるケジャウェンを信仰している人も多いです。
上品で繊細な気質であるといわれています。
また、インドネシアのビジネスシーンをけん引しているのは多くがジャワ人だと言われています。





スンダ人

ジャワ島西部に居住する民族。
ジャワ人に次いでインドネシア第二の民族集団を形成しています。
スンダ語を話し、大部分が厳格な信仰を守ろうとするイスラム教徒です。
明るく楽天的で、外交的な気質だと言われています。
農業を生業とし、水稲耕作を行っている人が多いです。





マドゥラ人


東部ジャワ北岸にあるマドゥラ島を中心に居住しています。
マドゥラ語を話し、大部分は厳格なイスラム教徒です。
マドゥラ島の厳しい風土もあり、独立心が強く活動的で武勇に優れていると言われています。
職業的には、熱帯雨林の中で林業に従事する割合が高いとされています。





バタック人

バタック人はスマトラ島北部に住む民族。
ジャカルタ地域で商売を営む方をよく見かけます。
気性が荒いとされる半面、仕事に貪欲で積極性があり、お世辞を嫌い、ハッキリとものを言う傾向があるようです。
商売っ気が強く、交渉ごとも得意とされますが、ジャワ人やスンダ人からしてみると、「性格が強すぎる」と映るようです。

仕事面では、商売を営む方が多いため、会社勤めする方は少ないようですが、それでも部署のマネジャーとして頭角を現したり、積極性や交渉力が求められる営業職で能力を開花すると言われています。
また、人の上に立つことを名誉とするところがあるようで、インドネシアで活躍する弁護士の多くがバタック人と言われています。

パプア人


家族を超えた社会、親密なつながりを非常に意識することが多いのがパプア人です。
土地の所有などは個人が行うことはなく、村などの集団・組織によって必要に応じて管理・分配を行っています。
コーヒー、カカオ、パームオイルなどを生業とする人が多いとされています。



ダヤク人


カリマンタン島に最も古くから住んでいた人々はダヤク人と呼ばれます。
西カリマンタン州には華人が年によっては2割~5割居住しているなど他地域よりも多く、華人との近しい関係を築いています。
元々はアニミズムでしたが、現在は圧倒的にキリスト教徒が多くなっています。東カリマンタン地域ではイスラム教徒も多いです。




他にもインドネシアには様々な民族がいるとされ、その数は300以上、言語は700以上だとも言われています。そのため、国語・公用語として「インドネシア語」が整備され、60歳くらいまでの人々は「インドネシア語」でコミュニケーションを取っています。


このように、インドネシアでは進出する場所によって、文化・慣習、宗教、民族の性格が大きく異なっています。
会社設立や店舗出店などを検討されている場合には、その土地の「土地柄」を事前調査できちんと把握することが非常に重要です。

 

英語は通じないの?

また、インドネシアでは意外と英語が通じにくい場面も多いのが現状です。大手企業のマネジャークラス程度になると英語ができる方が比較的多いですが、一般社員レベルですと英語での商談、打合せはあまり期待しない方がよろしいでしょう。

通訳費用の節約のために英語面談をセッティングしたところ、会ってみたら思ったほど詳細の話ができず、再出張や、帰国後の電話ミーティングを調整することになった、というエピソードも時々耳にします。

英語の普及率は下記表の通りで、

区分 割合
都会に住む40歳以下の人 30%程度
農村部に住む40歳以下の人  15%程度

残念ながら英語が通じないことが多いです。

文化の理解はもちろん、言語面でもインドネシアサイドに歩み寄ることは大変重要です。
弊社は、ジャカルタのみでなく、インドネシア全土の様々な場所での調査・サポート実績が多数ございます。
日本国内での異文化研修なども行っておりますので、ご興味がございましたらお気軽にご相談ください。

株式会社インドネシア総合研究所
お問い合わせフォーム
Tel: 03-5302-1260

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

記事のシェアはこちらから
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次