【コラム】インドネシアの河川
インドネシアには5,590本の主要河川があると言われていますが、近年インドネシアの河川は水質汚染が進み社会問題となっています。
今回のコラムではインドネシアの河川についてご紹介していきます。
インドネシアの全長の長い河川
まずはインドネシアにある全長の長い川を2つご紹介します。
カプアス川(Sungai Kapuas )
カプアス川は、インドネシアで最も長い川で、インドネシアの西カリマンタン州を流れています。
その長さは全長1,086kmに渡り、日本で一番長い信濃川367kmの約3倍にあたり非常に長い川であることが分かります。
カプアス川は様々な地域を横断しているため、周りの地域の輸送手段としても利用されています。
また、川の周りは観光地としても栄えており、人々の暮らしを支えています。
マカハム川(Sungai Mahakam)
インドネシアで2番目に長い川は、東カリマンタン州に位置し、全長920kmに及びます。
流域面積は東カリマンタン州の総面積の約41%を占め、カリマンタン島で最も領域面積が大きい川として知られています。
マカハム川には、“カワゴンドウ”という珍しい哺乳類の生き物が生息する他、174種類もの様々な魚も生息しています。
また、マカハム川流域で産出される資源の輸送手段としても非常に重要な役割を担っています。
インドネシアで3番目に長い川もカリマンタン島にあります。
カリマンタン島はインドネシアの中でも国土が広いため、その分長い川も多く存在するようです。
また、インドネシアの川は規模も大きく、川の周りは観光地や輸送の手段として栄えていることが分かります。
インドネシアの河川の汚染問題
多くの河川があるインドネシアですが、インドネシアの河川の59%が、石油やガス、鉱業などの産業廃棄物や家庭廃棄物、家畜によって汚染されており、約1,270万トンのプラスチックゴミが海に流れ出しています。
インドネシアの河川の汚染は世界的に見ても深刻で、2018年にインドネシアの西ジャワ州にあるチタルム川は、世界銀行により世界で最も汚い川として認定されました。
チタルム川の主な汚染源は、産業廃棄物と家庭廃棄物です。
インドネシアでは、川に家庭ゴミ廃棄している地域もあり、川にゴミを捨てるということが習慣化しております。
また、工業地域における産業廃棄物による河川の汚染も深刻な状況で、2010年に産業廃棄物を川に廃棄する前に、きちんと処理をして川廃棄するための法律が制定されましたが、未だに規則を守らない業者も多く、河川の汚染が続いています。
参考WEBサイト:https://bisnis.tempo.co/read/1488232/klhk-ungkap-penyebab-59-persen-sungai-di-indonesia-tercemar-berat
https://greeneration.org/media/green-info/pencemaran-sungai-kian-jadi-polemik-di-indonesia-ini-solusinya/
河川の汚染による洪水の被害
インドネシアでは洪水が頻繁に起こり各地で被害が広がっていますが、洪水の原因の一つとして河川への産業廃棄物や家庭廃棄物の廃棄が挙げられます。
つまり、河川への廃棄物の廃棄により、通常より川幅が狭まり川の水が溢れやすくなるため洪水が起こるといった問題です。そしてその被害は現状も広がっており、深刻な問題となっています。
また、インドネシアの国家防災庁のドニ局長は、インドネシア社会全体で河川の汚染についての問題を考える必要があると述べています。
参考WEBサイト:https://www.kompas.id/baca/metro/2022/03/03/aliran-air-terhambat-penyempitan-sungai-cibanten
インドネシアの河川は、廃棄物により飲料水にできないほど汚染されており、河川が氾濫した際、河川の汚染が原因で病気になる可能性があるレベルまで達していると言われています。
このインドネシアの河川汚染問題は、早急に解決するべき急務であると言えます。
弊社では河川の汚染の原因となっている、産業廃棄物処理またそれらを利用した資源回収や循環型資源ビジネスについて現地視察や調査や皆様の事業支援をさせて頂く事ができます。
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