【コラム】インドネシアの新型コロナウイルス感染症をめぐる最新状況
旧正月を迎えたインドネシアにおいて、新型コロナウイルス感染症の感染が拡大しており、政府は対策に追われています。
2022年2月1日、海外からの入国者に対して提示が義務付けられている出国前のPCR検査陰性証明書について、有効となる検査の期間がこれまでの各出発国からの出国72時間前から48時間前に短縮されるといった制限の強化策がインドネシア政府により発表されました。
同政府は去る1月31日、入国後の隔離期間について、従来の7日間から5日間へと短縮するという制限緩和を検討中であると発表したばかりでしたが、国内感染者数の急増や、新種変異株であるオミクロン株への懸念を受け、急転して今回の決断に至ったものと考えられます。
昨年を振り返ると5月、インドネシアではレバラン(イスラム教の断食明け大祭)休暇の際に人々の活発な往来により第二波の到来を経験しました。そして年末には第三波への懸念から大型休暇への警戒心が高く、クリスマスの一斉休暇が廃止されるという事態となりました。こうした取組みやワクチン接種率の上昇などに伴い、国内の新型コロナウイルス感染率は低下し続けており、オミクロン株の出現以降も国内での感染の封じ込めに成功していました。
しかし旧正月を迎える1月末ごろから2月にかけて再び感染者数が増加し始め、これまで数週間の国内の感染状況から、専門家は2月中旬頃には新型コロナウイルス感染症の第三波が発生すると予測しています。
以上の通り、パンデミックの状況変化に応じ対策の強化と緩和を繰り返している状況が続いています。
インドネシアにおける毎日の感染者数のグラフ
(https://www.worldometers.info/coronavirus/country/indonesia/)
新型コロナウイルス感染症の世界的な流行以来、インドネシアでは、人口密集地域であるジャワ島及びバリ島地域とその他の地域に其々内容の異なる活動制限を設けています。指標として1から4の警戒レベルを設け、各地域の県・市政府が感染状況等に応じてレベルを引き上げることで、対象となる活動範囲や程度に制限を適用しています。
活動制限の対象は、通勤、教育活動、ショッピングモール、スーパー、レストラン、ホテル等の営業、娯楽施設、文化活動、スポーツ、国内移動等とされ、特に商業施設等の利用時には、ジャカルタ等都市部を中心に接触追跡アプリ「Pedulilindungi」によるワクチン接種の有無や感染者との接触の有無の確認が行われています。同一都市圏を越えて国内移動する場合にも、PCR検査の陰性証明書やワクチン接種証明書の提出が義務付けられています。
接触追跡アプリ「Pedulilindungi」(https://www.pedulilindungi.id/#tentang)
公式YouTubeより(https://youtu.be/2hmI15CajEM)
今回の政府の方針決定を受け、人口密度が高く特に感染者数の多いジャカルタ首都特別州を中心に、各地域政府は厳格な活動制限を設けています。同州南タンゲラン市では、今月2日に一日の感染者数が16,000人を記録したことを受け、リモートワークの再導入や、再開したばかりの対面授業を即座に遠隔授業に切り替える等の措置を講じると発表しました。
インドネシアでは日々こうした迅速な対応によって新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策が講じられています。
こうして短期間で目まぐるしく変わる新型コロナウイルス感染拡大とその対策の情勢に目を向け、正確な情報を取り逃がさないように注意することが大切です。
弊社インドネシア総合研究所は引き続き、ジャカルタオフィスと連携を図り日々最新情報を入手して参ります。そして弊社は今後も変化が予想されるパンデミックの状況のなかインドネシアへの渡航を検討されている皆様、及びインドネシアに関する最新情報をお求めの皆様へのサポートをさせて頂きます。
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