【コラム】インドネシアにおける女性の子育てと働き方

日本では、2021年時点で共働き世帯が全体の68.8%を占め、夫婦ともに働きながら子育てをしている家庭が多い傾向にあります。
インドネシアにおいてはどのようなかたちで子育てをしているのでしょうか。
今回のコラムでは、インドネシアにおける働く女性の子育て事情についてご紹介していきます。

参考WEBサイト:https://www.mizuho-bp.co.jp/concierge/11_tomobataraki_percent/#:~:text=2000%E5%B9%B4%E3%81%94%E3%82%8D%E3%81%AB50,%E5%8D%A0%E3%82%81%E3%82%8B%E3%81%AB%E8%87%B3%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

インドネシアの平均出産年齢

インドネシアの第一子の平均出産年齢は、2022年のデータで21.57歳です。
日本の2020年時点の平均出産年齢30.7歳と比較すると、若くして第一子を出産していることが分かります。
また、2021年時点のインドネシアの合計特殊出生率(一人の女性が子供を産む人数)は2.3で、世界平均と同じです。

参考WEBサイト:https://gracebank.jp/egg-freezing-pregnancy-average-age/#:~:text=5%20%E3%81%BE%E3%81%A8%E3%82%81-,%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%A5%B3%E6%80%A7%E3%81%AE%E5%B9%B3%E5%9D%87%E5%87%BA%E7%94%A3%E5%B9%B4%E9%BD%A2%E3%81%AF30.7%E6%AD%B3,%E3%82%88%E3%82%8A%EF%BC%89%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
https://dataindonesia.id/varia/detail/ratarata-ibu-hamil-pertama-di-usia-2157-tahun-pada-2022
https://data.worldbank.org/indicator/SP.DYN.TFRT.IN?most_recent_year_desc=true&locations=ID

インドネシアの女性の産休・育休制度

2021年の全国労働力調査によると、インドネシアの女性労働者の数は36.2%で、その割合は毎年増加傾向にあることがわかっています。
また、インドネシアでは女性労働者の増加とともに、育児をしながら働く女性の割合も増加しています。

インドネシアにおける産休・育休日数については、産前・産後に1.5ヶ月の合計3ヶ月でしたが、2022年6月30日に可決された母子福祉法草案(RUU KIA)により、最長6ヶ月の取得が可能になりました。
また、産休・育休手当として、最初の3ヶ月は給与の100%を受け取ることができ、残りの3
ヶ月は給与の75%を受け取ることができます。
産休や育休だけではなく流産をした場合は、流産後1.5ヶ月の休みを取得できる権利があります。
実際に働く女性が6ヶ月の育児休暇を取得するまでには時間がかかりそうですが、インドネシア政府は、女性が働きながら子育てができるような制度を徐々に整えているようです。

参考WEBサイト:https://store.sirclo.com/blog/ruu-kia/#:~:text=Cuti%20Melahirkan%20Selama%206%20Bulan&text=Jika%20awalnya%20cuti%20melahirkan%20yang,Tahun%202003%20tentang%20Tenaga%20Kerja.

インドネシアにおける子供の預け先について

子育てをしながら働くうえで、子供の面倒を代わりにみてくれる保育園やベビーシッターなどの預け先は非常に重要です。
インドネシアの郊外では、子育てをしている家庭は親の両親(子からみて祖父母にあたる)や近隣住民に面倒をみてもらうケースもありますが、都市部では両親と離れて暮らしている家庭が多いため、ベビーシッターや保育園などに預けることが殆どです。

ベビーシッターと保育園を比較すると、ベビーシッターの方が時間の融通が効き、家事を頼むことができるため、料金が高額になる傾向にあります。
インドネシアではメイドやシッターのサービスが一般的に普及しているため、子育て世帯の問題では大変ポピュラーな選択肢でもあります。しかしながら近年ではインドネシアでも保育園などに子供を預ける家庭も増えてきました。
しかし、インドネシアの保育園は、まだ発展途上でもあり様々な問題を抱えています。
インドネシアの一般の家庭が利用できる料金の保育園では、環境や施設が十分ではなく、専門的な知識を持っていなくても雇われているケースがあり、園によっては子供を安心して預けることができない現状があります。
また、インドネシアでは都市の中心部にしか保育園がないことも多く、保育園に送り届けるまでに時間がかかることや深刻な都市部の渋滞により、子供を保育園に預けるのにも一苦労です。
インドネシアの女性が安心して子育てをしながら働くには、保育園の環境面や質の整備が必要
であると言えます。

参考WEBサイト:https://www.konde.co/2022/11/daycare-itu-kebutuhan-ibu-pekerja-kapan-pemerintah-serius-jamin.html/

インドネシアの男性の家事への参加

2018年のHill ASEANが行った調査によると、インドネシアでは料理などの家事を手伝っている男性は、10人中3人の割合と非常に低いことがわかっています。
インドネシアでは家父長制の考えが残っており、現状は家事に参加する男性は少ないですが、近年は家事に参加する男性が増えるなど、今後男性の家事や育児の関わり方が変わってきそうです。

参考WEBサイト:https://www.liputan6.com/lifestyle/read/4047448/survei-hanya-3-dari-10-suami-yang-mau-bantu-istri-dalam-urusan-dapur
https://news.detik.com/abc-australia/d-4315033/makin-banyak-pria-jadi-bapak-rumah-tangga-di-indonesia

女性の労働参加者数は増加しているインドネシアでは、今後さらに女性が働きやすい社会づくりが求められるでしょう。
日本においても、共働きが多く産休育休制度の取得率も増加していますが、まだまだ整備が必要です。

インドネシア、日本、それぞれ状況は異なりますが、子育てがしやすい環境づくりや男性の家事育児への参加の意識改革はどこの国においても重要な課題であると言えます。

日本とインドネシアに拠点を持つ弊社では、様々な分野の現地調査が可能です。
インドネシアへの進出についてのご質問やご相談がございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。

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株式会社インドネシア総合研究所
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