【コラム】インドネシア企業の労働時間と福利厚生

経済協力開発機構(OECD)の調査によると、2021年の世界で一番労働時間が長い国はメキシコで、年時2128時であることがわかっています。
経済成長を遂げているインドネシアにおいては、人々の労働時間はどのようになっているのでしょうか。
今回のコラムでは、インドネシア企業における労働時間や福利厚生についてご紹介していきます。

参考WEBサイト:https://data.oecd.org/emp/hours-worked.htm

インドネシア人の労働時間

以下は、インドネシア中央統計局(BPS)のデータに基づくインドネシアの週あたりの労働時間の割合です。

Good Stats Rata-rata kerja Masyarakat Indonesia 2023を参考に弊社作成(2023年9月17日)
https://data.goodstats.id/statistic/elmaarmavillia/rata-rata-jam-kerja-masyarakat-indonesia-2023-35-48-jam-per-minggu-AU8u8

上図より、インドネシアにおける週の労働時間として35〜48時間の割合が一番高いことがわかります。
週に5日の労働時間と想定すると、1日あたりの平均労働時間が5~7時間で働いている割合が一番高いということになります。
日本の企業の1日あたりの平均労働時間の割合で一番割合が高いのが9時間と言われており、日本よりインドネシアの方が平均労働時間が短いことがわかります。

また、インドネシアの法定労働時間は1日8時間以内、週40時間以下と法律で定められています。
週5日勤務の場合は、1日8時間以内、週40時間以下で週6勤務の場合は1日7時間以内、週40時間以内と定められています。

参考WEBサイト:https://data.goodstats.id/statistic/elmaarmavillia/rata-rata-jam-kerja-masyarakat-indonesia-2023-35-48-jam-per-minggu-AU8u8
https://job-q.me/articles/3618
https://www.cnbcindonesia.com/news/20230104064854-4-402568/lengkap-penjelasan-libur-hingga-cuti-karyawan-yang-berlaku

インドネシアの機関・施設ごとの営業時間

以下は、インドネシアの銀行や会社等の営業時間一覧です。

場所 平日(月〜金) 土曜日 日・祝日
銀行 8時〜15時 8時〜13時 休み
会社 8時〜16時 概ね休み 休み
美術館 8時〜17時 8時〜17時 8時〜17時
ショッピングモール 10時〜22時 10時〜22時 10時〜22時
郵便局 7時〜19時 7時〜17時 休み
商店 7時〜22時 7時〜22時 7時〜22時

上図より、インドネシアでは平均的に午前8時には開店しているところが多いことがわかります。
銀行や会社や郵便局は日曜日、祝日は休みですが、土曜日も開店しているところが多いです。
インドネシアはイスラム教徒が多いため、個人の商店などはお祈りの時間帯は一時的に閉めることもあります。

営業時間においては、比較的日本と同じですが、銀行や郵便局などが土曜日も営業している点はインドネシアの特徴であると言えます。

参考WEBサイト:https://www.indonesia.travel/id/id/informasi-umum/jam-kerja-dan-waktu-libur

インドネシアのCuti bersama(政令指定休暇)

インドネシアには、祝日の他にインドネシア政府が指定している休日「Cuti bersama(チュティブルサマ)」という政府指定休暇が存在しています。
一般的に、祝日の前後に指定されることが多いのが特徴です。
Cuti bersamaは法的休暇ではありませんが、政府機関は原則休みとなり一般企業も有給にする企業がほとんどです。
有給休暇の消化を推進するために政府が定めており、インドネシア独自の取り組みです。

インドネシアの企業における福利厚生

従業員の生産性の向上や離職率の低下のために、インドネシアの一部企業では福利厚生サービスが提供されています。
以下はインドネシア企業の一般的な福利厚生の一例です。

<金銭面での福利厚生>
・年金の支給
・ランチ補助
・勤続年数に応じたボーナス
・治療費の支給
・住宅ローンの補助
・車両ローンの補助

<施設面での福利厚生>
・礼拝所の完備
・食堂の管理
・スキルアップの研修
・クリニックの併設

<その他>
・健康保険
・財務顧問
・勤務中の保育施設の提供

日本でも見られる福利厚生もあれば、礼拝堂の完備などインドネシア独自の福利厚生サービスがあることがわかります。
また福利厚生とは別に、インドネシアの企業ではTHR(宗教大祭手当)と呼ばれる、ラマダン(イスラム教の断食月)に配当するボーナスを支給することが法令で義務付けられています。イスラム教徒だけではなく、外国人従業員も対象となります。
インドネシアにはこうした宗教的な福利厚生や手当が存在しています。

参考WEBサイト:https://riliv.co/rilivstory/kenali-3-program-kesejahteraan-karyawan/

今回のコラムでは、インドネシア企業における労働時間や福利厚生についてご紹介しました。
インドネシアでは企業において、独自の休みや手当などが存在することがわかりました。

インドネシアで会社を設立する際は、このようなインドネシア企業独自の特徴や文化を理解したうえで進めていくことが非常に重要であると言えます。

日本とインドネシアに拠点を持つ弊社では、インドネシアビジネスにおいて専門的なアドバイスが可能です。
インドネシアへの進出についてのご質問等ございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。

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Tel: 03-6804-6702

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