【コラム】インドネシアにおけるサツマイモ生産と代表的な品種「チレンブ(Cilembu)」

日本人にとって焼き芋やスイートポテト、芋焼酎などでおなじみのサツマイモですが、実はインドネシアとの深い関わりがあることをご存じでしょうか。日本にサツマイモが入ってきたのは江戸時代で、中国から琉球や薩摩に伝わったと言われています。日本では紅あずまや安納芋など多種多様なサツマイモの品種が食べられており、なかでも安納芋はインドネシアとの深いつながりがあります。安納芋は第二次大戦後にインドネシアからの帰還兵が種芋を持ち帰り、種子島で栽培が広まりました。今回のコラムでは、インドネシアのサツマイモ生産事情、日本の輸入状況、インドネシア産のサツマイモで特に日本で人気のある「チレンブ(Cilembu)」に関してご紹介いたします。

参考:http://www.furusato-tanegashima.net/kansyo/kansyo-saibai.html
https://www.maff.go.jp/j/agri_school/a_tanken/satu/01.html#:~:text=%E3%82%B5%E3%83%84%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%A2%E3%81%AF%E3%80%81%E3%83%A1%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%82%B3%E3%82%92%E4%B8%AD%E5%BF%83,%E3%83%A2%E3%83%81%E3%83%BC%E3%82%AB%E6%96%87%E5%8C%96%E3%81%AE%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82

インドネシアにおけるサツマイモ生産事情

(出典:国際連合食糧農業機関「Crops and livestock products 2020」より弊社作成)

国際連合食糧農業機関の2020年の統計によると、世界の国別サツマイモ生産量では、インドネシアは9位(148万7000トン)でした。アフリカ諸国が上位に名を連ねるなか、アジア諸国ではインドネシアは中国に次いで2番目にサツマイモの生産量が多い国となっています。ちなみに日本の生産量は世界16位(68万7600トン)でした。

(出典:インドネシア農業省「Produksi Ubi Jalar Menurut Provinsi, 2014 – 2018」より弊社作成)

インドネシア国内の州別サツマイモの生産量は上のグラフのようになっています。西ジャワ州、東ジャワ州、中部ジャワ島などジャワ島での生産が盛んで、他には、キャッサバなどのイモ類の生産が盛んに行われるパプア州がインドネシア第3位の生産量となっています。

参考:https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2019/20ef276b35811d54.html
https://www.fao.org/faostat/en/#data/QCL
https://www.pertanian.go.id/home/?show=page&act=view&id=61

日本のサツマイモ輸入事情

(出典:2021年度農畜産業振興機構「ベジ探」、原資料:財務省「貿易統計」より弊社作成)

日本国内でもサツマイモは生産されており、2021年度は67万1900トン生産されていましたが、冷凍かんしょ(サツマイモ)に関しては東南アジアからも多くを輸入しています。インドネシアからは昨年は約2549トンの冷凍かんしょを輸入していました。インドネシアからのサツマイモで、特に「チレンブ(Cilembu)」という品種は日本国内ではお菓子やデザートによく使用されています。新聞記事などによると、Calbeeの「素材がおいしい さつまいも」という商品や、シャトレーゼの「九州産さつまいものスイートポテトパイ」、ミスタードーナツの「蜜いもド」などの商品にもインドネシア産のサツマイモが使用されていたようです。

参考:https://vegetan.alic.go.jp/vegetan/sch3.do#
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC08A4P0Y2A300C2000000/
https://mdpr.jp/gourmet/detail/2788961
https://ohayojepang.kompas.com/read/1497/liburan-musim-gugur-di-jepang-cobalah-kuliner-donat-ubi?page=all

インドネシアの代表的なサツマイモ「チレンブ(Cilembu)」

【産地】
西ジャワ州のスメダンのチレンブ村での栽培が盛んです。チレンブ村のこのサツマイモはオランダ植民地時代から有名でした。チレンブ村の独自の土壌で栽培すると、他の土壌と比べて一番甘味が強くなります。

【味や食感の特徴】
「ハニースイートポテト」とも呼ばれることもあるこの品種は、焼いて加工した際に非常に甘味が強くなり、ハチミツに似た粘り気の強い蜜のような液体がにじみ出てきます。

【加工方法】
「チレンブ(Cilembu)」種は、焙煎加工をすると甘味やハチミツのような香りが引き立つため、焙煎加工が一番適しています。反面、茹でると香りが消えてしまい、揚げると焦げ付きやすいという短所もあります。

【用途】
「チレンブ(Cilembu)」種はインドネシアでは焼き芋として売られることが多いですが、チップスやジャム、ソース、さまざまなケーキやデザート、シロップなど甘味を活かしたデザートやお菓子などへの用途も多くなっています。

【価格】
Rp14,800 – Rp23,900(1kgあたり)、日本円でおおよそ141円-229円

参考:https://inisumedang.com/sejarah-ubi-cilembu-sumedang-konon-manis-hanya-ditanam-di-desa-cilembu/
https://harga.web.id/harga-ubi-cilembu-per-kg.info
https://www.kompas.com/food/read/2021/04/18/173600775/4-jenis-ubi-jalar-mana-yang-cocok-untuk-kolak-?page=all


今回はインドネシアのサツマイモに関して詳しくご紹介いたしました。日本で出回っているサツマイモのスイーツやお菓子にはインドネシア産のサツマイモが深くかかわっていることはご理解いただけましたでしょうか。

日本の大手企業の手がけるスイーツやデザートにも使用されている「チレンブ(Cilembu)」は、日本人の味覚にもなじみやすく、多くの人々を魅了しています。日本でサツマイモを使ったスイーツやお菓子の商品開発をご検討されている事業者の皆様にとっては、日本人の味覚に合うインドネシアのサツマイモは最適です。

また、インドネシアはサツマイモの他にもコメ、ピーナッツ、大豆などの生産も盛んな農業大国です。弊社はインドネシア全土に広大なネットワークを持っており、「はちみつ」「チョコレート」「コーヒー」などの食品やインドネシアの豊富な「燃料」「紙・木材といった素材」をはじめとした天然資源、その他アブラヤシなどのインドネシアの天然産品であるチャコール等のインドネシアから輸入をお手伝いさせて頂くことができます。

この様な豊富なインドネシアの食材・天然資源の調達にご興味のあられる方は是非弊社インドネシア総合研究所まで、お問合せ下さいませ。
皆様からのお問合せをお待ちしています。

株式会社インドネシア総合研究所
お問い合わせフォーム
Tel: 03-6804-6702

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