【コラム】コロナ禍におけるインドネシアの人々のSNSとメディアの利用状況
2020年の新型コロナウイルス感染拡大の影響により外出が制限され、家にいる時間が増えたことで私たちの生活は大きく変化しました。
日本では、コロナ前と比べてSNSの利用時間が増えた一方でテレビなどのメディアの利用時間はそれほど増えていないようですが、インドネシアにおけるコロナ禍でのSNSやメディアの利用状況はどのような変化があったのでしょうか。
今回のコラムでは、コロナ禍におけるインドネシアでのSNSとメディアの利用時間の変動についてご紹介します。
参考:https://www.profuture.co.jp/mk/column/11058
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/08304/
インドネシアのコロナ禍におけるインターネット利用の変動
インドネシアのコロナ禍におけるSNS利用についてご紹介する前に、まずはコロナ禍におけるインターネットの利用についてご紹介します。
インドネシアでも新型コロナウイルスの感染拡大影響で外出規制などの影響から人々は家の中で過ごす時間が増え、それに伴いインターネットの利用者数がコロナ前に比べ8.9%増加しました。
1日あたりのインターネットの平均利用時間もコロナ前より約1時間増え、7時間59分(2019年)から、8時間52分(2020年)となりました。
出典:Didital2020,2021を基に弊社作成 (閲覧日:2021年2月1日) https://wearesocial.com/digital-2020 https://wearesocial.com/digital-2021
元々インドネシアをはじめとする東南アジア諸国はインターネット利用時間が他国より長い傾向にあり、インドネシアも昨年は新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛規制や移動規制、ECの利用拡大などが理由の一つとして挙げられるでしょう。
1日当たりの携帯電話の利用時間については以下のような変動がありました。
出典:Didital2020,2021を基に弊社作成 (閲覧日:2021年2月1日) https://wearesocial.com/digital-2020 https://wearesocial.com/digital-2021
携帯電話の利用時間は、世界平均並びにインドネシアの平均のいずれも2019年から2020年にかけて増加していることが分かります。
インドネシアにおいてインターネットの主な利用用途として挙げられるのは、「SNSの利用」「メッセンジャーアプリによるコミュニケーション」「オンラインゲーム」「オンラインショッピング」などです。
コロナ禍においては上記のの用途に加え、学校のウェブサイトなど教育関連のコンテンツの利用も増加しています。
新型コロナウイルスの影響でインドネシアでも学校への登校が制限され、リモート学習へ移行されたことが、インターネット利用時間が増加した理由の一つだと考えられます。
参考:https://money.kompas.com/read/2020/11/09/213534626/pengguna-internet-indonesia-hingga-kuartal-ii-2020-capai-1967-juta-orang
https://voi.id/en/teknologi/19331/apjii-the-covid-19-pandemic-increases-internet-users-in-indonesia-by-nearly-200-million
コロナ禍におけるSNS利用
昨年のインドネシアにおけるSNS利用時間は前年と比較して若干減少傾向にありますが、それでも世界平均よりも長いことが分かります。
出典:Didital2020,2021を基に弊社作成 (閲覧日:2021年2月3日) https://wearesocial.com/digital-2021
下記は昨年のコロナ禍2020年2月〜7月にインドネシアで利用されているSNSの利用率の推移です。
インドネシアでは2020年4月〜5月にかけて、Facebookの利用が増えており、対面での人との繋がりが少なくなった代わりにオンライン上で人との繋がりを求めるようになった人が増えたようです。
また、経済活動が徐々に再開された6月にはYouTubeの利用率がFacebookの利用率を一時的に越えていることが分かります。
出典:Social Media Stats Indonesiaを基に弊社作成 (閲覧日:2021年2月8日)
https://gs.statcounter.com/social-media-stats/all/indonesia
コロナ禍におけるメディアの利用の変化
インドネシアのコロナ禍におけるメディアの利用はどのような変化があったのでしょうか。
テレビとラジオの2つを取り上げて紹介していきます。
テレビ
インドネシアでは、2020年3月に最初の感染者が出て新型コロナウイルス関連のニュースが増えたことで、ニュース番組の視聴者数が最大で25%増加しました。
また、2020年3月中旬移行に発令された外出自粛要請の際には子供番組の視聴率が過去最高となっていることが分かっています。
2020年3月16日〜4月11日のWFH(work from home=自宅勤務、つまり、他人と距離を置く)期間、1日のテレビの視聴時間は5時間37分となり、WFH期間以前より26分増加しました。
参考:https://www.antaranews.com/berita/1487568/pandemi-dan-ramadhan-ubah-tren-menonton-tv
Jakpatの調査によると、自粛中の暇な時間を埋めるためにテレビを視聴した人の割合は、ソーシャルメディアの再生や読書をした人の割合に比べると高いことが分かっていますが、YouTubeを視聴する人の割合には及んでいないことが明らかになりました。
広告を出す上でも、テレビ広告よりウェブ広告に関心がある企業が多く、コロナ禍で視聴率は増加したもののウェブメディアとどう戦っていくかが今後の課題になりそうです。
参考:https://www.nielsen.com/id/id/press-releases/2020/covid-19-dan-dampaknya-pada-tren-konsumsi-media/
https://lokadata.id/artikel/penonton-dan-pengiklan-di-tv-mulai-beralih
ラジオ
インドネシアのジャカルタ全体のラジオのリスナー数は、2020年4月から6月の間に50万人以上増加しました。
また、家にインターネット環境がなくオンライン学習が困難な生徒のために、ラジオを通して先生が授業を配信するという取り組みも行われておりコロナ禍においてもラジオが活用されていることが分かります。
参照:https://www.industry.co.id/read/78303/selamat-ulang-tahun-ke-46-persatuan-radio-siaran-swasta-nasional-indonesia
https://www.kompas.com/edu/read/2020/09/10/144439971/belajar-jarak-jauh-lewat-radio-siswa-di-magelang-tak-terhalang-kuota
日本ではコロナ禍でメディア利用の変動は見られなかったですが、インドネシアにおいてテレビやラジオは情報収集に欠かせないツールのひとつとして考えられていることが分かります。
コロナ禍における情報収集
ここまでインドネシアにおけるコロナ禍におけるSNSとメディアの変動を見てきましたが、具体的にインドネシアの人々は新型コロナウイルスの情報収集手段としてはどのようなツールを一番活用しているのでしょうか。
下図はインドネシアの中央統計局(BPS)が実施した新型コロナウイルスに関する情報収集の手段の一覧です。
出典:BPS Public behavior during theCovid-19Pandemicを基に弊社作成 (閲覧日:2021年2月3日)
https://www.bps.go.id/publication/2020/09/28/f376dc33cfcdeec4a514f09c/perilaku-masyarakat-di-masa-pandemi-covid-19.html
コロナウイルスの情報収集のために利用されているツールの1位はSNSとなり、2位はテレビ、3位はメッセンジャーアプリのWhatsAppとなっております。
他にも、オンラインメディアやチャットアプリなども活用されていることが分かります。
インターネットやSNS、メディアを使用する時間が長くなっているインドネシア。
コロナ禍の今だからこそできるビジネスやビジネスのアプローチの方法が重要となってきます。
弊社では、インドネシアにおいてSNS・メディアを利用したPR・セールスのサポートなどの実績があります。ご興味がある方はぜひお気軽にお問い合わせください。
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