急成長するインドネシアのインフラ開発動向2025

インフラ整備は、経済成長を促進し人々の生活水準を向上させるうえで欠かせない基盤です。
インドネシア政府も国家戦略プロジェクトとしてインフラ開発を位置づけ、ジャカルタとスラバヤを結ぶ高速道路「トランスジャワ」や、北スマトラ州から南スマトラ州を結ぶ「トランススマトラ」など、各地で大規模な整備を進めています。
本コラムでは、インドネシアの最新インフラ整備の状況をデータとともにご紹介します。
参考:Indonesia.go.id「Pembangunan Infrastruktur Fondasi Kemajuan Bangsa」
2024年までのインドネシアのインフラ整備状況

ジョコ・ウィドド前大統領政権下では、インフラ開発が国家の最優先課題とされ、過去10年間で地域間連結の強化と持続可能な経済成長を目指した大規模プロジェクトが実施されました。
ジャワ島のみならず、これまでインフラが十分でなかった地域にも重点が置かれ、トランスパプア、トランスカリマンタン、トランススマトラなど、主要島内を結ぶ高速道路が開通しました。
また、2024年までに、高速道路2,103km、ダム40基、新空港27カ所の建設が進められ、首都移転プロジェクトも本格化しました。
参考:Indonesia.go.id「10 tahun pembangunan infrastruktur menghubungkan Nusantara menggerakkan ekonomi」
インドネシアの高速道路建設
2024年時点で、インドネシアの高速道路総延長は約2,200kmに達しています。
2014年の780kmからおよそ10年間で3倍に拡大しており、国家インフラ政策の成果が表れています。
プラボウォ大統領が制定した経済担当調整大臣規則(2025年第16号)では、新たに50件の高速道路建設計画が追加されました。
対象地域はジャワ島にとどまらず、カリマンタン、スラウェシ、スマトラなど全国に広がっています。
これにより、物流効率の向上や地方経済の活性化がさらに期待されています。
参考:CNBC Indonesia「50 proyek tol baru jadi prioritas prabowo ini daftar lengkapnya」
インドネシアの空港建設
2014年から2024年の10年間で、インドネシアでは27の新空港が建設されました(うち7空港は建設中)。
空港整備は、遠隔地や島嶼部のアクセス改善を目的としており、地方発展の鍵となっています。
ブディ・カルヤ・スマディ運輸大臣は、最遠隔地・辺境地・内陸部・未開拓地域(3TP)における空港整備を引き続き推進する方針を表明しています。
また、新首都ヌサンタラ(IKN)の空港建設も、運輸省の主要プロジェクトの一つとして進行中です。
参考:インドネシア運輸省WEBサイト「Satu dekade pembangunan bandara dan penyelenggaraan penerbangan perintis」
2025年のインフラ国家予算
2025年のインフラ関連国家予算は402.4兆ルピアに設定されていますが、2025年9月8日時点での実行率は35.32%(142.1兆ルピア)にとどまっています。
主な予算配分は以下の通りです。
住宅関係
- 住宅金融動性ファシリティ(FLPP):18.8兆ルピア(15万8千戸相当)
- マンション建設:1.5兆ルピア(目標 4,318戸)
- 飲料水供給システム(SPAM):0.5兆ルピア(目標 毎秒54,322リットルの供給)
連結性
- 道路建設と保全:12.3兆ルピア(目標 115.3km)
- 橋:2.2兆ルピア(目標 8,867.6m)
- 港湾:1.2兆ルピア(目標 20ユニット)
食料安全保障
- ダム建設:2.1兆ルピア(目標 15基)
- 灌漑ネットワーク:3.3兆ルピア(目標 216千ヘクタール)
- 水資源インフラの運営・保守:1.5兆ルピア
- 水田開発および農地最適化:3.2兆ルピア(117.4千ヘクタール相当)
エネルギー安全保障
- 天然ガス輸送パイプラインのチセム区間の建設:1.6兆ルピア
インドネシア政府としては、インフラの予算は物理的な開発に終点を当てているだけではなく、地域間の連携を強化し、食料とエネルギーの安全保障を視点し、低所得者層の住宅へのアクセスを拡大することにも向けられていることを強調しています。
参考:Kontan.co.id「Hingga september 2025 realisasi anggaran infrastruktur baru 35 dari pagu」
インドネシアの首都移転に伴うインフラ開発
インドネシアのインフラ開発で特に注目されるのが、東カリマンタン州ヌサンタラへの首都移転プロジェクトです。
大統領規則2025年第79号に基づき、ヌサンタラ首都当局は立法・司法地区の建設を中心に開発準備を進めています。
立法・司法地区には、国会議事堂、民主プラザ、会議棟、各種オフィスなどを含む複合施設が42ヘクタール・総額8.5兆ルピアで建設予定です。
また、憲法裁判所や最高裁判所を含む司法複合施設も3.1兆ルピアで整備される計画です。
資金は国家予算・官民パートナーシップ(KPBU)・民間投資の3方式で賄われます。
この巨大プロジェクトは、インドネシアのインフラ開発における象徴的な事例と言えます。
参考:Nusantara「Pasca perpres 792025 ikn bersiap bangun kawasan legislatif dan yudikatif infrastruktur dan sumber daya manusia」
Indonesia.go.id「10 tahun pembangunan infrastruktur menghubungkan Nusantara menggerakkan ekonomi」
今回のコラムでは、インドネシアにおけるインフラ開発の最新状況をまとめました。
今後も、地域間格差の是正や持続可能な経済成長に向け、交通・エネルギー・住宅など多方面での整備が進むことが期待されます。
弊社インドネシア総研では、インドネシア現地にもインフラ・地域開発担当調整副大臣との会合の実績もございます。
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