【コラム】インドネシアのインスタントラーメン消費量の推移と市場の最新動向

2022年8月22日

皆様はインドネシアのインスタントラーメンを召し上がったことがありますか？今や日本を含むアジア諸国のみならず、世界中で愛されているインスタントラーメンですが、インドネシアはなんと世界第2位のインスタントラーメンの消費大国なのです。今回のコラムでは、インドネシアのインスタントラーメン消費量の推移と市場の最新動向について紹介して参ります。

インスタントラーメン消費量Top5国の消費量推移
(World Instant Noodles Associationのデータを基に弊社作成)

まずは、インスタントラーメンの消費量が多い国トップ5から見ていきましょう。インスタントラーメンの年間消費量が最も多い国は中国で、その数は他国と圧倒的な差をつけています。続いて2位にはインドネシア、3位にベトナム、4位にインド、5位に日本と、何れもアジアの比較的人口の多い国がランキング上位を占めていることが分かります。

インドネシアの統計データサイトdataboksによると、インドネシアのインスタントラーメン消費量は、世界の即席麺消費量の11.27％を占めていることが報告されています。これらのことから、インドネシアにおけるインスタントラーメン需要は非常に大きく、その市場規模の大きさが読み取れます。

インドネシアにおけるインスタントラーメン消費量の推移
(World Instant Noodles Associationのデータを基に弊社作成)

続いてインドネシア単体のインスタントラーメン消費量の推移を見ていきましょう。World Instant Noodles Associationの調査によると、2021年のインスタントラーメンの消費量は、前年比4.98％増の132.7億食を記録し、上のグラフの通り2015年以降で最多を記録しました。

この急激な増加傾向には、新型コロナウイルス感染症の大流行で社会活動が制限されたため、インスタントラーメンが家庭での代替食品として大量にストックされるようになったことや、ステイホーム期の社会的支援にインスタントラーメンの配布が行われたこと等がその背景にあります。

調理が簡単なことに加え、長期保存が可能なインスタントラーメンは、インドネシアの一部の人々にとって食生活に欠かせないアイテムとなっています。

インドネシアで大人気のインスタントラーメン、Indomie
(https://www.indomie.com/page/about-us)

それでは、インスタントラーメン大国インドネシアではどのようなインスタントラーメンに人気があるのでしょうか。インドネシアで最も親しまれているインスタントラーメンといえば、まず名が挙がるのがMie Goreng(インドネシア風焼きそば)です。野菜や鶏肉、エビなどを入れ辛味の効いたソースで味付けしたものが広く食べられています。

Indomie、Mie Sedaap、ABCなどは世界中で有名なインドネシアのインスタントラーメンのブランドです。日本でも、東京の新大久保等のインドネシア食品店にて様々な味が販売されています。インドネシアでは、近年若者の間で韓国製のインスタントラーメンにも人気があり、Tik Tokではインスタントラーメンの斬新で美味しいアレンジレシピなどが多数投稿されています。

インドネシア人の多くはイスラム教徒であるため、インドネシアのインスタントラーメンは勿論ほとんどがハラール製品です。韓国製インスタントラーメン等の輸入品にも、同様にハラール認証マークが付けられています。

様々な味が展開されているMie Sedaapの商品
(http://misedaap.com.my/product/)

インスタントラーメン大国インドネシアのインスタントラーメンメーカーは、国内市場シェアだけでなく、世界市場もターゲットにしています。インドネシア中央統計庁(BPS)の報告によると、インドネシアからのインスタントラーメンの総輸出額は2020年には2億7,130万米ドルに達したと伝えています。

新型コロナウイルス感染症の影響もあり、2021年は輸出額に減少が見られましたが、2017年から2020年にかけてインスタントラーメンの輸出額は年平均15％の安定成長を保っていました。インドネシアのインスタントラーメンの最大の輸出先は隣国マレーシアで、同国へのインスタントラーメンの輸出額は2021年に7,932万米ドルに達しています。

続いてオーストラリアへ2,433万米ドル、東ティモールへ1,21万米ドル、シンガポールに1,113万米ドルと、何れも近隣諸国へ膨大な量のインスタントラーメンが輸出されています。

世界中の人々を虜にし、日々ファンを増やし続けているインドネシアのインスタントラーメンですが、日本市場への参入はまだまだこれからです。