インドネシアでアルコール販売が規制される理由と今後の動向

ビンタン

インドネシアではアルコールの販売が2015年から規制されています。

なぜインドネシアでアルコールの販売が規制されるのでしょうか?

インドネシアでアルコールを規制する理由や影響範囲、今後の動向についてまとめました。

目次

インドネシアでアルコール販売が規制される法令

ラフマッド・ゴーベル商業相が署名した『MOT No.6』

2015年1月にインドネシアのラフマッド・ゴーベル商業相は、アルコールに関する規制『MOT No.6』(商業大臣令第6号)に署名しました。

この内容は、2015年4月よりインドネシアの国内ミニマーケットで、アルコール度数5%以下のアルコール飲料の販売を禁止するというものです。

アルコール販売規制の対象

アルコール販売の禁止対象になったのは、売り場面積が400平方メートル未満の売店やコンビニや屋台です。

インドネシア国内で約23,000店舗が規制の対象となりました。

ただし400平方メートル以上5,000平方メートル以内のスーパーマーケットやレストラン、ホテルについては規制の対象外となっています。

インドネシアでアルコール販売が規制される理由

飲酒の危険から若年層を守るため

インドネシアでは近年、若年層による飲酒が増加傾向にあります。

学校周辺にあるコンビニなどにアルコール飲料が販売されていることにより、若年層がアルコール飲料を入手しやすい環境にあることを問題視して、このような法令が発表されました。

密造酒による犯罪を防ぐため

またインドネシアでは、屋台などで密造酒が簡単に手に入る時代がありました。

アルコール飲料の無許可製造自体がそもそも違法行為にあたりますが、飲料用ではない、薬局等で入手できる人体に有害な不純物を含んだアルコールを混ぜて販売されていたのは事実です。

この密造酒が原因で、死亡事故が発生していることもアルコールの販売規制が関係しているといわれています。

宗教ではなく健康上の理由

インドネシアでは、これまでアルコールの販売を規制しようという動きは何回もありましたが、実現されませんでした。

それはイスラム系の政党が、宗教的な理由でアルコールを規制するべきと訴えていたので、多宗教社会のインドネシアでは受け入れられなかった背景があったからです。

しかし今回は、宗教的な理由ではなく、健康を理由にアルコールの販売を規制しようとするもので、国民の理解を得やすかったことから、インドネシア政府はアルコールの販売を『全面的に禁止』というのではなく、『規制』という形でルールが決定しました。

アルコール販売規制による影響と今後の動向

コンビニ業界の売上大幅減による撤退

コンビニのセブンイレブンは、アルコールの販売規制により売上が20%以上減少し、経営難になったことから2017年に全面撤退することが発表されました。

セブンイレブンは、インドネシア国内に200店舗以上あったので大きな話題となりました。

状況に応じて規制を緩和することを表明

インドネシアの酒税による税収は、2015年は約5兆ルピアで、インドネシア政府は2019年には約9兆ルピアの税収を目標としています。

ただこのアルコール販売の規制により、目標達成は難しくなってきていることを踏まえ、法案を審議する特別委員会のアルワニ・トマフィ委員長は、『状況に応じて規制を緩和しながら、引き続き国民の健康を守っていく』と、表明しています。

インドネシアの規制についての相談

コンビニ

インドネシアでは業界毎に様々な規制や慣習があります。

これらの規制によって、インドネシアでのビジネスが左右される企業はとても多いです。

インドネシアの規制や慣習をしっかり把握しておくことは、とても大切なことです。

インドネシア総研では、現状の規制はもちろん、今後の動向などについて、業界のキーマンとのパイプを活かし、情報を入手しています。

インドネシアの規制について、不安やことがございましたら、お気軽に相談ください。

株式会社インドネシア総合研究所
お問い合わせフォーム
Tel: 03-5302-1260

ビンタン

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