【コラム】インドネシアのスパイス生産事情と代表的なスパイス

最近日本ではスパイスカレーがブームとなっており、レストランでの食事のみならず自宅でもスパイスを調合してカレーを調理する人も増えてきています。スーパーのスパイス売り場に行くと何十種類ものスパイスが棚に並んでいることもあり、産地を確認するとインドネシア産のものも多く見られます。

実はインドネシアは遡ること16世紀の大航海時代からヨーロッパをはじめ世界を魅了してきたスパイス大国なのです。世界のスパイス約400~500種類のうち250種類以上のスパイスが東南アジア産であるといわれており、なかでもインドネシアは最もスパイスの多様性があることから「スパイスの母」とも呼ばれています。

今回のコラムでは、インドネシアのスパイスの生産事情から代表的なスパイスの種類をご紹介致します。

https://indonesia.go.id/ragam/komoditas/ekonomi/rempah-indonesia-diburu-dunia

インドネシアのスパイス生産事情

インドネシアのスパイスは16世紀の大航海時代にマルコポーロがモルッカ諸島でのスパイス生産に関して『東方見聞録』に記してから、ヨーロッパの人々の興味関心を惹きつけてきました。

特にシナモン、クローブ、ナツメグ、コショウは入手困難であったため、当時はかなりの高級品でした。大航海時代からスパイスで世界中を魅了してきたインドネシアですが、その状況は今でも変わりません。

FAO(国際連合食糧農業機関)の2020年の統計によると、インドネシアはスパイスの生産量では世界第5位(19万1453トン)で、東南アジアでは一番のスパイス生産国です。また、インドネシア国内の主なスパイスの生産地は以下の通りです。

1.ジャンビ州
2.西ジャワ州
3.中部ジャワ州
4.東ジャワ州
5.中部カリマンタン州
6.東カリマンタン州
7.マルク州
8.東ヌサトゥンガラ州

https://www.fao.org/faostat/en/#rankings/countries_by_commodity
https://www.kompas.com/skola/read/2022/05/07/080000069/daerah-penghasil-rempah-rempah-di-indonesia?page=all
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jao/45/2/45_100/_pdf

日本のスパイス輸入事情

(出典:2020年『財務省貿易統計』より弊社作成)

日本は世界各国からスパイスを輸入しており、その多くはアジアに頼っています。インドネシアからは約3856トンものスパイスを輸入しており、日本の輸入相手国としてインドネシアは第4位です。

(出典:2020年『財務省貿易統計』より弊社作成)

インドネシア各地で生産されており、インドネシアを代表するスパイスであるコショウは日本にも多く輸出されています。日本のスパイスの輸入相手国としてインドネシアはマレーシアに次いで第2位で、輸入量は約2989トンです。

https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00500100&tstat=000001018079&cycle=7&year=20200&month=0&tclass1=000001018080&result_back=1&cycle_facet=tclass1&tclass2val=0

インドネシアの代表的なスパイス

【コショウ】

コショウはインド由来のスパイスで、紀元前110年から西暦600年にかけてジャワ島に渡来したヒンドゥー教入植者たちが持ち込んだと考えられています。インドネシアではアチェ州、ジャンビ州、西カリマンタン州、東カリマンタン州、ランプン州などでの生産が盛んです。コショウは肉・魚料理のほかスープなどあらゆる料理に合います。

【シナモン】

香ばしい香りと独特の濃厚な香りを持つシナモンは、ケーキやパンや飲み物を作る際や肉類の煮込み料理などによく利用されます。シナモンの生産はジャンビ州、西スマトラ州などで盛んに行われ、その主な輸出先はアメリカ、オランダ、ドイツなどの欧米諸国のほか、シンガポールにも輸出されています。インドネシアのシナモンは世界の総供給量のうち45%を占めています。

【クローブ】

クローブはインドネシアのモルッカ諸島原産のスパイスで、かつてヨーロッパでは最も人気のあったスパイスで大変高価なものでした。大航海時代にはその価格は金の延べ棒と同程度もあったとのことです。クローブは、ジャンビ州、西ジャワ州、中部ジャワ州、東ジャワ州、中部カリマンタン州、東カリマンタン州、マルク州などでの生産が盛んです。甘く濃厚な香りは肉の臭み消しに効果があり、シチュー、ポトフ、ビーフシチュー、ホットワイン、お菓子などの料理に適しています。

【ショウガ】

ショウガはインドネシアのほぼ全域で盛んに栽培されています。ショウガにはたくさんの種類があり、東南アジアだけでも約80~90種類ものショウガがあると言われています。インドネシアでも伝統的な飲料や料理などにショウガは多く利用されていますが、そのほか中世のヨーロッパではショウガはビールの風味増強剤として利用されていました。また、ショウガ独特の身体を温める効能から、漢方薬や咳止め薬にも利用されています。

参考サイト
https://www.kompas.com/skola/read/2020/01/10/190000469/rempah-rempah-khas-di-indonesia?page=all
https://indonesia.go.id/ragam/komoditas/ekonomi/rempah-indonesia-diburu-dunia
https://www.sbfoods.co.jp/sbsoken/jiten/search/

今回のコラムでは、インドネシアの代表的な産品で歴史上長い年月にわたって世界中を魅了し続けてきたスパイスに関してご紹介いたしました。インドネシアで生産されるスパイスは種類が大変豊富且つ良質で、東南アジア料理のみならず洋食や中華などジャンルを問わず料理には欠かせない存在です。

インドネシアで生産される良質で香り高いスパイスの輸入にご興味のある皆様、一度弊社インドネシア総合研究所までお問合せ下さいませ。

その他、弊社では「はちみつ」「チョコレート」「コーヒー」「糖度の高い芋」などの食品やインドネシアの豊富な「燃料」「紙・木材といった素材」をはじめとした天然資源、その他アブラヤシなどのインドネシアの天然産品を用いたビジネスもお手伝いさせて頂きます。
皆様からのお問合せをお待ちしています。

株式会社インドネシア総合研究所
お問い合わせフォーム
Tel: 03-6804-6702

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

記事のシェアはこちらから
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次