【コラム】インドネシアのレバランの文化
以前のコラムで、インドネシアでレバラン (ラマダン明け)に食べる定番料理についてご紹介しましたが、今回のコラムでは、インドネシアのレバランの文化について紹介致します。
今年のレバランは、4月22日で、4月23日〜26日がレバラン休暇となります。
以下は、インドネシアで行われているレバランの文化です。
ハラルビハラル(Halal bi Halal)
ハラルビハラルは、親戚や親しい人の家に訪問し、お互いを許し合い、握手をするレバランに行われる伝統行事です。
これは、他のイスラム圏では見られないインドネシア独自のレバランの文化でもあります。
パンデミック中は、このハラルビハラルを直接会って行なうことができなかったので、ビデオ通話などで行っていました。
ムディック(MUDIK)
レバランの際に生まれ育った実家へ帰省することを、インドネシアではMUDIK(ムディック)と呼びます。
MUDIKは、ジャワ語のMulih ke udik(家へ帰る)という言葉から来ています。
13世紀からインドネシアで行われているレバランの伝統で、2022年のレバラン期間中、MUDIKで故郷へ帰省した人の数は8,550万人に及びました。
帰省先として最も多いのはジャワ島で、ジャワ島の中でも中部ジャワ、東ジャワへの帰省が多いようです。
また、ジャカルタはインドネシアの各地から仕事のために上京してきている人が多く、ジャカルタの人々がMUNDIKで各地へ帰省すると、ジャカルタから人が居なくなると言われている程です。
そのため、レバラン期間中のジャカルタは渋滞が緩和され、排気ガスが減り、青い空が垣間見えるとも言われています。
それほど、MUDIKはレバランの重要なイベントであり、人々の移動が活発になる要因となっています。
親戚の集まり
人々がMUDIKで故郷へ帰省すると、日本のお盆と同じ様にお墓参りをし、親戚が集まり、みんなで食事をします。
インドネシアは親戚の繋がりが深いため、親戚の集まりで300人ほどが集うこともあります。
集まる場所は、親戚の中で一番長老の家が一般的ですが、家に入りきらない場合はモスクを借りて、そこに集まることもあります。
また、夫婦でそれぞれの親戚の家に行く必要がある場合は、スケジュールをずらすか、日程が被った場合などを配慮して集まりを行います。
帰省して、親戚同士で集まることは年に一度の非常に楽しみな場であるようです。
ラマダン手当(THR)とお年玉(THR)
インドネシアの企業は、ラマダン、レバランの時期になるとラマダン手当(THR
)を支給することが義務付けられているため、インドネシアで働く会社員はラマダン、レバランの時期になると財布の紐が緩くなります。
ラマダン手当を、ラマダンのお祝いのための服代やお祝いための料理代、その他自分の好きなものを購入するために使います。
そのため、インドネシアにおけるラマダン期間中の消費活動が活発になり、飲食業や小売業は書き入れ時となります。
また、MUDIKで帰省した際、子供は親戚からお年玉(THR)をもらうことができます。
これもインドネシアのラマダンの文化のひとつです。
お墓参り
帰省した際、先祖のお墓へ参るのも、レバラン中に行う文化のひとつです。
ラマダンが終わったことを喜び、祖先に感謝しお墓参りを行います。
日本のお盆のような伝統文化です。
参考WEBサイト:https://alfamart.co.id/news-detail/6-tradisi-khas-lebaran-di-indonesia-yang-sudah-turun-temurun
今回のコラムでは、インドネシアのレバランの文化について、紹介致しました。インドネシアの人々にとってレバランは日本で言うお正月とお盆が一緒に来たような大きくて伝統的なお祝いであり、大切な文化であることがわかります。
それだけ大きなお祝いであるからこそ、インドネシアではラマダン、レバラン期間は消費活動が活発になります。
個人で飲食店を経営している人々は、稼ぎどきのレバラン期間中は帰省せず、ラマダン前に帰省を済ませるのが一般的なほどです。
ショッピングモールやECサイトでは、購買意欲が高まるレバランに向けてセールを行います。
インドネシアで飲食業や小売業を行う際には、レバランに向けて、いかに準備をするかが鍵となってきます。
レバランの文化のように日本とは異なるインドネシアの文化を理解することが、ビジネスチャンスを掴む重要なポイントであると言えます。
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